北條民雄のレビュー一覧
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ハンセン病により隔離病院に入所する「いのちの初夜」から始まり、療養所での生活を淡々と描く私小説。
絶望の中で生きることへの渇望と、人生の儚さや不条理が切実に伝わってくる、ドキュメントの凄みと圧倒的な重さを感じました。
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いのちの初夜が100分de名著で取り上げられたことから興味を持ち、読んだ。
北条民雄の書くものを小説だけでも生涯に一度は読むべきだと思う。
陳腐な表現にしかならないが、生きる苦悩、死ねない苦痛、死の必要性、全ての人に共通する普遍的な苦しみと想像を絶する世界が描かれている。
このような世界が日本に...続きを読むPosted by ブクログ -
人間として死んでいて、生命だけがある状態。
この言葉に当時のハンセン病に対する理解や
本人たちの感じ方など、様々なものが含まれていて、どろどろと渦巻いている気がした。Posted by ブクログ -
生きることの意味、人生とな何かを考えさせられる。
重い病気を患い、ただただ何もせず、何も生まず、誰かに得するわけでもなく、その日その日をただ生きる。
そこに意味はあるのか?生はあるのか?それは最早人と呼べるシロモノなのか…
それでも自死を選ばず、ただハンセン病患者として、新しい生き方を見つけること、...続きを読むPosted by ブクログ -
自らもハンセン病と戦った著者が、その病院を舞台にした小説を書いたものです。
どこまで人間でいられるのか、どこまで生きていなければならないのか考えさせられます。Posted by ブクログ -
重かった。細かい描写がこれでもか、これでもかという勢いで迫ってくる。見たことはないが、どんな様子だったかリアルな映像が浮かぶ。
それだけ素晴らしい文章力だということだ。Posted by ブクログ -
この本に出会わなければ一生ハンセン病というものをきちんと理解できていなかったと思う。
療養所での生活があまりに壮絶で、この敷地内だけで世界が完結している……いや、せざるを得ないほど忌避されることが当然だったのかと思うと暗澹たる気持ちになった。Posted by ブクログ