森光子のレビュー一覧

  • 春駒~吉原花魁残酷日記~ 1

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    実際の日記が原作なので、主人公の心の整理がつくのは、一般の創作ものとはちがって少しゆっくりです。何をするところかも分からずに預けられたらそれはそれは怖かったでしょう。

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    2022年09月30日
  • 春駒日記 吉原花魁の日々

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    壮絶な実話なのに、本を愛し、自分の人生を見捨てなかった作者。吉原に身売りされ、壮絶な毎日を送る中、日記形式で描かれています。吉原の細かい地図もあります。著書でもある主人公は本が好きで文字も読め、経営者が花魁達の稼ぎを誤魔化している事を見抜き、吉原から自らの力で抜け出します。実話なので、歴史として男女問わず読んでも後悔しない作品。

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    2020年09月16日
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日

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    昭和初期に売られて吉原で働いた女の子の手記。

    強烈な内容のルポ。彼女はすごく強靭な知性と理性の持ち主だと思う。

    騙されて毎日男に春をひさぐ仕事をさせられる時点で死ぬか狂うかという心境だと思うのに、それをたんたんと日記につけるとは。

    家族のためにという大義が、個人の意思を上回っていた時代とはいえ。

    ちらりと、「母はこういう仕事だということを、わかっていて私を行かせたのか?」という疑念。もう家族のもとにも、帰りたくはないだろう。

    時折やってくる大学生たちとの交歓が、一瞬、青春を感じさせる。本やマンドリンを貸してもらったり。けっこう対等な会話もできるから、人気になってしまったのかも。
    中に

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    2020年03月08日
  • 春駒日記 吉原花魁の日々

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    大正時代の吉原の花魁が書いた日記。客とどんな話をしたかとか、同僚とどんなことを話したといった内容が中心。当時の吉原は脱出が困難だったらしく、後半にかけて著者とその友人が脱出した経緯も書かれる。
    警官が店側に付く等、現代では考えられないような事柄も多い。性病になった著者が吉原病院に入院する話があり、同じ境遇の花魁も多数入院していて、それぞれの境遇を嘆き合う辺りの描写は悲惨の一言。
    すごい作品だが、著作権継承者が判明しないまま出版されているようだ。

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    2019年12月08日
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日

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    春駒、という源氏名で大正時代の吉原を過ごした森光子という女性が残した記録でした。
    ところどころグレイになって読めない部分がありました。解説を見たところ、当時の検閲のあと、とのこと。出版された時代の、生々しさを感じます。

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    2019年08月26日
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日

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    1924年、実際に群馬の田舎から吉原に売られた女性の日記。
    1924年といえば大正13年、谷崎の痴人の愛や、宮沢賢治の春と修羅が世に出た年だ。
    そう考えると、案外最近までこういった文化が残っていたんだなと思う。

    今までいろんな文献や資料を見るに、廓の女性は大変だと思っていたが、実際に存在が確認できる人の手記は重みが違う。
    本当の吉原の実態が廓の内で生きた者の言葉で語られる。

    森光子さんは、歌人の柳原白蓮を頼って、吉原から脱走する。
    柳原白蓮について以前調べたことがあって、妙なところで繋がるもんだと思った。
    白蓮は華族出身で、縁戚や炭鉱王と政略結婚させられたが、青年記者と駆け落ちした当時スキ

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    2017年02月22日
  • 春駒日記 吉原花魁の日々

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    大正時代、吉原の遊郭を脱出して、白蓮夫人(大正三美人と言われた、大正天皇のいとこ)の家に逃げ込み、助けてもらった花魁の、日記。先日読んだ「光明に芽ぐむ日」と同じ著者。
    生きながら牢屋の様に逃げることができなかった、吉原の遊女。彼女は文学が好きで、日記をつけていた。
    遊郭における遊女同士の人間関係、お客さんの様子が細かく書かれている。病院でリンパ腺の手術を受ける部分は、壮絶である。
    自分を売った母親の死に目に会うことができたものの、葬式に参列することは親戚が世間体を気にして許してくれない。
    政府ぐるみでこの恐ろしい伝統的な売春が行われていたというのは、日本の恥の歴史だ。
    涙なくしてこの本は読めな

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    2014年02月04日
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日

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    大正の末期。文学の好きな女の子がいた。酒飲みの父が死んで借金が残り、周旋屋に騙されて吉原の遊郭に売られ、日記をつけていた。それが大正15年に出版されたものがあり、数十年を経て3年前に再出版された。

    表紙が少女漫画風の花魁なので子供が女性史の勉強のために読むような本かと思ったが、とんでもなくヘビーな涙なくして読めない体験記録である。

    6年の年季とは言え、借金は簡単に返さないようなからくりになっていて、警察に届けられるので逃げることもできない。病気になっても入れられる病院は牢屋のようなところ、関東大震災の時経営者は被災した女性たちを見殺しにする。

    恥ずかしい日本の歴史がよくわかる。

    読んで

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    2014年01月30日
  • 春駒日記 吉原花魁の日々

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    第二弾だけれども内容全てが続編ということではない。書体が日記形式ではないが、ほんの数頁でポロッと書いてるエピソードがその人や出来事を思い出しながらしたためているんだなぁと寧ろリアリティがあった。玉のつけ方、廓内の忙しいスケジュール、貧しい食事、身につける・口にする物全てが遊女の借金になる理不尽なシステム、不衛生な病院内…知るほどに、煌びやかなことなんか上辺だけの世界なんだと痛感。巻末の脱走記、新聞記事が"これは本当にあった出来事なんだよ"と訴えかけてるようだった。

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    2013年03月28日
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日

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    世にこのような本が出ていたなんて。復刻するのが遅すぎやしまいか!とも思うけれど、自分が生きているうちに読めて良かった。
    江戸時代のような「格」が失われた吉原、ずさんな・悲惨な環境で春駒は自分を見失っていない。遊女の生活が手に取るようにわかるのがいい。数々の作家さんや映画監督などが、この本を資料として読んできたんだろうね。遊女にも色んなんが居るけれど、遊客も千差万別。素敵な殿方もチラホラ出てくる。それにしても楼主のタヌキめ!どうかロクな死に方してませんように!!
    巻末に「著作権継承者探しています・・・」の一文が。
    旦那共々、怖い方々に追われていた為、身元を隠しながら生きたのもあるんだろうけれど、

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    2013年02月01日
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日

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    苦界にあって日記を書き続けることで、自分を保ち、光を見失わなかった光子さん。書くことの力はすごい。立場はまったく違うけれど、神谷美恵子日記を思い出す。

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    2019年01月16日
  • 春駒~吉原花魁残酷日記~ 1

    無料版購入済み

    興味深い

    大正時代の吉原の花魁を描いた作品。

    実は原作者の「森光子」というのは当時の実在した人物であり、この物語の主人公そのもの。
    後に周囲の支援を得て花魁を「自主廃業」し、「光明に芽ぐむ日」「春駒日記」の2つの本を出版している。
    本作はこの2冊を原作としているのだろう。

    巻末にズラリと「参考文献」が並ぶように、良く研究されていると思う。
    これをマンガ化してほぼ100年ぶりに再び世間に出すことは、十分意義のある事だろう。

    一方、タイトルにある「残酷」のフレーズは人の目を引くために付けたとしか思えず、正直余計に感じる。
    もう少し気の利いたタイトルにすべきではなかったのかと思われ、この点は非常に残念。

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    2025年09月01日
  • 春駒~吉原花魁残酷日記~ 1

    匿名

    ネタバレ 無料版購入済み

    残酷

    吉原遊郭の漫画は数多いですが
    大体は身請けの優しい旦那が出てきてハッピーエンドみたいになる
    のが多いのですがこれはダークエンドになりそうです。

    #共感する #ダーク

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    2024年07月25日
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日

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    ふと目につき、手に取ってみたら、「大正15年、柳原白蓮の序文で刊行され、当時の社会に波紋を呼んだ、告発の書」
    というので気になって読んでみた。

    親の借金のため19歳で吉原へ売られた光子が、花魁・春駒として過ごした日々を綴った壮絶な記録。

    この本の出版の翌年に、もう1冊「春駒日記」を出版し、彼女を自由廃業へと導いた外務省の役人と結婚し、没年や著作権継承者も不明だという著者に興味が引かれる。

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    2023年02月19日
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日

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    引き込まれるように読んだ。
    読みにくいと感じる箇所もあるが、フィクションでみる花魁よりもとてもリアル。
    金勘定が本当に酷く働けど働けど借金が嵩み、読んでいて辛く感じた。
    突然脱出編に入るので森さんが脱出に至るまでの経緯や具体的にいつから計画していたのか、白蓮さんとのお話なども知りたかった。

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    2021年07月07日
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日

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    廓に売られ書いた日記。
    基本、恨みつらみばかりで、暗いです
    そして、廓の出来事や、人間模様がリアルです。
    吉原の花魁というとドラマでは華やかなイメージですが
    そんな吉原より時代も少し後
    1日に10人以上客を取っても借金が減らない
    壮絶な毎日です。

    個人的には、
    この時代の田舎の貧困な家庭で育った女性が
    ここまで文章を書けるものなのかと、興味を持ちました
    文章も綺麗でしっかりしていますし、
    日記とありますが、
    同僚や客、出来事がでる順番が良く
    構成が出来すぎている気もします
    白蓮に手ほどきを受けたのしょうか
    そういった憶測をしてしまう意味でも
    オススメの本です

    それにしても、男というのは

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    2018年11月30日
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日

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    昭和初期に妓楼に売られてその後脱出した女性の日記。

    2つの側面がある。
    1.人身売買の理不尽、過酷さへの抗議
    2.吉原を取り巻く人々(花魁、楼主他、客)の人間観察。

    両方が背中合わせであり、いずれ筆者が脱出することも分かっているので2を楽しく読む余裕もあり、その2を書くたくましさが1を前向きなものにしている。筆者もマンドリンを置いていかせたり、稼ぎ高が上位に来たり、なかなかのものではある。しかし非業の最期を遂げる人もあり、警察官、客も含めた社会もグルみたいなもので、ウーンとなる。清川さんに対する筆者の気持ちの変化がリアル。

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    2018年11月05日
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日

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    周旋屋に「お酒を注ぐだけの仕事だから」と騙されて吉原に売られた女性が、宮崎白蓮宅に駆け込んで抜け出すまでの2年間の日記。
    売られたと言っても娘を担保に金を借りただけで、花魁の稼ぎから借金を返していくシステム。客の払った金の大半は店にいき、花魁の手元に残るのは1割程度。その中で日々の費えや仕事道具をそろえ、客が金を払わなければ花魁が負担、ものを壊せばそれも花魁が責任を取る。お茶をひいても罰金で、逆に借金が増えていき吉原から抜けられないシステム。壮絶。

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    2018年01月17日
  • 吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日

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    吉原の廓に売られ、花魁として生きた女性の記録。作者の森光子は、19歳で1000円と引き換えに吉原の遊郭へと売られる。そして、初見世で見ず知らずの男に処女を奪われ花魁•春駒としての生活を始める。彼女は、そこでの生活を「復讐」として日記に克明に記録する。そうして生まれたのが本書となる。
    吉原に関する文献は多く残されているが、花魁本人の手による記録というのは数が極めて少ない。搾取される側の声はかき消されてしまうのが常であるし、そもそも字を書くことのできない花魁も多くいた。その中で、森光子はおそらくそれなりに高い教養を持ち、そして自らの境遇とその環境を冷静に見る観察眼を持っていた。だから、花魁の世界を

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    2014年12月04日
  • 春駒日記 吉原花魁の日々

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    吉原に身売りされ、毎日のように客を10人も取らされる日々。そんな中でも自分を失わないように日記をつけ、歌を詠む春駒。白蓮を知ることによって、自分の置かれている場所から逃げるという道を選ぶ。白蓮夫妻が、彼女を吉原に返さず、親身になって社会運動家に彼女を繋いだことに安堵した。ほんの70年ちょっと前、戦前は女性の地位は低く、貧しさを理由に人身売買が行われていたこと、水揚げの4分の3は遊郭の主人が受け取り、女郎はたった4分の1しか受け取れない。そこから借金を返し、医者代や衣裳代、髪結い代などを引かれたら、いくらも手元に戻らず、いつまでも借金は返せない。ひどい仕組みだったということもよくわかった。

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    2014年09月15日