鶴間和幸のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『キングダム』好きなら気になる、六国制圧の行方(ネタバレ)を史実から紐解き、李信や王翦、謄といった大将軍たちがどのように戦い死んでいったかをまとめた本。
始皇帝嬴政は晩年の焚書や不老不死を追い求めたイメージから暴君とされがちであるが、その実態は身分を問わず外国からも優秀な人材を登用し、法や戸籍、税制にいたるまで現代の国家運営に通じる様々なシステムを整えていった不世出な指導者なのは疑う余地がない。
そして、六国を従属ではなく滅亡させたことで、それ以降の中国は漢や唐、明といった統一国家によって支配されていく。この中華思想自体がグローバルに大きく影響を与えているわけで、日本はその最たる国であろう。
まさにキングダムの世界が我々の生活に繋がる手触り感を得る上で、このような体系的理解は欠かせない。 -
Posted by ブクログ
これまで秦の始皇帝の史料は司馬遷『史記』に依拠していたものが、1974年の兵馬俑発掘と翌1975年の竹簡出土により新たな歴史考察が可能となった。学習院大の鶴間教授による始皇帝に纏わる定説を再考察する新書。
全体的には余程始皇帝に興味ある方でないとキョトンとしてしまうかもしれない。従前の学説との相違点やそれがどう凄い発見なのか、鶴間教授の熱量は伝わってくるものの推量も多く文章が冗長的で結論も要点に欠けややわかりにくい。漫画『キングダム』やほか歴史書などで多少の予備知識があったので復習の意味も含めて個人的には楽しめたが、読者を選ぶ本かもしれない。