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物語の舞台は京都。芸術大学に入学した如月椿は、孤高なオーラを放つ同じ学部の三日月紫苑と、学内の大階段でぶつかり怪我を負わせてしま う。このことがきっかけで、椿は紫苑の屋敷へ案内され、彼の代わりにある大切な役割を任される。それは妖たちの肖像画を描くこと――つまり、彼らの“なりたい姿”を描き、不思議な力でその願いを叶えてあげることだった…。妖たちの心の救済、友情、絆、それらすべてを瑞々しく描いた最高の感涙小説。全4話収録。
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Posted by ブクログ
妖と、人と。そして、その間にいるもの。 どの話もとても優しく温かかった。1話目と2話目が特に好きだなぁ。ゆったりとした空気の漂う物語。 続きがあるならば、眞弓さんとの過去も覗いてみたい。 そして薊は本当にかわいいなぁ。 みんなと一緒にお茶したいなぁ。
あぁなるほど。これは椿ではなく紫苑の成長の物語なんだ。自身を受け入れ、自分のなりたい姿を見つける物語。 個人的には薊の可愛さと豪快さにいちばん救われました。わたしがあの屋敷に迎えられるなら地元の銘菓を大量にもっていきます。(美味しいお茶はお任せしよう 銀はいつか桜守になるのかな。あの桜が咲く瞬間...続きを読むを見たいな。咲いたら、きっとみんなで美味しい料理を食べながら宴会するんだろうね。 灯火。 誰もがそれを必要としてるよね。道の先を照らす灯りも必要だけど、いま立っているこの場所を照らしてくれる灯りが必要な時もある。 この一冊のなかで誰よりも救われたのはきっと紫苑だね。 それがなんだかとても安心しました。 若い世代に読んでもらいたいな。自分と違うものを受け入れることを若いうちに覚えられたら、きっと、ずっと人生は楽しくなるから。 そのきっかけになるのがこんな物語だったらいい。 正直、各話のタイトルの雰囲気が好きすぎて、もう少しそこに寄せた本タイトルだったらよかったのになぁと。 あと裏表紙の煽り文句がちょっとなぁという印象。
京都・北白川の少し不思議なひとたち。 芸術系の大学に進学した椿が出会った、黒ずくめの美男子・紫苑。彼にケガをさせたことで関わり合いになった椿は、紫苑の屋敷に案内されて、彼の仕事を知る。紫苑は妖のために絵を描く仕事をしていた。ケガで絵が描けない紫苑の代わりに、訪ねてきた妖の絵を描くことになった椿だが...続きを読む――。 舞台になった場所に心当たりがありすぎる。妖と人間の関係が、慣れ合ってもおらず、助け合うわけでもない。そういう状態で、妖と交流する人間、妖と人間との間に生まれたものの生き方が主題となる話もある。出した結論は優しく、読後にふんわりとした気持ちが残った。
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