波田野節子のレビュー一覧

  • 韓国文学を旅する60章

    Posted by ブクログ

    ほとんど読んだことがない韓国の文学や詩である。丁寧に説明している。著者の写真やその場面の写真がある。巻末には読書案内があるが、書誌なのでいまいち読もうという気にはさせなかった。

    0
    2025年10月25日
  • 李光洙―韓国近代文学の祖と「親日」の烙印

    Posted by ブクログ

    韓国の近代文学の祖と言われる李光洙(이광수)の評伝。優れた才能があり、多くの人にその作品は受け入れられたのに、親日となって学生に軍隊志願を進める演説することで批判された。解放後は北朝鮮軍に連れ去られて生死が不明となった。

    0
    2024年12月26日
  • 血の涙

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    主人公オンミョンの父は避難中に妻と娘と離れ離れになり一晩で身勝手にも死んだと諦めてアメリカへ行く。のちに2人は無事だと判明するのだが、もし死んでいたとしても遺体を探す情もないのだろうか。国のために行動する大義があれば、家庭は放っておいても許されるのか。後にオンミョンの夫となるクウォンソも親に内緒で勉強のため17歳で渡米する。せめて書き置き残す描写が欲しい。親が可哀想だ。著者としては女性が家から出ること、女性が勉強すること、留学して文明的な社会を経験すること、親が決めるわけではない当事者同士の自由な結婚など朝鮮にはない風習文化を読者に紹介したいと思って書いたのかと思った。確かに1900年代には新

    0
    2024年09月10日
  • 血の涙

    Posted by ブクログ

    著者は李人稙。イ・インジクと読むそうです。これは1900年代初頭に書かれたものです。古典と近代文学の中間にある過渡期の作品で、日本でいうと二葉亭四迷とか坪内逍遥のように画期的な文学だといえるそうです。訳者はこれをはじめは「朝鮮語の現代語訳で読んだ」と述べているので、原文は難解な古語まじりの原語なのでしょう。筋は日清戦争時の戦場となった平壌を舞台に、父母と離散した金玉連(オクニョン)という女性の波乱の人生です。「え!フォレストガンプかいっ」という唐突感もちょっとあるけど感動物語です。現代韓国小説はいくつか読んだことがあるけど、朝鮮文学は馴染みがなく新鮮でした。近代朝鮮史の要約が解説として付いてい

    0
    2024年08月11日
  • 無情

    Posted by ブクログ

    なかなか読み応えがあった。朝鮮文学は初めてだが、細かい情景や雰囲気が想像できて読みやすかった。ストーリー展開も面白かった。主人公の思考の生々しさが新鮮だった。

    0
    2023年05月27日
  • 李光洙―韓国近代文学の祖と「親日」の烙印

    Posted by ブクログ

    最近、どこかの新聞の書評だったと思うけど、イ・グァンスの「無情」と、この中公新書の紹介を見た。
    この本を読んだだけでは、今の悪化した日韓関係を理解することは難しいと思うが、日本人と朝鮮人がどういう結びつきであったか、その一片を知ることができた。多くの朝鮮人の若者が学ぼうと日本にやってきて、そこで生まれた日本人との交流や友情もあった。ただ、欧米列強への脅威から、日本は朝鮮半島を隣国・友人として扱うことができなかったのかな、と思う。その日本を取り巻く環境の変化が、このイ・グァンスの考えの変化に映し出されている。彼は日本語もでき、日本の学友もいる。朝鮮が自立・発展するための方法として、日本という隣国

    0
    2021年03月06日
  • 血の涙

    Posted by ブクログ

     日清戦争の戦場となった平壌、戦火を逃れようとするうちに家族とはぐれてしまった7歳のオニョン。日本軍医の親切により、彼の留守を守る妻のいる大阪で暮らすことになったのだが、軍医は戦死してしまった。再婚のじゃまになると、家にいたたまれなくなったオニョンは、両親も死んでしまったことだし、これ以上生きていてもと自殺を考えるのだが、列車の中で朝鮮人の男性に遭遇する。身の上話を聞いた彼は、学問のため渡米をする自分と一緒にアメリカに行こうと誘う。
     一方、オニョンの父は、妻も娘も死んでしまったものと考え、傷心の身で一人アメリカに渡り、母は母で、娘は死んでしまったと一人寂しく朝鮮の家を守り、夫の帰国を待つのだ

    0
    2024年06月13日