三井誠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人類進化の歴史を、研究者ではなく、サイエンスライターがまとめた本。
なんというか、公平感がって、読みやすかった。
有力者誕生のメカニズムとして「宴会説」なるものがしょうかいされてるが、一見おかしみがあるが、よく考えるとそうかも?とおもわせる。
チンパンジーと人間では染色体の本数が違う(チンパンジーのとある2本の遺伝子がつながって、人間では1本になっている遺伝子がある)
普通に考えると、こういう遺伝子変形って生殖不能だと思うけど、どうやって進化するんだっけ?
「大学生物学の教科書」に書いてあったかなぁ?
ちなみにボクは手斧と犬が現生人類を無敵にした説かな? -
Posted by ブクログ
興味深かったのは集団生活の始まりや心の獲得の部分だった。そのプロセスは諸説あって定かではないが、歯がほとんど抜け落ちてしまった頭骨から「仲間から食糧をもらうなど助けられていたから生存できたのではないか」というエピソードや、磨かれたような跡がある子どもの頭骨から、「死後に頭骨を保存し、繰り返し手で触れていたのではないか。死者を慈しむ感情があったのではないか」というエピソードは印象に残った。
あとは視覚情報に頼る生活を送るようになった反面、嗅覚が鈍ったそうで、このままいくと我々の嗅覚はもっと鈍るのかな?と思った。もしそうなった場合、それによる弊害もいろいろ出てくるのかなあ。 -
Posted by ブクログ
読んでいて面白かった!
人類の進化はアフリカの大地溝帯ができたことによる環境の変化だと思ってきたけれど、実は・・・ちがう!食糧提供仮説がおもしろい!
今までヒトは、猿人→原人→旧人→新人と年代を順におって進化をしてきたと考えられていたけれど、同じ時代に複数の人類種がいたということがわかってきたというところも興味深い。たとえば、ネアンデルタール人と私たち現生人類が同時期に存在していたという。お互いをどうとらえていたのだろうか。交流はあったのかなど気になる!!
そう考えていくと、そもそも「進化」とは何なのか。ついプラスのイメージを抱いてしまうが、そうではないのかもしれない。こんなところを考えられる -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
四万~三万年前のヨーロッパ。
ネアンデルタール人と現生人類のクロマニョン人が共存していたらしい。
両者の交流を示唆する痕跡が、フランスなどに残されていた。
知能に勝るクロマニョン人が作った石器と同じくらい工夫を凝らした石器(石刃)が、ネアンデルタール人の三万数千年前の化石とともに見つかっている。
最新の研究で明らかになってきた私たちのルーツの新常識。
[ 目次 ]
第1章 人類のあけぼの
第2章 人間らしさへの道
第3章 人類進化の最終章
第4章 日本列島の人類史
第5章 年代測定とは
第6章 遺伝子から探る
終章 科学も人間の営み
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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Posted by ブクログ
人類の進化について、著者によって少しずつ違う説明になっている部分があり、わからないことがたくさんある分野なのだなと思った。
その中でも共通している内容はおおよそ共通認識となっていると考えて捉えた。
700万年前から人類が進化して現代人になっていることを考えるとほんとうに感慨深い。
新しく印象に残ったことは、他の人科のオラウータンやゴリラ、チンパンジーと違って、ヒトは一夫一妻になって、犬歯が退化したという説。
アラブ諸国で一夫多妻制をしていているという反論に対しても、現実には一夫多妻は富裕層のみで多くの人は一夫一妻であることを考えると、本能的には一夫一妻はヒトの本能なのだそうだ。
ま -
Posted by ブクログ
研究者ではなく記者が書いただけあって、新しいトピックを要領よく紹介してあって、とてもいいかんじ。「ヒトの起源」は次々に新しい化石が発見されて、中年自覚があるひとならもちろん、20代の若者だって、子ども時代に読んだ・習ったものとはまるで違うものになっている。サルから離れ、二本脚で立ち上がった謎について。旧人・原人という区分が古くなってきた背景について。肉食の開始が脳を大きくした可能性。あごの筋肉を作る遺伝子が働かなくなったことから、筋肉のコルセットが外れて脳が大きくなれたかもしれないとか。分類上、ヒト科にゴリラやチンパンジーを入れる研究者が増えてきた背景……などなど。新しくて、やさしい。人類の
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Posted by ブクログ
人類学の本ですが、著者は学者さんではなく新聞記者です。
人類学の世界には多様な学説があり、その学者さんによって、
進化の仕方や人類の分類などが違ってくるそうです。
そういった意味で、第三者である、人類学を客観的に眺めた
人が書いた人類学の本という位置づけである本書は、
いろいろな見方を認めたうえで語るので、公平性があるかもしれないです。
また、専門用語を控えているので、初心者の僕のようなのでも
面白く読めます。
人類は700万年前に、とあるサルから進化したものだそうです。
そして、そのちょっとした、現生人類への進化を持ったまま、
400万年くらい沈黙するようなのです。
長い歴史に波乱万丈は