高須正和のレビュー一覧
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知財の「常識」が覆る、モノづくり時代の哲学書
伝説的ハッカーである著者が、世界の工場・深センの製造現場に飛び込み、ハードウェアの未来を語った名著。「偽物・パクリ」と揶揄されがちな中国の「山寨(シャンザイ)」文化を、実は究極のオープンソース・エコシステムであると肯定的に分析する視点にハッとさせられました。
特許でアイデアを囲い込んで利益を守る欧米型のモデルと、知識を共有し合い圧倒的なスピードでイノベーションを生み出す深セン型のモデル。この鮮やかな対比は、これからのビジネス戦略を考える上で極めて重要です。
モノづくりの最前線を知りたい人はもちろん、ソフトウェアエンジニアや、新規事業に携わるすべてのビジネスパーソンにおすすめ。単なる技術書を超えた、新しい時代の「哲学書」です。 -
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タイトルの通りシリコンバレーの歴史を語る本なのだけれど、久しぶりちこれくらい分厚い本を読んだ。
ただ、分量が多く読むのに時間がかかったが、文章自体はストーリー的で読みやすかった。
読んでみての感想としては、シリコンバレーのように世界のイノベーションの中心となるような場所を計画的に作ることはほぼ不可能なのでは、と思った。
様々な要因があってシリコンバレーは、エコシステムとして成立してきたのであって、単純な要因に成立条件を見出すことはできないと思った。
元はと言えば、冷戦に伴う軍需、政府需要があったり、スタンフォード大学が立地していたりといったこともあり、
あるいは、文化的な要素や企業の立地もあるのだろう。
形だけ真似てもうまくはいかないのだろう。
個人的に、政府の計画によってイノベーションは起こせるような感じはしないが、政府がどの分野に支出を多くしているか、それが需要の傾向に与える影響や法律等による規制の影響は大きいような印象は受けた。
ただ、本書では扱われていない内容として、詳細な技術発展の歴史や大学の立地、教育の与える影響の検討、また、アメリカや他国との詳しい比較など、他の本などから勉強してみて見えてくるものもあるのかなと思う。
何はともあれ、時間はかかるものの、読みやすくシリコンバレーや情報技術の発展の歴史を知ることのできるいい本だと思う。
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トライアンドエラーを繰り返す土壌ができた深セン、
品質テストを実施して品質担保してから出荷する日本では
スタートアップのスピード感が異なる。
「製品の新機能が正しく動くよりも、その機能が受け入れられるかを見るほうが大切」
深センはサプライヤーも集結しているので、
低価格の部品がすぐ手に入りやすく低ロットでのモノ作りにコストや時間がかからない。
手を動かすことでトライアンドエラーを繰り返し、コミュニティが形成されていったことで深センはテクノロジー都市になっていった。
元々深センは工業都市で、サムスンやフォックスコンなどの外資の下請工場が存在していた。
下請製造で得た知識で大手の模倣品を作り低価格で売り出すことで利益を得て成長していった。
底辺から1発当ててやろうという野心のある企業家や技術者が集まり今の深センが形作られた。
ソフトウェアはオープンソースの物も増えているので、新興国先進国関係なく同じレベルの物を享受できる。
ソフトウェアの分野は今後も各国で熾烈な争いを繰り広げるのだろうという気がしました。 -
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中国やアメリカの力強さの根源がよくわかる。コロナという一大事件があったが人の本質は変わらないと思うし、今後数十年はこの主流が続いて行くと思えるので安心して中国とアメリカに投資を続けようと思えた。
また、日本に向けてアドバイスも書いてるが個人的に思うに、日本は中国とアメリカと同じような場所で戦うのを目指すべきではないと思う。
そもそも、社会の仕組みや気質その他諸々が向いてない。
コロナ後で半導体に投資するといったニュースをみたが、他の国に比べたらえ?これっぽっちっていう金額しか出せない。
戦う場所を間違えてる気がする。今のままの状態で、技術の進歩により日本語の鉄壁ガードを取り除かれたらどうなるか戦々恐々である。 -
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中国の深圳がどのように発展していったのかを知りたくて、この本を読み始めた
頭でっかちな計画を立てるよりも、手を動かしていく中で正解を探していくプロトタイプ駆動。そのプロトタイプ駆動をより正確に行うために必要なコミュニティが、新興国などの新たな都市に芽生えている。プロトタイプ駆動とその実践の場、すなわちプロトタイプシティの新たな時代が始まっている
まず世界経済はこの30年間で大きく成長した。アメリカのGDPは1990年の6兆ドルから、2017年には19.3兆ドルと3倍強にまで成長しているのに対し、日本のGDPは3.13兆ドルから4.87兆ドルへと1.5倍にしか増えておらず、中国やベトナムは30倍の成長を遂げている。
その中でも外資系企業の工場から始まった深圳という街は、たった40年間で大きく進歩し、今ではイノベーションを生み出す、テクノロジーの最先端を行く街へと進化している。
日本のような連続的価値創造のビジネスではなく、非連続的価値創造のビジネスを行う、小産小死型で、計画を深く練ってリスクを回避するよりも、まずは手を動かして、市場にサービスをリリースし、改善点があれば後から手を加えていく。このやり方で成長を続けた。
他にも深圳にはスタートアップの企業が物づくりをしやすい環境が整っていて、小ロットからの発注が、他よりも安くできたり、様々な関連企業が集結しているため、スピーディーにアイデアを形にできるという点が強みであることが分かった。
今後もドローンなどの技術で先頭を走ることになるであろう深圳に、注目していきたいと思った。 -
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書名は『ハードウエアハッカー』となっているが、いわゆるハッキングではなく、メイカームーブメントにまつわる、とても幅広い話題を扱っている。
中身は、Part1については「EMSで行う小規模量産」のテキストである。通常のメーカー勤務であってもこの内容を身につけるためには2〜3年の実務経験が必要だろう。筆者は手探りで数年の経験、それをもとに行われたMITでの授業を書籍化してあり、短時間でポイントがつかめる。実務初心者も、まずこういった本を読んで知識をつけると良いだろう。製造BOMの話(どんな情報が必要か)、DFM(Design for Manufacture)の話、射出成形の話(現在の標準的な技術で可能なこと、制約)、検査ジグの話、工場の選定と付き合い方。今の担当製品の前任者にも、ぜひ読んでおいて欲しかった。
Part2は山寨について。ここまで明らかに解説されている文書は珍しいのではないか。西洋の法基準に照らし合わせると真っ黒だがテクノロジーの進歩との親和性は高いと筆者は言っている。章の後半は偽部品問題だ。幸い、私はまだ遭遇したことはない。
Part3はオープンソースハードウエアについて。文化的には最も興味がある章だが、仕事の参考書としては有用性は低い。筆者がオープンソースハードウエアビジネスを行ってきた軌跡について述べられている。ここで述べられている主張の中で私が最も合意できるものが「議論するより作ったほうが早い」である。また、筆者の2番目のプロジェクトであるオープンソースラップトップの開発について、詳細が述べられている。ラップトップパソコンという複雑なシステムを小ロットで投資を押さえて、かつオモロイように設計する過程が描かれている。こういったトレードオフはシステム設計の醍醐味だ。広い範囲に渡って細部の実装に至る知識が必要となる。
Part4はリバースエンジニアリングについて。かなり具体的で、その道の人ならではの技が解説されている。
根底に流れるのは、目の前に動いているものがあればその原理を理解せずに入られないという好奇心。それは、幼い頃に実際に動いている製品の回路図を見て、製品には仕組みがあって理解可能だというように刷り込まれた。そのような体験にも関わらず、コンピュータが急速に進歩してマイコンとソフトがブラックボックス化してしまった。しかし、現在の技術の進歩は再びハードウエアを取り扱うことができるようになったこと、その喜び。このへんに共感できるならば、本書を興味深く読むことができるだろう。 -
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題名や副題から想像する内容とはずいぶんと違っていた。本書は、タブレットのような電子基板が組み込まれた装置またはデバイスのようなハードウェアを量産するための仕事の進め方という内容である。
生産は中国で行うことを想定しており、深圳での実際の量産立ち上げ経験をもとに、中国メーカーとの付き合い方から、設計のポイント、量産前試験、出荷、品質の大切さ、公差の重要性まで、ハードの量産について一通り書かれている。
メーカーまたは工場で働いている人にとっては基礎の基礎というようなことまで言及しており、ソフトウェア業界の人にとってはそれすらも新しい学びなのかもしれないと思った。
これを読めば、モノを量産することの大変さつまり仕事の多さを改めて思い知らされるのだ。スタートアップ界隈とか若い人たちへ「ものを作るということ」を教えるのに相応しい書のひとつになると思う。 -
Posted by ブクログ
工業製品のモノづくりの現実を知る機会は意外に少ない。生産技術の本でも工場見学でもある一面しか知ることができないが、本書ではオープンハードウェアの量産を通して著者が経験した実態が書かれており貴重な内容だ。加えて興味深いのは、中国で横行するコピー商品について、必ずしも悪い面ばかりでなく必要に迫られて出てきた一面があり、また技術の優秀さが見られると紹介している。さすがXboxのハック本で名を馳せた著者だけのことはある。ただ遺伝子の話題は、読み物としては面白いが本書の内容としては些か冗長にすぎる。それに続くインタビューもブログで十分ではないか。改版/改訂の機会があれば削ってスリムにすることを奨めたい。
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Posted by ブクログ
工学の本か、lifehackの本か判断が難しいが
Lifehackの本だと思う。
工学の人は、よく「発明の呪い」にとらわれて、先にすすめなくなることがあるが、
この人は、うまいこと理学的「発見的手法」で乗り切ってる気がする。
NeTVが一番ぼくの分野に近いと思うけど、ブロック図を見ても、チャキチャキと実装できる気がしなかった。
あのときもう少しLinuxにハマってたらあるいはと思うが…。
特に法的なライセンス的なHackが一番苦しい。
作っても公開できないのは、モチベーションが続かない。仕事ならまだしも
あと、中共の「公開」文化は、ぼくの言う
「最初に著作権を退治したものが21世紀的な中世を終わらせる」というのを地で言ってて、若干の希望を持った。
しかし、昨今の上海の日本以上の日本感。ロボタッチされつくしたデストピアぶりを見ると、前途は暗くも感じる。
というのも、大規模なハードは、結局の所、蓋をしてそれを外してあげる商売以外は前途がないからだ。
迎え撃つプロプライエタリは追い上げるハッカーとは事情が違う。
そして、すぐに中共のメーカーもプロプライエタリ側になる。