あらすじ
何事も白黒つけたくない。自己主張
して、周囲とギクシャクするのが嫌
だから――。高2の遠矢絹は、自分
の想いを人に伝えられずにいた。本
が好きなことも、物語をつくること
への憧れも、ある過去のトラウマか
ら誰にも言えない絹。そんなある日、
屋上へと続く階段の途中で、絹は日
向萌夏と出会う。「私はとある物語
の主人公なんだ」――堂々と告げる
萌夏の存在は謎に満ちていて…。だ
が、その予想外の正体を知った時、
絹の運命は変わり始める。衝撃のラ
ストに、きっとあなたは涙する!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
階段途中の少女たちに、ぜひ読んでもらいたい。
読後すごくそう感じたお話。
逃げてもいい、合わせてもいいし、無理もしなくてもいい。そう思えると、少しだけ踏み出せたりもするよね。
不思議で、けれど大切な友人。
だれにでもきっといるんじゃないかな。
Posted by ブクログ
そんなことで、傷つかなくてよかったのに。
ヒロインの絹ちゃんが近くにいたらそう言ってあげたいけれど、そんなことで傷ついて自分を殺してしまうのが若さなんだよねえ。
嘘がダメなわけじゃない。
でもそうだな、やっぱり自分につく嘘はいずれ自分を追い詰めるから、せめて自分にくらいは正直になって大切なものは大切にしてほしいね。若い女の子は特に。
30代も半ばになると少女達の物語を読むとさすがに自分をそこには落とし込めないけれど、かつての自分が黙っていない感もある(笑)
17歳のわたしが彼女に声をかけるとしたらば、
「これ、読んでみてよ」
いつでもいいよって有無を言わさずその時かばんに入ってる本を渡しただろうな。新手のテロぽいけど(笑)
階段途中というタイトルもいいよね。
まさに文字通りの意味でもあるし、心も身体も発展途上中の彼女達にはちょうどいい。
少女と呼ばれる短い時間のうちにこの作品を読んでみたかったなぁ。
それこそ階段途中の段階で、出会っていたら、わたしはどんな言葉で感想を綴ったかしら?
あのころ、出会った主人公達は大人になった今でも時折会いにきてくれるし、わたしも会いに行くから、きっと絹と萌夏も定期的に女子会してるのだろうね。
追記
でもちょっと帯の煽りは違うよね。
これは涙するお話じゃなくて、若い子には教本で、大人には復習ドリルみたいなものだと思うな。
自分の物語を生きることを学べるフィクションという名のテキストだと思う。