栗原俊雄のレビュー一覧

  • シベリア抑留 最後の帰還者 家族をつないだ52通のハガキ

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    戦争終結に際して、日本人の労働をある程度の期間、提供するっていう約束をソ連と交わそうとしてたんだ…。
    この夫婦は、最終的にはまた一緒に暮らせて良かったけど、子どもの成長を見守ることが出来なかったんだよね。奥さん、一人で5人も育てたのすごい。

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    2023年03月12日
  • 東京大空襲の戦後史

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    序章 命を削って訴える高齢者たち
    第1章 一〇万人を殺した無差別爆撃
    第2章 今日まで続く戦争被害
    第3章 民間人差別 国の論理
    第4章 「受忍論」と裁判
    第5章 立法運動の開始
    終章 未完の戦争――当事者が望んでいること

     新聞連載をもとにした内容で、問題の全体像をわかりやすい形で教えてくれる(ただし、他の関連する問題=徴用工問題や慰安婦問題とのつながり/かかわりに関する言及は見られない)。とくに、空襲被害者たちの戦後の苦難と、空襲議連での議論と議会における議論のプロセスが詳しく紹介された点は重要。
     民間人戦争被害者に対する「補償」を出来るだけ小さくしようとする政府のありようは、現在の日本国家が戦時体制からの延長線上に作られた事実を、あらためて突きつける。「パンドラの箱論」とは、まさに日本国家の正統性にとってのそれを意味しているのだ。

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    2022年03月24日
  • 東京大空襲の戦後史

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    戦後は未だ終わっていない。軍人、軍属の恩給とは異なり政府に切り捨てられた民間人の戦争犠牲者。遺族たちの長い戦後を追った一冊。

    政府に直接雇用されていないとの理由から補償されない民間人、空襲と被害者。遺族や障がい者、孤児などの生存者の人数も相当に減ってしまった。それでも行われぬ補償。

    司法判断を避け立法に委ねながらも実現しない。

    受忍論を掲げつつも占領終結後、速やかに復活した軍人への恩給。政府が一部の人の利益にしかならない政策をいつの間に行うのはいつの時代も変わらない。

    そもそも空襲を知らない人も多いだろう。さらに日本人の多くが知らない事実に目を向けた作品。

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    2022年03月23日
  • 特攻―戦争と日本人

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    特攻。
    世界戦史の中で日本だけが実行した十死零生の自爆攻撃。
    特攻が実行される前、その下地、特攻が許容される日本人の潜在意識、という歴史的且つ精神的な背景。
    そして特攻が実行されるに至った経緯、発案者、実施者、命令する側から見た特攻、命令される側である一般兵士の特攻。
    視点によって全く違う特攻が其処にある。戦後、生き残った命令者は特攻は自発的なものであったと言い張り、生き残った特攻隊員は自分の意志すら確認されない命令であったと言う。もちろん自発的な特攻もあったのだろうし、有無をいわさず特攻部隊に異動になる事もあったのだろう。
    一括りで全体を説明することはとても難しい。大正時代から昭和初期に男子として生まれたが故に特攻せざるを得なかった多くの若者たち。
    重く深く考えさせられる話でした。

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    2015年10月30日
  • シベリア抑留は「過去」なのか

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    2010年の民衆党政権の下で成立した「シベリア特措法」が成立するまでの,シベリア抑留者達の日本政府との戦い(戦争被害者としての認定や補償の要求)を描いた一冊です。

    本書最大のキーワードは「受忍論」です。
    これは,「戦争というものは国の存亡にかかわる非常事態であり,全国民が多かれ少なかれその生命・身体・財産の犠牲を堪え忍ぶことを余儀なくされるものである。よってその損害は国民が等しく負担すべきものであり,その補償は憲法の予想しないところである」というような意味です。
    この「受忍論」に基づいて,大空襲などの被害者は国家による救済を受けていないわけですが,シベリア抑留者もここに該当します。
    毎日新聞の社員である著者は,かなりリベラル寄りの思想の方だと推測されます。よって本書では終始,この「受忍論」による国家や裁判所のジャッジを批判しています。

    しかし私は,著者の主張に深く同意することはできません。規格外の大きさの戦争被害を個別に手厚く補償するのには無理があるからです。「パンドラの箱」を開けたがらない歴代政府の考えも,ある意味ではやむを得ないものだと私は思います。
    著者はおそらく,「国家は,戦争による被害者全てに補償を行なえば良い」と考えているようなに感じられましたが,それは果たして,国家のみならず,被害者にとって良い政策といえるのでしょうか。それで国家運営の持続性が担保されるのでしょうか。

    戦争というものは「外交」手段の一つです。たとえ当時の国民が政治への関与が制限されていたとしても,戦争を選んだのは我らが政府であり,支持したのは我ら国民自身です。敗戦の責任を政府に押しつけ,国民が被害者として殊更に権利を主張することに,私はどうしても違和を覚えます。

    そのようなことを言うと,「お前はシベリア抑留者をないがしろにするのか!」というお叱りを受けるかもしれませんが,それは全く私の本意ではありません。
    抑留者が求めているのは,苦しい生活を強いられた自分たちの尊厳の回復なのだと思います。もちろん手厚い補償を受けることができれば喜ばしいことかもしれませんが,彼らが本当に望むのは銭金ではないことは明らかです。

    今を生きる我々ができることは,シベリア抑留者達の苛烈な生活について学び,歯を食いしばって生きてきた彼らを尊敬し,感謝することです。そして彼らの努力に報いるためにも,歴史を学び,この国の未来に責任を持つことです。

    私はどうしても,三波春夫さんの凜とした姿をシベリア抑留者の「鏡」として思い出してしまうのです。塗炭の苦しみを味わったであろう三波さんが国民に笑顔を振りまき続けたお姿からは,謝罪や賠償への拘泥のようなものは一切感じられませんでした。三波さんはきっと,自分の辛い青春を胸の内にしまい込み,この国の未来のことをひたすら思ってくれたのだと思います。

    繰り返しになりますが,我々はシベリア抑留者達の歴史を忘れてはなりません。学ぶことこそが,抑留者達に向けた最大の報恩になります。

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    2015年06月28日
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から

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    戦艦大和乗組員、生存者23名のインタビューからなる本です。戦争の非常さ、悲惨さを痛感しました。このような記録はとても貴重なことです。

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    2013年03月07日
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から

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    [ 内容 ]
    真珠湾攻撃の直後に竣工し「世界最大・最強」といわれた大和。
    だが、この巨艦はレイテ沖海戦などを経て沖縄へ向かう途中、わずか二時間余りの戦闘で撃沈された。
    約三〇〇〇人の乗組員の内、生還者は三〇〇人足らず。
    著者は生存する二三人からその凄惨きわまる体験を取材、大和の航跡と戦争の実相、生存者や遺族の願いを伝える。

    [ 目次 ]
    序章 誕生
    第1章 初陣
    第2章 海戦
    第3章 出撃
    第4章 沈没
    第5章 生還
    第6章 責任
    第7章 遺族
    第8章 戦後
    第9章 真相
    第10章 未来

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2011年05月16日
  • 東京大空襲の戦後史

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    ネタバレ

    国の補償の格差を訴える本である。
    軍人や原爆の被害受けた人,沖縄において被害を受けた人には補償が政府によって行われているにもかかわらず。
    大空襲の人やそれによって孤児になった人などには補償されていないことを取り上げている

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    2022年11月25日
  • 東京大空襲の戦後史

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    空襲被害者の三権への訴えがこの本のメイン。

    それは勿論重要な事なのだが、どちらかと言うとより知りたかったのは空襲の被害大要と被害を受けた方々の戦後の暮らしについてだったので、いささかあっさりしていた。

    3月10日を迎え手に取った一冊。

    ジュンク堂書店難波店にて購入。

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    2022年04月11日
  • 特攻―戦争と日本人

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    特攻の歴史を概観できる新書。特攻が「組織的行動」になる前から、その雄姿を讃える土壌があったこと(楠木正成、肉弾三勇士…)をはじめに指摘。そこからどう「特別攻撃隊」として編成していったかが語られる。止む無く始めた特攻も、「敷島隊」の戦果から積極的に採用されていくが、米軍の対抗策から次第に戦果も上がらなくなっていき、末期には特攻じたいが自己目的化していく。
    本書が珍しいのは、短いながら「特攻」の戦後史が書かれている点だ。かつて神と崇められたが、戦後には犬死と評価され、「特攻くずれ」という差別語も生まれる。また『戦艦大和ノ最期』も当初(1950年代前半)は戦争賛美として批判されたという。戦前戦後の断絶・ねじれ。

    あと時々説明として入るトリビアルな解説は、それら知識に疎いので勉強になった。>特攻は二階級特進、攻撃機と戦闘機の違い、部隊名の付け方( 「三四一空 」は 、三 =戦闘機部隊で 、四 =呉鎮守府所属の 、一 =常設部隊)

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    2019年08月26日
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から

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    初めて沖縄を旅行するので、お供に手にとった書。
    行きの飛行機の中でほぼ読んでしまった。
    沖縄に沈んだ戦艦大和を思いながら旅程を進むことにする。

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    2018年09月20日
  • 特攻―戦争と日本人

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    一方的な見方を一方的な見方で修正しようとした感じで少々残念。この手の本はどんなに周到にしているつもりでも著者の思い入れがどうしても表出するもの、その意味でもったいないと思う。
    それにしても特攻を巡る疎外態のおぞましさはまさに戦慄モノ。まだ100年も経たない紛れもない事実が自分の生活する国の歴史に存在することをやっぱり強く意識しないと。例えば北方面がどうとか言って優越感を煽ってる場合じゃない、似たようなもんだったんだと思うんですがね、当方は。

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    2015年11月04日
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から

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     超ド級の大和型戦艦1番艦である「大和」は、同型艦「武蔵」とともに、世界最大の戦艦として世に知られている。

     本書はその「大和」を概説するルポである。

     まず最初の3分の1ほどで「大和」建造の背景、ミッドウェーから沖縄特攻に至るまでの戦歴などが簡潔に紹介されている。

     戦艦「大和」を語るという場合、そのほとんどは、天一号作戦と呼称される悲愴な沖縄特攻作戦と撃沈についである。

     そしてご多分に漏れず、本書も存命している生還乗組員へのインタビューを通して、その模様を点描している。

     ちなみに、他の戦史ドキュメンタリーと大きく違うのは、著者は戦艦「大和」を通して、反戦・反軍国主義の反省を行おうとしている点であろう。
     その部分については読者の好みの点もあるだろうが、生還者の証言を率直にまとめているというよりはある種の誘導があるように感じる部分もあった。


     個人的には、戦艦「大和」という巨大兵器を通して、日露戦争以来の大艦巨砲主義、「海軍の休日」と言われた戦間期の建艦構想などを描写し、アジア最大の海上兵力として君臨した帝国海軍の終幕を論じて欲しかったが、まだ若いジャーナリストにそれを求めるのは酷かもしれない。(もちろん本人もそんなことを書こうとは思わないだろうが)

     戦艦「大和」については、既に古典となった吉田満の『戦艦大和ノ最期』、辺見じゅんの『男たちの大和』(註:断じてあの軽薄な映画ではない。原作の小説である)という素晴らしい戦記小説がある。
     本書は、それら以上の感動を与えてくれるものではないが、入門書と思って読む分には結構だし、ほとんどいなくなってしまった生存者の声を聞き取ろうとする姿勢は立派なものだと思う。


     最後に、本書の中で紹介されている生還者がひそかに書き写していた元海軍少佐の詩を引用しておきたい。

     海よ、語ってくれ
     若者が生命を捨て
     守ろうとしたものが何であったかを
     海よ叫んでくれ
     今もなお海底深くから
     己れの生命の価値を問い続け
     眠っているいるもののあることを

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    2011年01月22日
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から

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    こってりを期待していたのですが、やっぱり新書なのであっさりとした内容です。大和入門書としては最適かな。

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    2009年10月04日
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から

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    戦艦大和について書かれた本はやまほどあろう。本書の特色は、使い惜しみされた大和が実際にどれほどその威力を発揮したかという戦歴をたどったあと、すでに20人ほどしか残っていなかった大和の生還者たちにインタビューすることで、大和の最後の様子、生死をわけた理由、生き残ったものたちの戦後を語ろうとしている。大和が片道燃料しか積んでいなかったのはウソだったとか、吉田満の『戦艦大和の最後』に書かれた、駆逐艦にしがみつく生存者の指を艦上の上官が切り落としたのは事実かどうか、大和の沖縄行きは水上特攻であったはずなのに、戦死者たちが2階級特進しなかったのはなぜか等、新たな問題提起も多く内容は新鮮だ。ほとんど活躍もしなかった大和が、これほど人々に愛され語られるのか、それはやはり沖縄特攻という悲劇があったからであろう。

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    2009年10月07日