篠田英朗のレビュー一覧
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国際法学の観点から日本国憲法の特に9条の成立過程を読み解く。その論理は、緻密で説得力がある。しかし、一方的すぎる。
憲法学が東大の学者中心のヒエラルキーで成り立っていることや、宮沢、長谷部、(今をときめく)木村などの見解に論旨不整合ないし不充分な点があることも事実だろう。国際法的視点から現在の憲法学の主流の解釈がおかしいこともよくわかる。しかし、それでも憲法学の大勢が、国際法とは異なり、一切の戦力放棄あるいは集団的自衛権は違憲だが個別的自衛権は合憲という解釈を(無理をしてでも)主張してきた重みが軽視されている。「国際法からみるとこうなんですよ。」というスタンスであったなら、本書は(著者から -
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国際法の立場から見た、日本国憲法。
いかに国内の、んで、憲法畑の先生たちの論が、ガラパゴスなのかと。
利権構造、権威構造がここまで酷いのかと驚いた。
元々日本国憲法は英文で書かれたものを和訳したもの。原文に当たれば、不戦条約とか、国連憲章のコピペであることは一目瞭然で、であれば、それに沿った解釈をすべきではないか。
要は、国際ルールをきちんと守って、国際社会に復帰しますという約束なのだ。
それを変な思い込みに沿って解釈しようとするからおかしくなる。とことんおかしくなる。
目的のための議論。
政治家でもあるまいし。
全部受け入れて良いのかどうかは判らないけど、目的のために変節も厭わない方々だけの -
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「『複数の人間(集団)が、相容れない目的をもっているとき』、紛争は生まれる」(P14)。分析のスタートとして的確な定義だと思う。つまりそう簡単に紛争はなくならない、ということだ。では不安定なりに維持しなければならない秩序とは何か。
著者が強調するのは、世界のそれぞれの地域に「国民」が存在し、その「国民」が「国家」を形成しているというしくみ(P38)自体が、せいぜい20世紀後半に確立したものであること、このいわば「今たまたま」の国際秩序を費用対効果に見合った方法で維持できるのか、その答えは見つかっていないこと(P42)、の二点。
当たり前だが、すべてを整合的に説明できるような統一理論は社会科 -
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予想以上に、と言ってはいけないのだが、面白かった。
どっかの代表のおっさんが、憲法とは国の権力を制限するためにあることも知らんのか、と叫んでたのを見て、あれ、そうだっけと思って憲法関係の本を読んで見たかった。
憲法を素直に読もう。
そうか、そもそも英米法である日本憲法を大陸法で理解しょうとするところに無理はあるし、憲法村は東大法学部のお庭ななんだな。
「抵抗の憲法学」と言うことがも初めて聞いたけど、そう言うことか。
筆者は国際法の立場から憲法を眺めており、ちょっと、やっぱり解釈論だよねってところはあるが、9条だけでなく、日本と憲法を取り巻く歴史から語っており、わかりやすい。
つか、憲法学 -
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まさか著者も私のような無学な人間が読むとは想像していなかったのかもしれない。
IQが離れていると会話が噛み合わないと聞いたことがあるが、読みながらそれを思い出した。何を言っているのかがわからない…。読み始めた当初は最近の私の悪癖、エセ速読(内容がしっかりと頭に入っていないのに、単語を形として認識しぽんぽん読み進めていく。それでほぼ問題ないくらいの内容の本を読んできたので癖になっていた)とこの本の難しさが相性が悪かったのかもしれない。徐々にきちんと読まないとこれは理解できないぞ、となり、一語一語しっかり読むようになって少しわかるときもありました。
この本を読んで、自分が本で触れてきた地政学が -
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地政学については今でも興味を持っている分野ですが、昨年の私の59歳の誕生日を迎えるあたりに読んでいた本でいた本ですが、部屋の隅に放置されていました。
地政学の本を読んでいて楽しいのは、本文の理解を助けるために、必ず地図が出てくることですね。それも、現在の見慣れている地図ではなく、事件・戦争が起きた時の地図なので、今と国境や時代を遡れば、地形さえも変わってきますからね。読み終わって時間が経過していますので、レビューを書きながら中身を振り返りたく思います。
以下は気になったポイントです。
・17世紀までは、スウェーデンが北方勢力の代表であった、18世紀以降は、ロシアが勢力を拡大し、欧州北方に -
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日本では戦前の流れから忌避されてきた「地政学」。
ところが、「地政学」と言った、確定された学問分野は実はない。
やばかったのは大陸系地政学で、今の日本はむしろ、もう一方の英米系地政学に則っている。
その、英米系地政学は、実は、日英同盟の分析から唱えられた。
いわゆる、ランドパワーに対するシーパワー。
ランドパワーは、バランスオブパワーとか、生存権とか勢力圏とかいうものに繋がっていくもので、日本も、本来シーパワーに属していたのが、ランドパワーに変に偏って行った結果、破滅した。
もっとも、そこに追い込んだのは、敵と味方を間違える天才、シーパワーの雄、お米の国、のような気もする。
篠田先生自体 -
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国際法学者・紛争解決論の専門家 戦争でなく武力紛争
紛争
複数の当事者multiple partiesが相反する目的incompatible goalsを追求する際に発生する状態
P.35 ポーツマス条約に見る第三者=アメリカの位置づけ
立場と利益interest(より深層に設定されるべきneeds)
P.55 紛争解決の事例としての薩長同盟
紛争対応
・回避avoidance
・交渉negotiation
・調停mediation, arbitration
・強制coercion
問題解決のアプローチ MECE
P.117 カンボジア 民主化の紛争解決