北條民雄のレビュー一覧

  • いのちの初夜

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    暗いけど、真っ暗じゃない、逆に生きる希望を感じた不思議な作品でした。
    メメントモリってこういうことだと思った。

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    2025年09月17日
  • いのちの初夜

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    実際にハンセン病にかかった人間にしか書けない凄みがある。著者自身が感じたことやその目で見たものが土台があるからこその現実感があり、単に残酷な状況という話では終わらない説明のつかない複雑な心境になる。

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    2025年08月23日
  • いのちの初夜

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    ハンセン病に巣食われそうになっても、たくさんの苦悩が降りかかろうと、命のかがやきは絶やさずに明日を生きようとする姿に感銘を受けた。

    ハンセン病になったわけじゃないけど、自分も苦労をしたから、絶望のさなかにいるときの心情は痛いほどに共感した。

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    2024年11月20日
  • 北條民雄集

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    ハンセン病により隔離病院に入所する「いのちの初夜」から始まり、療養所での生活を淡々と描く短編小説集。

    童話や随筆、日記なども収録されていて、北条民雄を初めて読むには最適かと思います。

    絶望の中で生きることへの渇望と、人生の儚さや不条理が切実に伝わってくる、ドキュメントの凄みと圧倒的な重さを感じました。

    解説も含めて全て良い。

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    2024年08月28日
  • 北條民雄集

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    「死のうとしても死にきれない。死にたいのに。違う、俺はむしろ生きたいんだ。自分という(癩病を患った)人間がここに存在していた という証を残したいのだ」

    そんな訴えが聞こえてくるようだった。
    これは北條民雄の魂の叫びだ。
    癩病を発症し、面識のない人間にまで差別、偏見の目に晒された上、隔離病院へ押し込まれる。
    そんな過酷な状況の中、声を上げることを止めなかった彼はカッコイイ。
    人間らしさが詰まった声は文字になり、 それらはやがて文学となった。
    癩病がなんだ。俺は患者である前に一人の人間だ。俺を見てくれ。みんなと同じ人間なんだよ。

    彼は自身の作品を癩病患者としての色眼鏡で評価されることを最も嫌っ

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    2024年04月19日
  • 北條民雄集

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    この先死にたくなって3分間本を手に取る余裕があったなら、この本の「断想」か「柊の垣のうちから 表情」の一節を読むと思う。

    「美しい、まだ十五六の少女が現はれる。この少女を直ちに殺すことも、また限りない愛情をもつて抱きしめることも、可能となる。しかも凡ては美しく、なつかしい。」

    「歪んだ表情。
    生硬な表情。
    苦しげな表情
    浅ましい表情。
    餓えた猿が結飯に飛びつくような表情。
    これが宗教に頼ろうとする時の自分の表情である。苦しくなった。 書いてはならぬことを書いてしまったような気がする。」

    読むと死にたくなるし、生きたくもなる。どこか俯瞰している。真ん中から両極を見ることのできる気がするこの

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    2024年07月04日
  • いのちの初夜

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    これほど心を揺さぶる本はなかなかないのでは。

    ハンセン病を患った人々の生命の力強さがひしひしと伝わってくる。徐々に肉体を冒していく病の恐ろしさ、それに立ち向かい、なんとか生きる意味を見出そうとする精神の尊さ。
    たんにハンセン病を主題にした作品ではなく、人間とは、いのちとは、生きるとはという根源的な問いを投げかけているように感じた。

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    2023年08月14日
  • 北條民雄 小説随筆書簡集

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    ネタバレ

    いのちの初夜が100分de名著で取り上げられたことから興味を持ち、読んだ。

    北条民雄の書くものを小説だけでも生涯に一度は読むべきだと思う。
    陳腐な表現にしかならないが、生きる苦悩、死ねない苦痛、死の必要性、全ての人に共通する普遍的な苦しみと想像を絶する世界が描かれている。

    このような世界が日本にあったこと、このように扱われた存在があったこと、誰も忘れてはならないし知るべきだと思う。

    苦しい読書だったが読めて良かった。



    あなたが見られた癩者の生活は、まだまだほんの表面なんですよ。この病院の内部には、一般社会の人の到底想像すらも及ばない異常な人間の姿が、生活が、描かれ築かれているのです

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    2023年06月15日
  • いのちの初夜

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    人間として死んでいて、生命だけがある状態。
    この言葉に当時のハンセン病に対する理解や
    本人たちの感じ方など、様々なものが含まれていて、どろどろと渦巻いている気がした。

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    2023年04月01日
  • 北條民雄集

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    ハンセン病患者がどんな生活をしていたのか。いまでは考えられない生活があってびっくりする。
    気分が沈んでるときに読むと、共感する。自分にぴったりの文がある。

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    2022年05月14日
  • 北條民雄 小説随筆書簡集

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    生きることの意味、人生とな何かを考えさせられる。
    重い病気を患い、ただただ何もせず、何も生まず、誰かに得するわけでもなく、その日その日をただ生きる。
    そこに意味はあるのか?生はあるのか?それは最早人と呼べるシロモノなのか…
    それでも自死を選ばず、ただハンセン病患者として、新しい生き方を見つけること、その困難さと美しさに目を奪われる。

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    2022年04月05日
  • いのちの初夜

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    まずは文庫化してくれた角川に感謝。

    読み始める前に多少の覚悟をしておかなければならないが、やはり標題の「いのちの初夜」は心を打つ。人間として一度滅び、そして再生する。
    標題作は勿論だが、同じく収録されている「吹雪の産声」も傑作。「いのちの初夜」で打ちひしがれた心もこの作品に一縷の望みを感じる。

    ハンセン病(癩病)が不治の病でなくなった今、この病を身近に感じた事のない全ての人々に読んで欲しい一冊。

    田村書店天下茶屋店にて購入。

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    2020年12月27日
  • いのちの初夜

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     『吹雪の産声』の矢内からの手紙が、心に残った。
    治ることのない病と生きるとき、希望となるものは何かを考えたとき、救いとなって欲しい。

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    2025年09月22日
  • 北條民雄集

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    病棟から文学を志した青年の 
    端正で熱い文章、
    支えた川端康成先生にも一礼を。

    上皇后さまも長〜く
    ハンセン病の元患者さんたちを
    お見舞いされていましたね…


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    2024年09月01日
  • いのちの初夜

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    ★4.6

    苦しく、辛い小説でした。
    高校生の時に、破戒に出会った時と同じだ。あの時も丑松さんあなたはなにも、悪くない。と悔し泪を流したものですが、いのちの初夜も同じ感覚でした。
    私の故郷にも、ハンセン病の療養所があり、今まで手を出すのが正直怖かったのかもしれない。
    子供の頃にそれに罹患された方にあったこともあるので小さな頃だったので、ただただ、怖かった。驚き怖かった。それが、凄まじい差別を伴っていることを知ったのは、だいぶ後になってからだったが、その差別を知った上で、この作品に触れると、苦しく、辛い、ものかたりでした。
    常に自死と隣り合わせ、死を見つめて生きる、辛く悲しいものかたり。
    ちゃん

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    2023年10月03日
  • 北條民雄集

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    どんなに苦しもうとも、死ぬまで生きるのだ。

    ハンセン病の診断を受けて全生病院に入院した著者は、その短い生の間にいくつもの作品を残した。彼の作品を"ハンセン病文学"と語ることもできる。しかしそこに書かれている彼の叫びや喜びや不安を、感じたことのないものはいないだろう。ある意味、普遍的で誰でも感じることだから。苦しい生、死にたい気持ちと死ねない自分、絶望と希望。容易に勇気付けられたなんて言えないが、前を向かせてくれる読書体験だった。

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    2023年04月29日
  • いのちの初夜

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    自らハンセン病を患い、収容施設にて隔離され、その体験を元に書かれた短編集。

    ・いのちの初夜
    ・眼帯記
    ・癩院受胎
    ・癩院記録
    ・続癩院記録
    ・癩家族
    ・望郷歌
    ・吹雪の産声

    ・あとがき … 川端康成
    ・北条民雄の人と生活 …光岡良二
    ・解説 …髙山文彦

    とにかく壮絶です。
    『いのち』とは?『生』とは?『死』とは?
    今までの概念を覆されます。
    この本を世に出してくれた全ての人に感謝。

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    2022年01月03日
  • いのちの初夜

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    自らもハンセン病と戦った著者が、その病院を舞台にした小説を書いたものです。
    どこまで人間でいられるのか、どこまで生きていなければならないのか考えさせられます。

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    2021年10月19日
  • 北條民雄 小説随筆書簡集

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    重かった。細かい描写がこれでもか、これでもかという勢いで迫ってくる。見たことはないが、どんな様子だったかリアルな映像が浮かぶ。
    それだけ素晴らしい文章力だということだ。

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    2016年03月25日
  • いのちの初夜

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    何もかも奪われてしまって、ただ一つ、生命だけが取り残されたのだった。と言う一文に、心臓が締め付けられた。
    苛酷。

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    2025年11月21日