ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
日本は憲法で戦争を放棄した世界唯一の国だ――。日本人の多くは漠然とそう信じているが、これは戦後の憲法学者たちが日本国憲法を捻じ曲げて解釈した「虚構」に過ぎない。憲法が制定された文脈と、国際法の常識に照らし合わせた時、本当は「国際主義的」な日本国憲法の真の姿が明らかとなる。東大法学部を頂点とする「ガラパゴス憲法学」の病理を、平和構築を専門とする国際政治学者が徹底解剖する。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
日本国憲法を正しく理解したい人
日本国憲法がどう誕生したのか、当時の国際情勢、歴史観、国際法、誕生過程から、憲法をどう読むのかを示し、日本国憲法の理解を示す。 著者の論理構築は緻密であり、説得力に富む。常々、日本国憲法の現在までの解釈には国連憲章等と乖離がある様に思い、学生時代(法学部)より違和感を感じていたが、霧が晴れる様に明...続きを読む瞭になった。
#深い #タメになる
Posted by ブクログ
9条をめぐる国内の憲法学説が、いかに国際法と噛み合わないガラパゴス学説であるかを論じています。あくまで9条は不戦条約や国連憲章の焼き直しであることを強調しています。また、憲法学者ひとりひとりを章立てて批判しており、問題点を理解しやすい論じ方だと思いました。 本書にあえて疑問を投げかけてみます。 ...続きを読むなぜガラパゴスではいけないのか。国際法が必ず国内法に優越することは自明ではないはずです。国内における特殊な理由があれば、ガラパゴス化そのものは非難の対象とはならないのではないでしょうか。また、もし憲法学者自身がガラパゴス現象を自覚しているのなら尚更でしょう。 なぜ戦後に憲法学者たちが、9条の特殊性を学説でうたったのかに思いを馳せるとき、冷戦当時の戦争巻き込まれが念頭にあったはずです。戦後の国際社会は自衛権、とりわけ集団的自衛権の行使を適切に取り扱っているのでしょうか。戦後、アメリカ、ロシア、中国などの軍事的に影響力のある大国の行動は振り返ってどうだったでしょうか。国際法と集団的自衛権と国際社会に対する信頼性の検証、もしくは信頼への決意があってはじめて、国際協調主義の観点から憲法学説の神学論的一面を批判できるのだと思います。
国際的にみて、かなり異様な第9条がなければ、こうした憲法論議もなかった、というか不要だったわけで、そういう意味で極めてローカルな話題であり、いくら議論に熱が入っても、どこか空しさが漂う。普遍性を持った未来志向の議論に感じられない。多くの国において解決済、というか問題にもならない論点。解釈をめぐる憲法...続きを読むの訓詁学。
この本は憲法解釈を題材に、通説的かつ固定的な解釈に対して幅広い視点で素直に解釈することの大切さを教えてくれる。 焦点は主に日本国憲法の前文と9条の解釈である。 現在の日本国憲法に対する解釈は19世紀ドイツ国法学に基づいたものであり、さらには憲法学者内で独自に決めた通説が反映されている。 一方、著者...続きを読むは国際政治学者として国際法や国際社会の歴史を前提に解説する。 現在の憲法解釈がいかに狭い分野で解釈されているのか理解できる。 憲法前文を素直に読めば、いわゆる三大原理(国民主権、基本的人権の尊重、平和主義)は自明ではない。 ⇒たしかに、小学生か中学生の時に憲法前文は暗唱させられ三大原理が大事だと習ったが、前文と三大原理の関係に違和感を覚えた。この本を読んでその違和感がすっきりした。 憲法9条は国際法と憲法制定時の歴史背景に基づいて素直に読めば、国連憲章を念頭に、国際社会における戦争や戦力についての当たり前の考え方を言っているだけである。日本国憲法制定以前から、国際社会はいわゆる戦争を禁じていた。そして、自衛権(個別、集団関係なく)は当然認めている。日本国憲法では、あらためてそのことを明確にしただけとも言える。 ⇒イデオロギーを背景に偏った解釈があることは認識していたが、異なる学問分野から根拠を持って違う解釈が加えられたことは爽快に感じた。 全体感想 固定的な観念に対して幅広い視点で素直に解釈することは重要だと感じた。 学術的な専門家の意見や解釈は重要だが、それにとらわれるだけなのは危険だと感じた。 分野や対象にもよるが、なにものも学問のための学問に(あるいは特定のイデオロギーのためのものに)なってはいけない。ある程度応用的分野の学問ならば、国や社会にどういったメリットデメリットを及ぼすのかも想像して研究を進める必要がある。 特に、この本のテーマは憲法学である。日本という国をデザインする唯一の法的な根拠を、一部の学者の解釈にとらわれるだけでは心もとないと感じた。
法学部法律学科で憲法を専攻する学生の視点から感想を述べる。 ゼミの夏合宿にて、総勢30名が本書の言説を多角的視点から分析したが、主に私が担当した憲法9条の解釈論(おそらく本書でいう1〜4章あたり)について、篠田氏の思考方法と、本書の内容について触れる。 ⑴篠田氏の思考方法について 彼は主に国際法...続きを読む的観点から、憲法のあるべき解釈について主張している。ことに、憲法前文の記述を独自の解釈により9条の解釈について論じている。この思考方法は、なんら憲法学者と変わらず、その作法を守っている意味で、外観は、憲法的議論としては成立している。ただ、憲法前文では、周知の通り基本的人権の尊重、国民主権、平和主義が挙げられており、彼の言う「国際協調主義」は、普遍的なそれではなく、彼の色が入ったものになってしまっている。芦部や長谷部、その他憲法学者よれば、憲法学者は、国際協調主義=いわゆる平和主義の観点を、踏まえた上で憲法解釈を試みていることがわかる(芦部『憲法』を参照)。つまり、国連憲章やパリ不戦条約などの文言との連関について、篠田氏だけでなく、すでに憲法学者は実践済みということだ。したがって、篠田氏の思考方法については、間違っていないものの、その意味内容については、やや一元的かつ限定的なものになっていると解する。これについては下段に詳細を譲る。 ⑵本書の内容について 東大法学部批判を試み、ことに憲法9条について独自の解釈内容を提供している。東大法学部批判については、芦部が理由なく、war potentialについて定義しているという批判については、納得する部分がある。平等原則違反につき、同法14条1項の後段列挙事由にあたる場合は、より厳格な目的手段審査を要する、という14条における芦部説が根拠をもっていないことと似ている。 ただ9条における解釈については、パリ不戦条約や国連憲章の文言を意識し過ぎた解釈となり、一元的なものになっている。また彼の主張を支える、根幹にある憲法前文は、国際協調主義を掲げたものであるという主張には、前文解釈において、誤読部分があり結果として論理として成り立っていない。また国際法学者の文献からもこの解釈が誤りであることがわかる。 しかしながら、本書並びに、彼の書籍における主張を分析する中で、法学的思考の重要性や新たな視点という発見や再確認する事項も多々ある。したがって本書を読む際には、憲法の教科書と比較しつつ読むべきであり、一般的な憲法学の専門書のみ、本書のみでは、得られるものはないと思う。すくなくともアカデミックなテーマを扱う本書のみで憲法について評価をつけることは、お勧めしない。 ※同じことを繰り返し述べているので、論旨が記述されている部分は、以下の頁を参照。 参考文献 →彼の本を理解する上での文献を一部掲載します。 本書→19,22,24,26,32,53,63,91,92,101,117頁 篠田『ほんとうの憲法』(筑摩書房)→39,42,58,152-154頁 佐藤幸治『憲法1』(成文堂)127頁 芦部信喜『憲法』(有斐閣)54,56-59,67,385頁 長谷部恭男『憲法』(新世社)62頁 愛敬浩二『改憲問題』(筑摩書房)58-59頁 駒村圭吾『プレステップ憲法』(弘文堂)69頁 藤田久一「平和主義と国際貢献-国際法からみた9条改正議論」ジュリスト1289号(2005)89頁など。
国際法学の観点から日本国憲法の特に9条の成立過程を読み解く。その論理は、緻密で説得力がある。しかし、一方的すぎる。 憲法学が東大の学者中心のヒエラルキーで成り立っていることや、宮沢、長谷部、(今をときめく)木村などの見解に論旨不整合ないし不充分な点があることも事実だろう。国際法的視点から現在の憲...続きを読む法学の主流の解釈がおかしいこともよくわかる。しかし、それでも憲法学の大勢が、国際法とは異なり、一切の戦力放棄あるいは集団的自衛権は違憲だが個別的自衛権は合憲という解釈を(無理をしてでも)主張してきた重みが軽視されている。「国際法からみるとこうなんですよ。」というスタンスであったなら、本書は(著者からみれば良識のない)憲法学者にももっと耳を傾けてもらえただろう。 論理的に正しくても人の心は動かせない。議論の在り方を考えさせられもする一冊。
九条を中心とする我が国の憲法解釈が何故、どのように歪んでいったかを明確に解析してくれる。 学者がイデオロギーを持ってはいけないとは思わないが、イデオロギーを正当化するために学説をいじるのは禁じ手だろう。 とはいえ、憲法学者以外にも歴史学者、社会学者など、他国にもそういう似非研究者はあまたいそうだ...続きを読むが。
国際法の立場から見た、日本国憲法。 いかに国内の、んで、憲法畑の先生たちの論が、ガラパゴスなのかと。 利権構造、権威構造がここまで酷いのかと驚いた。 元々日本国憲法は英文で書かれたものを和訳したもの。原文に当たれば、不戦条約とか、国連憲章のコピペであることは一目瞭然で、であれば、それに沿った解釈をす...続きを読むべきではないか。 要は、国際ルールをきちんと守って、国際社会に復帰しますという約束なのだ。 それを変な思い込みに沿って解釈しようとするからおかしくなる。とことんおかしくなる。 目的のための議論。 政治家でもあるまいし。 全部受け入れて良いのかどうかは判らないけど、目的のために変節も厭わない方々だけのことを聞いているのも、また間違いなんだろう。 全般的に得心だが、先の大戦をさらりと日本の侵略という前提で語っているのは。引っ掛かった。ま、米国の作った方の立場から見たらそうなのだろうとは思ったけど。
国際法理をとう概念で、憲法学をぶった切る。って感じ。国際法に照らし合わせてみると、というセリフが多発する。論説の繰り返しが多い文章が説得力と勢いを持たせている。特に宮沢憲法学が嫌いらしい。そればっかり言ってる。歴史観が独特に感じる部分もあるが、新しい憲法学を示してくれた。
東京大学憲法学の解釈体系批判本シリーズ。 めちゃくちゃ面白い。超絶分かりやすい。 憲法学者しばきと相俟って面白さ半端ない。 前半は分かりやすいなあという感じだが、後半は「やめて差し上げろ」という勢い…。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
憲法学の病(新潮新書)
新刊情報をお知らせします。
篠田英朗
フォロー機能について
「新潮新書」の最新刊一覧へ
「社会・政治」無料一覧へ
「社会・政治」ランキングの一覧へ
憲法の正念場
国際紛争を読み解く五つの視座 現代世界の「戦争の構造」
集団的自衛権で日本は守られる なぜ「合憲」なのか
戦争の地政学
はじめての憲法
不安を煽りたい人たち
紛争解決ってなんだろう
平和構築と法の支配 国際平和活動の理論的・機能的分析
「篠田英朗」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲憲法学の病(新潮新書) ページトップヘ