三井誠のレビュー一覧

  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    政治や宗教に基づく個々人の信条(思い込み)には、科学的エビデンスはあまり訴えかけることができないようです。本作は第1期トランプ政権下でのレポートですが、コロナ禍を経て第2期トランプ政権の今のアメリカでは、科学を軽視する状況がさらに悪化しているのではと危惧されます。結局は科学を信頼しなければ、経済的、社会的に損することになるといった動機づけが必要なのかもしれません。ただ国の一番偉い人が、科学を軽視、無視したらどうしようもないのですが…

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    2025年07月17日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    地球温暖化を疑問視したり進化論を拒絶する人が米国には多い。その理由は「科学リテラシーの欠如」ではなく、個人の価値観や信念にある。そのため、科学的な事実を事実として伝えるだけでは、人々を事実に至らしめる事はできない。ではどうすれば良いか。本書による答えは、相手を尊重し、共感を得るように伝えること。伝え方が大事だということだ。

    本書は米国での多方面への取材を通じて、「反科学」が醸成される仕組みを分かりやすく説明する。その上で科学の伝え方についての新しい動きを紹介する。著者は新聞社の科学記者だけあり、説明が分かりやすい。本文に添えられた写真やイラスト、グラフも大いに参考になる。

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    2024年02月29日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    トランプがなぜ危険人物といわれていたのか、やーーっと分かりました遅すぎますが…宗教、政治、科学、それぞれの主張が強すぎるって大変なんですね。

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    2021年09月16日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    先進国アメリカには、進化論や気候変動を信じない人々がかなりいて、宗教や政治が結びつくことで科学的な根拠が蔑ろにされる状況に大変驚いた。米国に限らず科学の観点から正しくともそれが絶対にならない世の中である事を認識すべきなんだと思った。良書。

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    2019年08月16日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    人々の共感を得るには事実を並べて「こんなに証拠がありますよ」ということではなく、よりわかりやすく相手の立場に共感しつつ、伝えていく努力が必要ということが重要だと認識。事実(厳密には科学的事実)よりも共感力とコミュニケーション力のほうが重要ということ。
    大半の日本人としての感覚では、科学的思考は正しくて、その結果として生まれた各種自然法則は、正しいと「信じて」いる。ところが本書でのキリスト教の信仰にかかわる問題(進化論の事例)や、経済的政治的信条にかかわる問題(=地球温暖化の事例)については、素直に自然科学の法則よりも、信仰にもとづく聖書における事実や政治的に経済的に自分に都合の良い都合の良い考

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    2019年06月30日
  • 人類進化の700万年 書き換えられる「ヒトの起源」

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    我々は如何に類人猿から進化してきたのかを、最新の研究、分析をもとに分かり易く解説している。
    30余年前の私が学生だった頃の教科書にも、北京原人、ジャワ原人、ネアンデルタール人、クロマニョン人等の名前は載っていたものの、彼らと今を生きる人類との関係については明確な記述はなかったように思う。
    しかし、その後、炭素やカリウムの放射性物質を利用した年代測定法や遺伝子の研究の進歩により、様々なことが判明してきた。
    その中でも最も注目されるのは、現生人類は、各地の原人が夫々進化を遂げた(他地域進化説)のではなく、アフリカで生まれて世界に広まった(アフリカ単一起源説)ということだろう。遺伝子の研究は、「世界

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    2016年01月11日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    ネタバレ

    これは…面白いしなかなか興味深い本。ドーキンスの「神は妄想である」を読んだ後だったので、より深くアメリカの理解が深まった。

    科学を信じてない人は、ただ知識がないということではなく、「その人の思い」から生じているという。人は、自分の信じたいものを信じるし、周囲の環境によって情報も偏る。よく知らない科学者が言うことより、信頼する親の言うことを信じる人だっている。これって日本でも同じことが言えると思う。
    なので知識を増やせば科学的な考え方に至るわけではない、ではどうするのか?というのが本書の内容なのだが、最終的な解決策に至るまで、現代アメリカの政治や宗教事情が露わになる。
    例えば地球温暖化について

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    2024年09月23日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    純粋に面白い。
    データと現場の声が交互に提出されることで、数字にリアリティが持てるようになる。
    アメリカの近代史を政治と宗教の関係から読み解く一冊。
    日本にしか住んだことのない日本人からすると、文化人類学的な読み方も出来る。

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    2023年03月03日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    公共の交通機関が皆無のアメリカのド田舎に留学経験がある私としては正直、トランプ大統領が誕生した時は何の意外性も感じなかったんですよね。。。この本で書いている通り未だに進化論を信じてない人が多くいて、その様な人達が通わせる学校まで存在しているんですよ。留学していたのは20年位前なので、その当時と変わっている事も多い筈ですが、キリスト教をベースにした行動規範や思想は変わらないんでしょうね~。著者の主張する通り、科学に対するリテラシーを持ちつつ、意見の異なる人と平和的に議論出来れば良いですね。

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    2022年12月24日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    科学をどう伝えるか。
    価値観、信仰、利害。
    こうしたものを超え、普遍的であるべき、と筆者が考える科学を、どう伝えればよいか。
    そうしたことを、考える本。
    学べば学ぶほど、自らの仮説・直感を補強していき、頑なになる傾向があること。
    論理は好悪の奴隷、という話。

    演説に大切なものとして、論理、信頼、共感をアリストテレスはあげたことを紹介する。
    それが、どうやら結論のようだった。
    「反対している人たちは何を心配しているのか。
    自分はただ事実を押し付けるだけになっていないか。
    お互いの心を結び付ける何かを見つけ出せないか。」
    「科学を巡るコミュニケーションでも、気持ちを大事にすることで誤解を解きほぐ

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    2022年01月04日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    事実を訴え続ければ、分かり合える。
    そんな考えは甘いのかもしれない、と思わされました。

    アメリカでは今でも進化論や地球温暖化を信じていない人がいるという入り口から、人々が反化学の思考に至るプロセスを、現地の人の取材を交えて解説した一冊です。

    進化論や地球温暖化を信じない人たちとは、どのような人たちなのか。個人的には常識に疎い、学力の高くない人たちばかりなのではないか、と思っていたのですが、本の中で紹介されている人たちは、決してそういう人ばかりではない。新聞記者だった著者の質問にも丁寧に対応する様子が見られます。
    また地球温暖化を否定する人の中で学力が高い人ほど、否定の傾向が強くなるというデ

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    2021年08月15日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    アメリカの科学不信が想像より深刻でビビる本。なんと、アメリカ国民の半分が進化論を支持していないらしい。

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    2021年01月07日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

    購入済み

    久しぶりに「唸った」

    と言っても本当に声に出して唸った訳ではないが「なるほど」と思うことが多く、実り多い一冊である。トランプ現象を始めとして、最近のBLMなど、アメリカという国と国民をどのように理解したらいいのかという問題意識にバッチリとハマる内容。「科学」VS「非科学」あるいは「知性」VS「反知性」のステレオタイプな理解では何も進まないことがよく分かる。これを実際の生活や仕事にどう落とし込むのか。それが今後の課題となる。課題が見えるというある意味最高の読書体験となった。

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    2020年08月16日
  • 人類進化の700万年 書き換えられる「ヒトの起源」

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    「人類進化」そのものに興味がなくても読んでみてほしい一冊。(実際、自分も課題のため)
    社会の中で生活していると、国家や人種など、当然として存在している考え方から抜け出すのは、なかなか難しい。
    しかし本書を読んで、また違う視点を得たような気がする。

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    2020年04月29日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    ネタバレ

    近年、よく問題として取り上げられるようになった、合理性と信条の対決。人々の信条の背景にあるのは何か。それを解消するためにどのような取り組みが行われているか。がテーマ。最終章における、演劇的手法による取り組みが興味深かった。

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    2019年08月31日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    アメリカには反進化論の人が多いとかいうのはよく聞くが、その状況がよくわかる。それよりも「科学知識が増えるほど意見が両極端に分かれる」という調査結果が衝撃的。科学的な考え方をどのように促進したらいいのか考えさせられる。

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    2019年07月15日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    トランプ政権後のアメリカで起きていることの報告として、とても興味深く読んだ。
    支持政党によって銃規制に関する計算で違いが出てしまうというのが、個人的に衝撃だった。
    リスクコミュニケーションの世界に片足を突っ込んでいるものとして、正しいことだけを伝えても駄目なときは駄目と認識しているが、一方で本の最後の章で、どうすれば伝えていけるかに触れており自分も意識していきたいと感じた。

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    2019年06月29日
  • ルポ 人は科学が苦手~アメリカ「科学不信」の現場から~

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    科学不信がなぜ起きるかという人々の心理(一様に科学不信なわけではなく、政治的立場や信仰など状況はそれぞれ)に迫った一冊です。最後には、科学コミュニケーションの事例(事実を伝えるだけでなく信頼や共感を得ることが大事)なども紹介されていました。
    我が身を振り返ると、科学(的知識)との付き合い方について学校とかで学ぶ機会はあまりなかった気はするので、そういう教育機会もあるといいんだろうなと思いました。

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    2019年05月25日
  • 人類進化の700万年 書き換えられる「ヒトの起源」

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    人類700万年の進化の歴史の解説書であるが、この分野は一つの化石からすべての仮説がひっくり返ってしまう不安定さを内包するがゆえに、この本に書かれていることのどこまでが真実なのやら。とはいうものの、読んでいてアキが来ない。「直立二足歩行する動物は人類のみである(飛ぶように進化しなかった生物が爬虫類のみであることを考えるとこれはかなり稀有なこと)が、なぜ人類がそのような進化を遂げたのか」なんていうことに対する仮説が、10や20あること事態、この分野が本当に科学なのかどうか、それすら怪しい。怪しいから面白い。

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    2018年10月23日
  • 人類進化の700万年 書き換えられる「ヒトの起源」

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    人類はどこから来たのか?今のところ現生人類(ホモ・サピエンス)の歴史は700万となっているらしい。そんなことどうやって分かるのか?何を持って700万年なのか?化石って何?というような素朴な疑問に答えを用意してくれているのが本書。

    著者は京大理学部卒の読売新聞記者だが、アウストラロピテクスだとか専門用語が多くて人類学は苦手だったという。そんな著者が、専門家に取材しながら最新の人類学を理解し、執筆当時(2005年)、何がどこまで分かっているのかということを分かりやすくまとめてくれています。専門家じゃなくて記者さんが理解した内容を分かりやすく紹介してあるので、一般読者にとってはとても読みやすい。ど

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    2018年10月10日