【感想・ネタバレ】李光洙―韓国近代文学の祖と「親日」の烙印のレビュー

あらすじ

李光洙は韓国の夏目漱石である。近代文学の祖とされ、知らぬ者はいない。韓国併合前後に明治学院、早大で学び、文筆活動を始めた李は、3・1独立運動に積極関与するが挫折。『東亜日報』編集局長などを務め、多くの小説を著した。だが日中戦争下、治安維持法で逮捕。以後「香山光郎」と創氏改名し日本語小説を発表。終戦後は、「親日」と糾弾を受け、朝鮮戦争で北に連行され消息を絶つ。本書は、過去の日本を見つめつつ、彼の生涯を辿る。

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Posted by ブクログ

韓国の近代文学の祖と言われる李光洙(이광수)の評伝。優れた才能があり、多くの人にその作品は受け入れられたのに、親日となって学生に軍隊志願を進める演説することで批判された。解放後は北朝鮮軍に連れ去られて生死が不明となった。

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2024年12月26日

Posted by ブクログ

最近、どこかの新聞の書評だったと思うけど、イ・グァンスの「無情」と、この中公新書の紹介を見た。
この本を読んだだけでは、今の悪化した日韓関係を理解することは難しいと思うが、日本人と朝鮮人がどういう結びつきであったか、その一片を知ることができた。多くの朝鮮人の若者が学ぼうと日本にやってきて、そこで生まれた日本人との交流や友情もあった。ただ、欧米列強への脅威から、日本は朝鮮半島を隣国・友人として扱うことができなかったのかな、と思う。その日本を取り巻く環境の変化が、このイ・グァンスの考えの変化に映し出されている。彼は日本語もでき、日本の学友もいる。朝鮮が自立・発展するための方法として、日本という隣国をどう活かすか、という視点を持っていたのだろう。それが「親日」とみられ、彼の哀しい晩年へとつながる。
日本と韓国は、切っても切れない隣国だけど、知らないことが多すぎる。今の日韓関係の元になっている戦中・戦後の作家の作品を通じて、色々韓国を理解する手助けになるかもしれない。

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2021年03月06日

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