チャック・パラニュークのレビュー一覧

  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    昔見た映画の原作ということで、読んでみた。映画の雰囲気と同じで、治安が悪い男たちの話という感じが面白かった。ただ映画よりも、厭世的な雰囲気をより感じられたところは、映像とは違う良さで、文学もいいなと思った。話の終わり方も好きだが、これが映画と同じかどうか覚えてない事が悔やまれる。
    また、「大英博物館のエルギン・マーブルをハンマーで叩き壊し、モナリザでケツを拭いてやりたい」という表現も、最低な事をしてみたいという欲求を、洒落た?言い回しで表しているので好きだ。

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    2024年05月26日
  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    おれを力いっぱい殴ってくれ、とタイラーは言った。
    事の始まりは、ぼくの慢性不眠症だ。
    ちっぽけな仕事と欲しくもない家具の収集に人生を奪われかけていたからだ。
    ぼくらはファイト・クラブで体を殴り合い、命の痛みを確かめる。
    タイラーは社会に倦んだ男たちを集め、全米に広がる組織はやがて巨大な騒乱計画へと驀進する――
    人が生きることの病いを高らかに哄笑し、アメリカ中を熱狂させた二十世紀最強のカルト・ロマンス。デヴィッド・フィンチャー監督×ブラッド・ピット&エドワード・ノートン主演の映画化以後、創作の原点をパラニューク自らが明かした衝撃の著者あとがきと、アメリカ文学研究者・都甲幸治氏の解説を新規収録。

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    2024年03月26日
  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    ネタバレ

    映画は未見。ていうかよくこれ映画にできたなーどうやって映像化するんだよこれ

    現代人は、みんな心の奥底にタイラー・ダーデンを飼っているのかもしれない
    退屈な日常から引っ張り上げてくれる破天荒なカリスマというみんなの妄想が、実際に表出してしまったら……?
    みんなが「アイツの指令なら仕方ないよねー」って言いながらメチャクチャに暴れるための言い訳にできる存在がいたらどうなる……?
    っていうのが、この物語の本質だと思う

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    2023年12月23日
  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    映画を観てから興味が湧いて。
    序盤は映画を観ていないと読めないかも…と尻込むほど独特な文体だなぁと思った。
    日本語訳だから余計読みにくいのかと思ってたけど、読み進めるにつれ映像作品のようにシチュエーションがパンパン切り替わる文章が面白いし、主人公の脳内のカオス感が味わえて良かった。

    紹介文に「カルトロマンス」と書いていて、映画を観た感じそんなにロマンスがあったか?と思ったが、小説は特に後半が分かりやすくロマンスだった。
    映画だとブラッドピットという美しく、セクシーすぎる人間がタイラーを演じていたのでそっちに気を取られて、タイラーと僕を中心に観てしまっていたんだろうなと気付いた。

    ファイトク

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    2023年10月21日
  • サバイバー〔新版〕

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    とにかく内容が濃い上状況が目まぐるしく移り変わり、飽きる暇がない。
    あることないこと言うメディア、金のために「僕」にたかるケースワーカー、とにかく人の醜さが見れる1冊だった。

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    2023年10月16日
  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    介護施設で働いていると利用者の理不尽な暴力に曝されることがあり、自分も首を締められたことがある。肉体がわりと元気な方だったので苦しかったけども、そのときとても脳内はクリアだった。本書を読んでそのときの澄み渡った感覚は、自分の命が自由で期限のあるものであることを実感したからだと思った。
    本作は慢性不眠症を患う主人公にタイラーという人物が「おれを力いっぱいに殴ってくれ」と頼むところから大きく動きだす。2人の殴り合いはやがてファイト・クラブという互助グループとなり、規模を大きくし全米を揺るがす騒乱計画となっていく。
    主人公は周囲がそうするように学校を卒業し、就職してメディアの勧める品を消費するような

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    2023年10月02日
  • サバイバー〔新版〕

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    2023.06.19
    ちょっと難解。適当に読み進めることはできない。
    この本の凄いのは、書かれたのが20世紀であるということ。9.11よりも前であるということ。
    最近書かれた本と言われても違和感ないくらい未来を見通しているのは凄いと思う。

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    2023年06月19日
  • インヴェンション・オブ・サウンド

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    ネタバレ

    完璧な悲鳴を作り出す音響技師と失踪した娘を追い求める男。2人が交錯する時に世界が大きく崩れ落ちる。恐怖や怒りの感情ですらも消費するために虚構を作り出す現代の資本主義社会の構図が、モチーフとして物語のあちこちにリバーブしている。カミソリのような鋭い描画と、骨を砕くハンマーのような動詞主体の文体が力強く物語っていた。

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    2023年05月29日
  • インヴェンション・オブ・サウンド

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    娘を探し探す男と叫び声専門の音響技師の女。危険すぎる絶叫の演舞 #インヴェンションオブサウンド

    ■きっと読みたくなるレビュー
    この本は凄い、そして危険。

    おそらく次世代以降の価値観や芸術観で、本を読む力がないと理解できない(おそらく私も十分に理解できていない)。起承転結もあるミステリーではあるけど、イメージとしてはもはや純文です。

    本作のスゴイところは、狂気、暴力性がテーマになりつつも、直接的な描写は少ないところ。そして丁寧な説明やプロットで提示してくれず、ただ場面場面や1on1の会話を提示してくる。

    怒りや激情を荒々しく表現するのではなく、もはや狂気は日常となってとり憑かれてしまう。

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    2023年04月28日
  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    自分の人生がまるで欺瞞だと感じても、人を殴ってはいけないし自分を傷つけてはいけない。それらは完全に間違ってる。
    そして、ときには一度どん底まで落ちてみないと分からないこともある。

    中盤から終盤へと差し掛かったあたりの大学中退ボーイとのシーンは、映画にもあったけど、小説で読むと切れ味はさらに格別で、ぐちゃぐちゃになっていく終盤の前で一息をつけるページになっている。
    この数ページのエピソードはあまりにも美しいから、このシーンを読むためだけにでもこの小説を読む価値がある。すでに映画を観た人でも。

    人間扱いされないことに切れたタイラーが、結局形を変えて同じことをしているということは、一応指摘してお

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    2023年04月28日
  • インヴェンション・オブ・サウンド

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    ストーリーが気になってどんどん読み進められました。えげつないシーンがこの後来る…!来るぞー…!と思ってると、サラッと流されたので、意外とさわやかに読めました。読み進めていくと、サラッと流されたのにも理由があって納得。

    後半は風呂敷がどんどん広がっていった印象がありました。個人的には中盤くらいまでが面白く読めました。

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    2023年04月18日
  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    旧訳を読んだのが大分昔なのでうろ覚えだけど、旧訳よりかなり読みやすくなった印象がある。だからと言って文体が綺麗になった訳じゃなく、ゴチャゴチャ感と不安定さはあるので洗練されたという感じ。映画よりも生々しさを感じるのが面白かった。

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    2023年04月16日
  • インヴェンション・オブ・サウンド

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    私の読んだ墓暴き小説の第三位です。ちなみに1位はスティーヴン・キングの『ダーク・ハーフ』、2位はチャド・ハーバックの『守備の極意』です。読んだすぐなので興奮冷めやまない状態ですので、少しおちついてから振り返りたいと思います。

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    2023年04月14日
  • インヴェンション・オブ・サウンド

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    割とエグいことが起きるがそれらはさらっと書かれていてすっきりとした読み心地。相変わらずの短いフレーズの繰り返し、殴り書きのようなテンションにピークではなる。終わり方が割と良いと思った。

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    2023年02月16日
  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    抑圧された社会への反逆。
    誰かが決めたレールを歩み続けることの疑問。
    自己破壊による生への実感。

    ファイトクラブにのめり込む彼らには共感できないまでも、この世の中にどこか息苦しさを感じながら歩んでいる自分自身に突き刺さる要素が多く、かなり衝撃を受けました。また、抑圧された社会への反逆という点で、伊藤計劃「ハーモニー」の要素を強く感じました。ファイトクラブの影響を受けたと言われるのも納得です。

    ただ、文章がかなり読みにくく、いまどの場面で誰が話しているのが分かりづらいのは欠点かも?結末はだいぶ違いますが、映画版がこの小説の映像化作品として非常に良くできているので、そちらを見た上で、保管として

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    2023年01月28日
  • サバイバー〔新版〕

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    ネタバレ

    カルト宗教の最後の生き残りが自身の半生を独白します。
    わずか三分半の差で長男になり損ねたことで、彼は教義により、子を成せず教会の奴隷として労働に一生を捧げ、何者にもなれない、と決めつけられていたはずでした。
    しかし、彼は教会の生き残りになってしまう。
    ケースワーカーとエージェントを得てしまう。
    予言者・ファーティリティと出会ってしまう。

    それは運命か否か。読後に考えさせられます。

    生い立ちは彼自身の選択ではありません。でも、その後の人生は?選択の余地もこれまでの人生からの転換も、十分にあり得たと思います。
    結果として、彼は他者に人生を委ねようとしました。それこそが選択であるにも関わらず。

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    2023年01月19日
  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    ネタバレ

    濃い。
    映画版は視聴済みですが、原作を読んでやっと"カルト的"に支持される理由が理解できた気がします。
    痛みや暴力の描写に濃淡があるなら、本作は原液の濃さでした。
    大量消費の既製品に囲まれ、社会の歯車になって生活する。そうして生の実感が薄れ不眠症を患った主人公が、死を目前にした当事者たちと居るときだけ「自分は生きている」と感じることができる。
    しかし、それは麻薬でした。
    主人公はどんどん先鋭化していき、より強い生の実感を求めてファイト・クラブを創ります。このとき彼は、ファイト・クラブを創りスペース・モンキーを組織したタイラー・ダーデンが自分自身だと気がついていません。
    タイラー・ダーデンは主人

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    2023年01月07日
  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    映画はかなり忠実に作ってあるのね。

    テンポよく読める、映画同様原作も刺激的、「生」を実感しているか?現状に満足か?ビシビシ来る。

    そして作者のあとがきが地味に面白かった、これを読んだ上でまた映画を観直そう。

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    2022年12月28日
  • サバイバー〔新版〕

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    「ファイトクラブ」などの代表作の著者が書いたカルト宗教にまつわる小説。
    ファイトクラブでわかるようにその作風はタブー無しの胸糞悪くなるような内容を含むが、不思議と人を引き付ける。
    この本も同様。

    小説はハイジャック犯の独白から始まる。
    その犯人は自分たちで閉じたコミュニティを形成するカルト宗教で生まれ育ち、生き残った最後の一人だった。

    その宗教ではひたすらの労働のみが美徳とされ、性をふくむあらゆる欲望や快楽は忌み嫌うべきとされていた。
    そしてもう一つ、現世からの「脱出」が実行された場合、宗教に属する者はそれに続かなくてはならない。

    その脱出を実行せず、生き残った主人公は稀有な宗教的存在と

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    2022年08月20日
  • ファイト・クラブ〔新版〕

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    読み終わったあとに壮大な気持ちになる。
    文明化された社会の中で消費するだけの生き方をしていないか、考えさせられる。

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    2022年03月31日