あらすじ
私たちこの世の生き物すべてを,片やアメーバへ,片や統合失調症患者へ結びつけるパターンとは? 日常の思考の前提を問い直し,二重記述,論理階型,散乱選択といった道具立てによって,発生も進化も学習も病理も包み込むマインドの科学を探究したベイトソン(1904-80).そのエコロジカルな認識論の到達点を自ら語った入門書.
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Posted by ブクログ
全然分からなかった。サイバネティクス認識論、ベイトソンの進化論。最初から迷子になっていたけれど、相反する二つを結びつけようとしているのかなとぼんやり思った。論理階型を上がることはできないとしても学習しなさいと言われているようだ。一つ印象に残ったのは「宗教のためには一種の低脳さが必要条件だと思っていた」p387 いつか彼の思想を少しでも理解できると良いなと思う。
Posted by ブクログ
「生物が世界をどう認識するか」というテーマは、〝情報の流れ“に着目する。
世界を、その情報の受け取り方とフィードバックの仕組みで理解しようする。
情報は差異から生まれる!
ベイトソンは「情報とは、差異を生む差異である」いうが、これはよく分からない。だが、言いたい事は何となく類比できる。例えば網膜は、光の強弱や色の違いという「差異」に反応する。生物は環境をありのままに記録しているのではなく、「変化」や「対比」だけを情報として認識する。
YouTubeの動画圧縮も、すべてのフレームを保存するのではなく、変化した部分だけ(差分フレーム)を記録する。人間の思い出もそうだ。何か異質な体験をしなければ、日々の繰り返しは、記憶に残らず消化されていく。
我々に必要なのは〝差異“だ。
それと、論理レイヤーの話。意識志向水準にも近いと思うが〈冗談vs侮辱〉の文脈は、個別の認識により異なる。この認識手段に、歴史認識の違いなども当てはまるだろう。事物が同じでも、認知が異なる。
で、フィードバックと学習だ。これらの差異に対し、「行動→結果→修正」というフィードバックにより行動を調整する。今まで、人間はAIと違い、身体の内受容感覚が認知に作用する生き物だという所までで理解が止まっていたが、ここでは、外界の変化も作用因子となる、相互作用で世界を認識することが〝生きた世界の認識論“というわけだ。
ベイトソンには、分裂生成という概念に対し非常に説得力のある考え方だと思い興味を持ったのだが、思えば分裂生成も外界からの個体への作用、個体との差異を意識した故のものだ。
面白い本。分かりにくさに、差異を得る。
Posted by ブクログ
「誰もが学校で習うこと」に代表されるように専門的にならずに易しく説明するのが目的の本だったはずですが、読んでいくうちによく分からなくなってしまいました。いつか再読したいです。
こういう本を一度読めば内容が理解できるような頭脳が有ればなぁと切に思いました。
Posted by ブクログ
難しい用語を使わずに、多くの人にわかりやすいように書かれていると思う。
生命のありようは、少数のルールに基づいて命令型プログラムのように記述されているわけではなく、多層的な関係性の連なりによって捉えられるべきものである。細分化してパーツを分析することだけではわからない、ということのようだ。福岡伸一みたいかな。