「上昇思考 幸せを感じるために大切なこと」
長友佑都の考え方。
2010年7月にFC東京からセリエAのチェゼーナに移籍し、2011年1月31日にインテルに移籍した長友佑都。FC東京の選手になるまでの経歴は、様々な媒体で語り尽くされているので割愛するが、順風満帆では無かった。
Jリーガーになるまでの苦労とFC東京での経験の全てを一気に放出して、更なる成長へと繋げたのが、チェゼーナからインテルまでの約半年間であると思う。その半年間では巨大な壁にぶつかったはずだが、彼は“上昇思考”を基に乗り切ったのではないだろうか。
本書は、その“上昇思考”をテーマとし、メンタルやポジティブシンキングと言ったスキル、感謝の心や出逢い等の人間としての核に触れている。どれもに、長友佑都の考えが色濃く出ている。
長友佑都の特徴と言えば、コミュニケーション能力の高さだろう。その能力については、よくTVで特集されていたり、本人がどのように外国人とコミュニケーションをとっているかを話している。
実際、インテルで見せたおじぎパフォーマンスやロッカー内での立ち振る舞いからも、彼のコミュニケーション能力の高さが伺えた。この点で言えば、歴代の日本人選手の中で最高だと思う(個人的には、内田篤人もかなり高いと思うが)。
そんな彼が、コミュニケーションについて真面目に語っているのが、第5章だ。共感するのが、過激なバカになっている、と言う彼の意見だ。新しい仲間と打ち解ける為には、バカになるくらい大げさな方が良い。しかし、バカになる為には、心に余裕を持つ事が大切だと。確かに、そうだなと思う。
今季は、長友佑都は厳しいシーズンを過ごしているように思う。今年1月に加入したダンブロージオがチームの戦術に順応し、開幕前にローマから加わったドドが好調な為、昨季の絶対的レギュラーだった長友佑都は、その座を失ったのだ。
ローマの2年間の実績を振り返ると、ドドがここまでやるとは想定外だったが、2人とも長友佑都が勝てない相手では無いと思っている。
日本代表のダイナモの逆襲を期待したい。