鶴間和幸のレビュー一覧

  • 人間・始皇帝

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    これまで秦の始皇帝の史料は司馬遷『史記』に依拠していたものが、1974年の兵馬俑発掘と翌1975年の竹簡出土により新たな歴史考察が可能となった。学習院大の鶴間教授による始皇帝に纏わる定説を再考察する新書。

    全体的には余程始皇帝に興味ある方でないとキョトンとしてしまうかもしれない。従前の学説との相違点やそれがどう凄い発見なのか、鶴間教授の熱量は伝わってくるものの推量も多く文章が冗長的で結論も要点に欠けややわかりにくい。漫画『キングダム』やほか歴史書などで多少の予備知識があったので復習の意味も含めて個人的には楽しめたが、読者を選ぶ本かもしれない。

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    2020年01月14日
  • 人間・始皇帝

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    ここ数年中国の枯れ井戸から発掘された竹簡から古代中国の実状が判明しつつあるらしい。

    これまで司馬遷の史記などで語られてきた「歴史」は、その時々の覇者の都合で歪められていて、始皇帝像もその例外ではない。

    それにしても皇帝を名乗ってからの在位わずか11年で、いかにしてこれだけの制度や国土の整備を行えたのか。

    城の水攻めや刀狩りなど、秀吉の実績の前例が約二千年前の中国にあったとは。

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    2016年03月13日
  • 人間・始皇帝

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    秦の始皇帝について、最近数多くの文献が出土していて100年以上あとに書かれた史記の記述を上書きしなければならない状況になってきている。
    秦は内陸国家にとどまらず、海まで視野に入れた国家である。焚書坑儒というが、それは後の漢代から見た記述であり、北と南の武力行使のための内部統制として言論を封じ込めたものであり、必ずしも儒家を狙い撃ちしたわけではない。また、始皇帝が崩じたあと第二皇帝は陰謀の末と史記ではなっているが必ずしもそうではない文献がある。始皇帝廟は、まだまだ発掘の余地がある。

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    2016年01月10日
  • 人間・始皇帝

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    始皇帝の生涯については、これまでは司馬遷の「史記」に依るところが大きかったが兵馬俑の発見や周辺で発掘された竹簡や簡牘から史記の欠落や敢えて司馬遷が書かなかったこと、改変したことなどを明らかにし始皇帝の生涯に新たな光を当てたもの。
    HONZ.JPでは国立博物館の「始皇帝と大兵馬俑」予習にとあったが、それよりも北方版「史記-武帝紀」を読み返したくなった。
    そして北方版「史記-始皇本紀」の執筆を熱望。

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    2015年11月09日
  • 人間・始皇帝

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    それほどどろどろした人間性が書かれているわけではありません。淡々とした表現で。
    始皇帝が神化されていたことをあまり知らないので・・・・。

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    2015年10月04日
  • 中国の歴史3 ファーストエンペラーの遺産 秦漢帝国

    隠していること、無ぁい?

    易姓革命による大量粛清(虐殺)、
    飢饉が来ると自分の子供を隣家の子供と交換して殺し、全て食する「食人」の風習、
    幼少期から、非情なやり方で女性を虐待する「纏足」の風習等、文化史としてしっかりと表記してくださいね。

    劉邦は、漢成立後、近臣を一族郎党皆殺しにしたと言う事実も、忘れてはいけませんよ。

    #怖い #ダーク #ドロドロ

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    2022年08月15日