佐藤良明のレビュー一覧

  • 英文法を哲学する

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    佐藤先生の、英語愛を感じることができました。
    ひと通り文法が理解できていたり、英語の理解や作文・会話ができる人まで、役に立つ内容だと思いました。
    哲学とありますが、それほどこみ入った議論をしているわけではなく、英語の発想に通底する考え方が紹介されています。
    本書を読みきったことによって、英語を理解する方法が、またひとつ増えました。
    そのように、多層的な理解もできてしまう英文法というものに、ますます興味を覚え、惹かれたのでした。

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    2024年06月10日
  • 精神の生態学へ(上)

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    ベイトソンは難しいという固定観念が強固にあったが、「やさしいベイトソン」を読んで、もしかして読めるかも?と思って、挑戦。

    文庫本になったので、中古の高い本を買わなくても良くなったし。

    上巻の冒頭は、娘との対話を通じて、ベイトソンの思想を伝えつつ、だんだんずれていく感じ、循環する感じもあり、決して、父が娘に伝える〇〇学にはならないところが良い。

    そして、後半はまずは人類学者としての代表的な論考が紹介される。最初の「文化接触と分裂生成」は、ほぼ何を言っているか分からず、やっぱベイトソン苦手と思うのだが、その後の講演や論文、エッセイは思ったより読みやすい。

    現時点は、疑問符がたつ論考もあるの

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    2024年03月18日
  • 精神と自然 生きた世界の認識論

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    全然分からなかった。サイバネティクス認識論、ベイトソンの進化論。最初から迷子になっていたけれど、相反する二つを結びつけようとしているのかなとぼんやり思った。論理階型を上がることはできないとしても学習しなさいと言われているようだ。一つ印象に残ったのは「宗教のためには一種の低脳さが必要条件だと思っていた」p387 いつか彼の思想を少しでも理解できると良いなと思う。

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    2022年05月07日
  • 精神の生態学へ(上)

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    スゴ本で紹介されていたので気になっていたが長期間積読であった。
    難解でなかなか頭に入ってこなかったが、逆に親子の対話の部分は非常に読みやすかった。その中でも、弱い犬が強い犬にお腹を見せて戦いを避けようとする行為は本能のなせることなのか?などは確かに未来の負けを想定しての行動にしか思えない。

    興味のまま様々なことを研究し、それらが互いに関連していってることに気がついたのか、はたまた、あることを研究するとこっちも研究したくなってそれの繰り返しで研究テーマが多岐に渡ったのか、それすらわからなかった。多方面の知識が繋がって何か画期的な改善策や進歩が生まれるのだろう。しかし人間が詰め込める情報量には限

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    2025年09月16日
  • 精神と自然 生きた世界の認識論

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    「生物が世界をどう認識するか」というテーマは、〝情報の流れ“に着目する。

    世界を、その情報の受け取り方とフィードバックの仕組みで理解しようする。

    情報は差異から生まれる!

    ベイトソンは「情報とは、差異を生む差異である」いうが、これはよく分からない。だが、言いたい事は何となく類比できる。例えば網膜は、光の強弱や色の違いという「差異」に反応する。生物は環境をありのままに記録しているのではなく、「変化」や「対比」だけを情報として認識する。

    YouTubeの動画圧縮も、すべてのフレームを保存するのではなく、変化した部分だけ(差分フレーム)を記録する。人間の思い出もそうだ。何か異質な体験をしなけ

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    2025年08月13日
  • 精神と自然 生きた世界の認識論

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    「誰もが学校で習うこと」に代表されるように専門的にならずに易しく説明するのが目的の本だったはずですが、読んでいくうちによく分からなくなってしまいました。いつか再読したいです。

    こういう本を一度読めば内容が理解できるような頭脳が有ればなぁと切に思いました。

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    2025年04月20日
  • 精神の生態学へ(下)

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    下巻となる本書では、いよいよ著者の思考の集大成となる「人間の精神構造のサイバネティクス理論への応用」に取り組む。例のように、お気に入りの一節を記しておく。

    「「情報」という語を簡潔に、「後の時点での出来事に違いを生むあらゆる違い」として定義することができる。」

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    2024年07月31日
  • 精神の生態学へ(中)

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    ネタバレ

    中巻となる本書では、「ダブルバインド」や「学習プロセスについての理論」、「彼の研究成果のサイバネティクス理論への応用」といった重要なテーマを扱う。
    例によってお気に入りの一節を記しておく。

    「「性格」というものは、その人個人が具えているのではなく、その人と他の何か(あるいは誰か)との間で起こる事象に内在するものなのである。」

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    2024年07月31日
  • 精神の生態学へ(上)

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    ネタバレ

    本書シリーズは私の大学生活で最も影響を受けた本の1つである。
    その上巻である本書には、グレゴリー・ベイトソンの主要概念である「分裂生成」、「論理階型・メタメッセージ」などが登場する。印象的な記述が至る所に散りばめられているが、その中でお気に入りの一節を記しておく。

    父 「言語(language)が言葉(words)から成るとい
    う考え自体がナンセンスだ。...。「ただの言葉」
    なんてものはないんだから。」

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    2024年07月31日
  • 英文法を哲学する

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    英語と日本語の文法の違いは初期に学ぶが、本書は各言語の民族的背景にも差し迫り、そのことが英語の腑に落ちない不確かな違和感を棘のあるものから優しいものに変換する優れた効果を発揮する。なんと空間に英語を可視化することまでやってのける。読み進めると哲学がみえてくる。だから哲学と名づけたのか。

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    2022年11月06日
  • 精神と自然 生きた世界の認識論

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    難しい用語を使わずに、多くの人にわかりやすいように書かれていると思う。
    生命のありようは、少数のルールに基づいて命令型プログラムのように記述されているわけではなく、多層的な関係性の連なりによって捉えられるべきものである。細分化してパーツを分析することだけではわからない、ということのようだ。福岡伸一みたいかな。

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    2022年07月09日
  • 精神と自然 生きた世界の認識論

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    精神も生物も物質もそれそのものを見るのでなく、比較したり繋がりに注目したりしないと性質は分からんものよ、ってことが色々書いてある。娘との対話パートでこの本自体もまたそうであることが明かされる。
    文章自体は平易だが、脱線が多く話を何処に持っていきたいのか分からないまま読み進めなくてはいけない箇所が長く、読みづらかった。いっそ全部娘と対話しててほしかった

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    2025年04月20日
  • The Lyrics 1961-1973

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    難解、膨大、訳者によってタイトルは異なるし、解釈も異なり、時代や自身の理解によって姿形を変える。ノーベル文学賞も出るんだか出ないんだか、いるんだかいらないんだか、はっきりしない感じがこの人らしさなのかな、と。
    リアルタイムで聴いていたわけではないし、レコードも一枚も持っていません。最新アルバムの先行シングル『Murder Most Foul』でようやく現在のボブディランに触れた、という感じ。未だに日本語のタイトルをつけられている稀有な存在。
    本書の訳者はピンチョンやレノンの訳者としてメジャーな佐藤良明さん。『Blowin'in the wind』は『風に舞っている』。
    まとめて読んで

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    2021年08月07日