鶴間和幸のレビュー一覧
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始皇帝の統一までの話と秦の崩壊を、司馬遷の史記ベースに、最近の発掘調査の成果も交えて話が進む。学術的な要素が強いが、始皇帝の暴君のイメージが近年中国でも見直されているというのは、この本にかかれている調査結果も関わっているのかなと思う。特に、全中原に敷いた政策や法治制度については、その後の中国の文化やひいては日本の制度にも深く関わっているようで、始皇帝が単に最初に中国を統一した人、ではないことがよくわかった。
実は、キングダムの進みがおそすぎて読み始めたが、途中さらっとキングダムネタバレ要素があって、あーもう漫画はいいかな、って気になってしまった笑 -
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始皇帝の波乱に満ちた生涯を追う。
司馬遷『史記』の記述が取っ掛かりではあるが、近年出土した多数の竹簡や、陵墓の発掘や解析といった「最新資料」を基に、史実を丁寧に捉え直すことが試みられている。
例えば「焚書坑儒」については、あくまでも北の匈奴や南の百越との対外戦争を批判する知識人に対する言論弾圧(儒教弾圧というのは、後の儒者により作られた「イメージ」)であり、始皇帝自身、儒教的価値観(君臣父子等)を大切にしていたというのが史実のようである。
中国の古代史や地理の予備知識が少ないと、十分に読みこなすのは難しいが、地図、人物紹介、年表といった参考資料が豊富であり、親切な作りとなっている。
始皇 -
Posted by ブクログ
はい、始皇帝です
もう始皇帝ですもう
いやーどうしようかなー
年が明けたら謙三アニキの『チンギス紀』読み始めようと思ってたんだけど、『史記』もいいな〜
この時代も面白いやね〜
北方謙三アニキが『史記』をどんなふうにねじ曲げてるか興味あるわ〜(言い方!)
そしてまぁ始皇帝といえば漫画『キングダム』で、わいも大好きなんだけど、本書ちょっと『キングダム』にあやかり過ぎですね
指導1です
指導2で反則負けなので気を付けて下さい
あ、あと『キングダム』ファンの人たちに金言を授けよう!
『キングダム』大好きな人は、あんまり史実にあたるな!
楊端和と羌瘣が男だって知ってがっかりするから(だから言うな -
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本の構成・内容ともに秀逸。歴史好きにとっては、つい買ってしまいたくなる本。
第二章・第三章では、各時代での各国の領土を国境線を引いた地図を用いて説明してくれてます(計10枚)。特に六国が滅ぶ段階では、各国が征服された時点で地図を示してくれており、秦が領土を拡大していく様が良く分かります。また、秦が「どこ」を「なぜ」「どのようにして」攻めていったのか、そのルートも含めて、想定も加えながら解説されてます。
第四章・第五章では各国の将軍や文官などについて、どのような人物だったか、「史記」だけでなく、「戦国策」や「編年記」などの文物にも触れながら、端的にまとめられてます。
上記の第二章から第五章ま -
Posted by ブクログ
『キングダム』好きなら気になる、六国制圧の行方(ネタバレ)を史実から紐解き、李信や王翦、謄といった大将軍たちがどのように戦い死んでいったかをまとめた本。
始皇帝嬴政は晩年の焚書や不老不死を追い求めたイメージから暴君とされがちであるが、その実態は身分を問わず外国からも優秀な人材を登用し、法や戸籍、税制にいたるまで現代の国家運営に通じる様々なシステムを整えていった不世出な指導者なのは疑う余地がない。
そして、六国を従属ではなく滅亡させたことで、それ以降の中国は漢や唐、明といった統一国家によって支配されていく。この中華思想自体がグローバルに大きく影響を与えているわけで、日本はその最たる国であろう