森光子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
解説が斎藤美奈子だから買った。中身は衝撃的。花魁がどんな仕事をするのかも知らなかった女の子が、千円ほどの借金のために吉原に連れて行かれる。どんな仕事をするのか誰も説明してくれない、あれよあれよという間に客をとらされる。すぐに病気になり入院する。退院したらまたすぐに客をとらされる。借金は一向に減らない。お腹が痛かろうが、気分がすぐれなかろうが休みはもらえず、とにかく毎日客をとる。江戸時代の話じゃないんだよ。大正時代の末…ってことは私のおばあちゃんとたいして歳が変わらないじゃないか。最後が『脱出記』だったのがせめてもの救いだけど、重たい本だった。
-
Posted by ブクログ
1924年、大正末期、当時19歳の著者・森光子さんは親の借金のために吉原へ売られ、花魁となる。
この作品は、花魁春駒となって過した廓での日々を綴った、記録と告発の書。
ノンフィクションである。
花魁の日常。
月に一度の病院検査や入院時の辛さや、お客さんを呼ぶための苦労や、遣り手ばばあとの攻防、
朋輩とても時には信じられず、楼主の強欲親父の無常な銭勘定に泣かされたり・・・
こんな壮絶な日々のなか、よくこのような日記を綴ることができたものだと、おどろく。
「妾(わたし)は、もう、日記を書くのも嫌やになった。当分止そうかしら。ペンをほうり出して、床にもぐる」とある。
たしかに、こんな辛い日々を書き