戦争の地政学

戦争の地政学

935円 (税込)

4pt

そもそも「地政学」とは何か?
地理的条件は世界をどう動かしてきたのか?
「そもそも」「なぜ」から根本的に問いなおし、激動世界のしくみを深く読み解く「地政学入門」の決定版!

現代人の必須教養「地政学」の二つの世界観を理解することで、17世紀ヨーロッパの国際情勢から第二次大戦前後の日本、冷戦、ロシア・ウクライナ戦争まで、約500年間に起きた戦争と激動世界の「構造を視る力」をゼロから身につける!

「一般に地政学と呼ばれているものには、二つの全く異なる伝統がある。『英米系地政学』と『大陸系地政学』と呼ばれている伝統だ。両者の相違は、一般には、二つの学派の違いのようなものだと説明される。しかし、両者は、地政学の中の学派的な相違というよりも、実はもっと大きな根源的な世界観の対立を示すものだ。しかもそれは政策面の違いにも行きつく。たとえば海を重視する英米系地政学は、分散的に存在する独立主体のネットワーク型の結びつきを重視する戦略に行きつく。陸を重視する大陸系地政学は、圏域思想をその特徴とし、影響が及ぶ範囲の確保と拡張にこだわる」――「はじめに」より

【本書のおもな内容】
●地政学は「学問分野」ではないという事実
●「英米系地政学」と「大陸系地政学」の決定的な違い
●地政学をめぐる争いは「人間の世界観」をめぐる争い
●ハートランド、シー・パワー、ランド・パワーとは?
●生存圏、パン・イデーン、ゲオポリティークとは?
●日英同盟が「マッキンダー理論」を生み出した
●なぜ戦後日本で地政学が“タブー視”されたのか?
●日米“シー・パワー”同盟が英米系地政学の命運を左右する
●冷戦終焉をめぐる視点――「歴史の終わり」と「文明の衝突」
●地政学はロシア・ウクライナ戦争をどう説明するのか?
●中国とは何か? 「一帯一路」とは何か?
●私たちはどんな時代に生きているのか?

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戦争の地政学 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年05月01日

    二つの地政学の見方がどちらも妥当性を持ちつつ、現代において、するどく対峙することを説く。
    大陸系地政学(広域圏の均衡)と英米系地政学(シーパワーとランドパワーの均衡)がその二つだが、後半になるに従って、その見方の鋭さを裏付ける叙述になっている。

    台湾とインドの話しが示唆に富んでいた。

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    Posted by ブクログ 2023年04月13日

    毎日世界のどこかで争いが起こり大勢の市民が犠牲になっている。なぜ人は争うのか。権力争いの発展系や領土拡大欲、宗教の対立など原因は様々だ。その根本原因はそれぞれに違うだろうが、地球を海と大陸、そして流れる河や砂漠、山脈、地図の上から確認できる地形的要素を加えて、力の関係や方向性、政治を考察するのが地政...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月10日

    学術的には正式には成立していない地政学だが、個人的にとても関心がある。
    『英米系地政学』と『大陸系地政学』と二つの学派があるとのことだが、そのあたりの違いが、まだきちんと咀嚼でいていないけど興味深い。
    現在各地で頻発している国際紛争の原因を知る上で、歴史とともに理解を深めたい。

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    Posted by ブクログ 2023年11月01日

    国際政治チャンネルで地政学についてトークしているのを見て手に取りました。とりあえず地政学として大陸系と海洋系の2つの流派があるのは判りましたが、それ以上は難しい内容だったなぁと(大学の教科書ですかこれ)。
    とりあえず内陸国家が外にはみ出そうとする動きは武田信玄とか確かにあるなぁと納得してしまったり。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月11日

    篠田英朗(1968年~)氏は、早大政治経済学部卒、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス国際関係学Ph.D.取得、広島大学平和科学研究センター助手・助教授・准教授を経て、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。その間、ケンブリッジ大学客員研究員、コロンビア大学客員研究員等も務めた。
    本書は、近年関...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月07日

    地政学:地理的事情を重視して政治情勢を分析する視点
    英米系地政学:海、分散的に存在する独立主体のネットワーク型結びつきを重視
    大陸系地政学:圏域思想、影響が及ぶ派にの確保と拡張にこだわる
    理論学派:自己充足的、自己弁護が目的化
    構造的な要因で歴史的な流れで決まる
    ラッツェル「政治地理学」→チェーレン...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月29日

    最初の第一部が理論の説明でとっつきにくかったが、地政学自体は大風呂敷の議論で、英米系も大陸系も難しいものではない。

    本書の特徴的なところは、その切り口でウェストファリア以降の欧州、明治以降の日本、冷戦、ウクライナ戦争の構図、中国の一帯一路とFOIPなど当てはめて議論しているところ。

    個人的に特に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月24日

    著者の言うように地政学という学問の分野は今のところ確たるものは無いということだと思う。
    大陸系地政学と英米系地政学があるとしても、その時の現実の世界の情勢を言い表したに過ぎず、現実はもっと多様だと思う。
    結局のところその時々の各国の指導者の考え方次第なのではないか。

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    Posted by ブクログ 2023年10月12日

    シーパワー対ランドパワーを基軸に展開。けどソ連の崩壊以降、現代ではランドパワーの脅威はかなり減じられているのかな。オモシロイと思ったのは、中国をして両性的としたこと。ただ中国の海軍って実績はないよね。実際の実力はどうなんだろうね。

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    Posted by ブクログ 2023年08月29日

    序盤はチェーレンとかマッキンダーとかハウスホーファーにスパイクマンとシュミットを足してまとめた感じ。
    面白いのはP75第2部以降である。
    大陸系/英米系地政学の視点から、ちょっと読みにくく賛同できない点も多々あるが、P128あたりからの日本の大陸進出以降にかかる地政学の変遷は面白い。
    現代の戦争に関...続きを読む

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