森光子のレビュー一覧

  • 春駒~吉原花魁残酷日記~ 1
    実際の日記が原作なので、主人公の心の整理がつくのは、一般の創作ものとはちがって少しゆっくりです。何をするところかも分からずに預けられたらそれはそれは怖かったでしょう。
  • 春駒日記 吉原花魁の日々
    壮絶な実話なのに、本を愛し、自分の人生を見捨てなかった作者。吉原に身売りされ、壮絶な毎日を送る中、日記形式で描かれています。吉原の細かい地図もあります。著書でもある主人公は本が好きで文字も読め、経営者が花魁達の稼ぎを誤魔化している事を見抜き、吉原から自らの力で抜け出します。実話なので、歴史として男女...続きを読む
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    昭和初期に売られて吉原で働いた女の子の手記。

    強烈な内容のルポ。彼女はすごく強靭な知性と理性の持ち主だと思う。

    騙されて毎日男に春をひさぐ仕事をさせられる時点で死ぬか狂うかという心境だと思うのに、それをたんたんと日記につけるとは。

    家族のためにという大義が、個人の意思を上回っていた時代とはいえ...続きを読む
  • 春駒日記 吉原花魁の日々
    大正時代の吉原の花魁が書いた日記。客とどんな話をしたかとか、同僚とどんなことを話したといった内容が中心。当時の吉原は脱出が困難だったらしく、後半にかけて著者とその友人が脱出した経緯も書かれる。
    警官が店側に付く等、現代では考えられないような事柄も多い。性病になった著者が吉原病院に入院する話があり、同...続きを読む
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    春駒、という源氏名で大正時代の吉原を過ごした森光子という女性が残した記録でした。
    ところどころグレイになって読めない部分がありました。解説を見たところ、当時の検閲のあと、とのこと。出版された時代の、生々しさを感じます。
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    1924年、実際に群馬の田舎から吉原に売られた女性の日記。
    1924年といえば大正13年、谷崎の痴人の愛や、宮沢賢治の春と修羅が世に出た年だ。
    そう考えると、案外最近までこういった文化が残っていたんだなと思う。

    今までいろんな文献や資料を見るに、廓の女性は大変だと思っていたが、実際に存在が確認でき...続きを読む
  • 春駒日記 吉原花魁の日々
    大正時代、吉原の遊郭を脱出して、白蓮夫人(大正三美人と言われた、大正天皇のいとこ)の家に逃げ込み、助けてもらった花魁の、日記。先日読んだ「光明に芽ぐむ日」と同じ著者。
    生きながら牢屋の様に逃げることができなかった、吉原の遊女。彼女は文学が好きで、日記をつけていた。
    遊郭における遊女同士の人間関係、お...続きを読む
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    大正の末期。文学の好きな女の子がいた。酒飲みの父が死んで借金が残り、周旋屋に騙されて吉原の遊郭に売られ、日記をつけていた。それが大正15年に出版されたものがあり、数十年を経て3年前に再出版された。

    表紙が少女漫画風の花魁なので子供が女性史の勉強のために読むような本かと思ったが、とんでもなくヘビーな...続きを読む
  • 春駒日記 吉原花魁の日々
    第二弾だけれども内容全てが続編ということではない。書体が日記形式ではないが、ほんの数頁でポロッと書いてるエピソードがその人や出来事を思い出しながらしたためているんだなぁと寧ろリアリティがあった。玉のつけ方、廓内の忙しいスケジュール、貧しい食事、身につける・口にする物全てが遊女の借金になる理不尽なシス...続きを読む
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    世にこのような本が出ていたなんて。復刻するのが遅すぎやしまいか!とも思うけれど、自分が生きているうちに読めて良かった。
    江戸時代のような「格」が失われた吉原、ずさんな・悲惨な環境で春駒は自分を見失っていない。遊女の生活が手に取るようにわかるのがいい。数々の作家さんや映画監督などが、この本を資料として...続きを読む
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    ジャケ買いでしたがものすごく衝撃を受けました。

    八十年という前に、これだけの文才ある(即ちある程度は教育を受けている)聡明な女性が、自分の体を売って生活していたという事実。

    何度も何度も、これは物語ではなく事実の日記なんだと言い聞かせながら、ゆっくり読みました。

    吉原の(あくまでも春駒のいた店...続きを読む
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    苦界にあって日記を書き続けることで、自分を保ち、光を見失わなかった光子さん。書くことの力はすごい。立場はまったく違うけれど、神谷美恵子日記を思い出す。
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    ふと目につき、手に取ってみたら、「大正15年、柳原白蓮の序文で刊行され、当時の社会に波紋を呼んだ、告発の書」
    というので気になって読んでみた。

    親の借金のため19歳で吉原へ売られた光子が、花魁・春駒として過ごした日々を綴った壮絶な記録。

    この本の出版の翌年に、もう1冊「春駒日記」を出版し、彼女を...続きを読む
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    引き込まれるように読んだ。
    読みにくいと感じる箇所もあるが、フィクションでみる花魁よりもとてもリアル。
    金勘定が本当に酷く働けど働けど借金が嵩み、読んでいて辛く感じた。
    突然脱出編に入るので森さんが脱出に至るまでの経緯や具体的にいつから計画していたのか、白蓮さんとのお話なども知りたかった。
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    廓に売られ書いた日記。
    基本、恨みつらみばかりで、暗いです
    そして、廓の出来事や、人間模様がリアルです。
    吉原の花魁というとドラマでは華やかなイメージですが
    そんな吉原より時代も少し後
    1日に10人以上客を取っても借金が減らない
    壮絶な毎日です。

    個人的には、
    この時代の田舎の貧困な家庭で育った...続きを読む
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    昭和初期に妓楼に売られてその後脱出した女性の日記。

    2つの側面がある。
    1.人身売買の理不尽、過酷さへの抗議
    2.吉原を取り巻く人々(花魁、楼主他、客)の人間観察。

    両方が背中合わせであり、いずれ筆者が脱出することも分かっているので2を楽しく読む余裕もあり、その2を書くたくましさが1を前向きなも...続きを読む
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    周旋屋に「お酒を注ぐだけの仕事だから」と騙されて吉原に売られた女性が、宮崎白蓮宅に駆け込んで抜け出すまでの2年間の日記。
    売られたと言っても娘を担保に金を借りただけで、花魁の稼ぎから借金を返していくシステム。客の払った金の大半は店にいき、花魁の手元に残るのは1割程度。その中で日々の費えや仕事道具をそ...続きを読む
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    吉原の廓に売られ、花魁として生きた女性の記録。作者の森光子は、19歳で1000円と引き換えに吉原の遊郭へと売られる。そして、初見世で見ず知らずの男に処女を奪われ花魁•春駒としての生活を始める。彼女は、そこでの生活を「復讐」として日記に克明に記録する。そうして生まれたのが本書となる。
    吉原に関する文献...続きを読む
  • 春駒日記 吉原花魁の日々
    吉原に身売りされ、毎日のように客を10人も取らされる日々。そんな中でも自分を失わないように日記をつけ、歌を詠む春駒。白蓮を知ることによって、自分の置かれている場所から逃げるという道を選ぶ。白蓮夫妻が、彼女を吉原に返さず、親身になって社会運動家に彼女を繋いだことに安堵した。ほんの70年ちょっと前、戦前...続きを読む
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日
    NHK朝のテレビ小説「花子とアン」の中で、白蓮を訪ねて廓から逃げてきたお女郎。それがほんとうにあったことだったと知り、その彼女が書いたこの本を手にしました。貧困を理由に身売りされ、何をするかわからないまま女郎になった春駒の日記は、女性としていろんなことを考えさせられました。