鶴間和幸のレビュー一覧
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ネタバレ前作『中国の歴史02 都市国家から中華へ 殷周 春秋戦国』では秦の始皇帝が生まれるまでの時代を見ていきましたが、今作ではいよいよ中国史の花舞台が始まってきます。
始皇帝が生まれた秦や、日本史ともつながりが出てくる漢や後漢の歴史をこの本で学んでいくことになります。
あの三国時代の前史となる時代背景を学べるのが本書です。中国全土を統一するのは誰か、そうした壮大な戦いがリアルな形となって生じたのはこの秦漢の存在があったからこそです。
また、中国において歴史がどのように編纂されてきたかということも学べるのも本書の嬉しいポイントです。始皇帝といえば「焚書坑儒」を行ったとよく言われますが、この言説の -
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始皇帝による秦と前後漢王朝は、これまで伝統的に対立的・相剋的な構図のもとで捉えられてきたが、本書はこれらの時代を統一的な視点のもとに構築し直し再検討を加える。著者によれば、秦漢に加え項羽の楚と王莽の新も含めた440年間は、秦の打ち立てた中央集権的な「郡県制」に項羽や劉邦らが改良を加え、諸王に諸国を分封した「郡国制」のもとで長期的な国家存続が可能となった時代であったという。時の皇帝や王者が、始皇帝の正負の遺産を継承しつつ試行錯誤の上で巨大な国のありようを探ってゆく、そんな途方もない物語が、近年発見された大量の竹簡などの考古資料を横糸としながら紡ぎ出されてゆく。読み応え十分。
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秦の始皇帝は暴君のイメージが強いが、実は秦王贏政としての時代が26年あり、統一後の皇帝としての11年の印象によるものが多い。秦王として他国出身の優秀な人材を集団として活用した人たちが、政治では呂不韋、李斯、趙高であり、また後に楚王になった昌平君も秦王政を支えていた。他6国との征服戦争に際しては将軍の李信、蒙武、王賁、王翦たちが活躍した。彼らの多くが秦出身ではなく秦王贏政の人間力に魅かれて、集まってきた人たちだったとは、劉邦の家臣団を思い出す。楚との闘いでは若い将軍・李信、蒙恬たちが一度は大敗北も経験していた!若い日には母の愛人。嫪毐(ろうあい)や異母弟の長安君成嬌の反乱なども経験した苦労人だっ
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中国古代史の専門家による、秦の始皇帝にょる中華統一の歴史を史実に基づいて解説した一冊。
映画化もされた大人気漫画「キングダム」を前から好きで読んでいますが、実際の歴史についてかなり詳しく知ることができます。著者は、この分野の専門家として、映画「キングダム」の監修も務め、原作者とも交流するかたです。漫画「キングダム」は史実に沿ったストーリー展開をしており、ある意味ネタバレなのですが、数少ない資料の中で、かなり研究が進んでいることや、漫画も史実に忠実に進められていることもあらためて理解できました。各国の勢力図の推移、年表もそうですし、統一を支えた秦の将軍や敵対した各国の将軍なども詳細に解説されてお -
ネタバレ 購入済み
目次を見て気になったので。
コミックのキングダムきっかけで、購入した一人です。
こんな昔の話は、どれを取っても想像もあり、間違いもあるだろう。
特に人の生き死になんて、正しいかどうかも不明だ。
コミックの面白さと国レベルで見た時の史実が、改めてキングダムは
うまく書けてるんだなと感心した。
当本を読む事によって、この順番に秦国に吸収されて行くのかと改めて
知った事、有名ところの人物がいて、この活躍や死に様がどのように
描かれるのか楽しみになりました。
少し、難しい単語が出て来るので、何度も読み直してみようと思う。
この本は、この本で素晴らしい内容だと思います。