栗原俊雄のレビュー一覧

  • 東京大空襲の戦後史
     一夜にして10万人の民間人が殺害された東京大空襲では、77年が経過した今でも被害に苦しむ多くの人たちがいる。社会全体の無知や無関心、偏見に苦しめられながらも、国に対して救済を求めて立ち上がった空襲被害者たちの闘いと、政府や司法、立法の不誠実な対応を検証しながら、戦後の空襲被害者への対応を問いかける...続きを読む
  • 東京大空襲の戦後史
    本書は「余り知らなかった事案」のあらまし、一部の事項を掘り下げた内容を伝えてくれる。こういうことが在るから、読書は必要な営為だと思い至らせてくれるような一冊になっている。
    第2次大戦時、1945年3月の「東京大空襲」が凄惨極まりないものであったことは伝えられている。本書はその凄惨な有様を伝えることを...続きを読む
  • 戦後補償裁判 民間人たちの終わらない「戦争」
    「赤信号、みんなで渡れば怖くない」ではないけれど、横並びなら安心
    という考えは日本に根強いのだろうなと思う。何かをおかしいと感じても
    「あなただけではない。みんな我慢している」と言われたら、正論のよう
    に感じてしまう。

    それが如実に表れているのが本書が取り上げる、戦後「未」補償問題。

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  • 戦艦大和 生還者たちの証言から
    「大和」入門書として良書。副題の通り生還者の証言から大和の一生を描いている。ただ、もっと詳しいことを知りたい人には物足りんかも。

    特攻なのに二階級特進がないのは何故か、の記述(推測)あり。
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から
    栗原氏は近代史の「発掘」や証言者へのインタビューを積極的に展開する毎日新聞記者。その活動は研究者の間でも定評がある。戦艦大和の歴史を概観しながら、要所に生存者の証言を織り交ぜる。新たな大和の姿を我々は垣間見ることになる。綿密な調査に裏づけされた冷静な筆致からは、「あえて大和にこだわる」著者の、次代に...続きを読む
  • 東京大空襲の戦後史
     東京大空襲をめぐる補償の裁判についてが主軸となっている。
     軍人と民間人との補償の差の理不尽や、防災法があり焼夷弾が降り注いだら消し止めることが求められており、大人が疎開することは許されなかった、ことなどが記載されている。
     何故子供だけ疎開させて大人はもっと避難しなかったのだろう、と疑問に思って...続きを読む
  • シベリア抑留 最後の帰還者 家族をつないだ52通のハガキ
    戦争終結に際して、日本人の労働をある程度の期間、提供するっていう約束をソ連と交わそうとしてたんだ…。
    この夫婦は、最終的にはまた一緒に暮らせて良かったけど、子どもの成長を見守ることが出来なかったんだよね。奥さん、一人で5人も育てたのすごい。
  • 東京大空襲の戦後史
    序章 命を削って訴える高齢者たち
    第1章 一〇万人を殺した無差別爆撃
    第2章 今日まで続く戦争被害
    第3章 民間人差別 国の論理
    第4章 「受忍論」と裁判
    第5章 立法運動の開始
    終章 未完の戦争――当事者が望んでいること

     新聞連載をもとにした内容で、問題の全体像をわかりやすい形で教えてくれる(...続きを読む
  • 東京大空襲の戦後史
    戦後は未だ終わっていない。軍人、軍属の恩給とは異なり政府に切り捨てられた民間人の戦争犠牲者。遺族たちの長い戦後を追った一冊。

    政府に直接雇用されていないとの理由から補償されない民間人、空襲と被害者。遺族や障がい者、孤児などの生存者の人数も相当に減ってしまった。それでも行われぬ補償。

    司法判断を避...続きを読む
  • 特攻―戦争と日本人
    特攻。
    世界戦史の中で日本だけが実行した十死零生の自爆攻撃。
    特攻が実行される前、その下地、特攻が許容される日本人の潜在意識、という歴史的且つ精神的な背景。
    そして特攻が実行されるに至った経緯、発案者、実施者、命令する側から見た特攻、命令される側である一般兵士の特攻。
    視点によって全く違う特攻が其処...続きを読む
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から
    戦艦大和乗組員、生存者23名のインタビューからなる本です。戦争の非常さ、悲惨さを痛感しました。このような記録はとても貴重なことです。
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から
    [ 内容 ]
    真珠湾攻撃の直後に竣工し「世界最大・最強」といわれた大和。
    だが、この巨艦はレイテ沖海戦などを経て沖縄へ向かう途中、わずか二時間余りの戦闘で撃沈された。
    約三〇〇〇人の乗組員の内、生還者は三〇〇人足らず。
    著者は生存する二三人からその凄惨きわまる体験を取材、大和の航跡と戦争の実相、生存...続きを読む
  • 東京大空襲の戦後史
    国の補償の格差を訴える本である。
    軍人や原爆の被害受けた人,沖縄において被害を受けた人には補償が政府によって行われているにもかかわらず。
    大空襲の人やそれによって孤児になった人などには補償されていないことを取り上げている
  • 東京大空襲の戦後史
    空襲被害者の三権への訴えがこの本のメイン。

    それは勿論重要な事なのだが、どちらかと言うとより知りたかったのは空襲の被害大要と被害を受けた方々の戦後の暮らしについてだったので、いささかあっさりしていた。

    3月10日を迎え手に取った一冊。

    ジュンク堂書店難波店にて購入。
  • 特攻―戦争と日本人
    特攻の歴史を概観できる新書。特攻が「組織的行動」になる前から、その雄姿を讃える土壌があったこと(楠木正成、肉弾三勇士…)をはじめに指摘。そこからどう「特別攻撃隊」として編成していったかが語られる。止む無く始めた特攻も、「敷島隊」の戦果から積極的に採用されていくが、米軍の対抗策から次第に戦果も上がらな...続きを読む
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から
    初めて沖縄を旅行するので、お供に手にとった書。
    行きの飛行機の中でほぼ読んでしまった。
    沖縄に沈んだ戦艦大和を思いながら旅程を進むことにする。
  • 特攻―戦争と日本人
    一方的な見方を一方的な見方で修正しようとした感じで少々残念。この手の本はどんなに周到にしているつもりでも著者の思い入れがどうしても表出するもの、その意味でもったいないと思う。
    それにしても特攻を巡る疎外態のおぞましさはまさに戦慄モノ。まだ100年も経たない紛れもない事実が自分の生活する国の歴史に存在...続きを読む
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から
     超ド級の大和型戦艦1番艦である「大和」は、同型艦「武蔵」とともに、世界最大の戦艦として世に知られている。

     本書はその「大和」を概説するルポである。

     まず最初の3分の1ほどで「大和」建造の背景、ミッドウェーから沖縄特攻に至るまでの戦歴などが簡潔に紹介されている。

     戦艦「大和」を語る...続きを読む
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から
    こってりを期待していたのですが、やっぱり新書なのであっさりとした内容です。大和入門書としては最適かな。
  • 戦艦大和 生還者たちの証言から
    戦艦大和について書かれた本はやまほどあろう。本書の特色は、使い惜しみされた大和が実際にどれほどその威力を発揮したかという戦歴をたどったあと、すでに20人ほどしか残っていなかった大和の生還者たちにインタビューすることで、大和の最後の様子、生死をわけた理由、生き残ったものたちの戦後を語ろうとしている。大...続きを読む