川口俊和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレとある街のとある喫茶店のとある席に座った人が、現実は変えられないと知りながら、過去に戻って人に会い、それぞれの思いを遂げようとする物語。
「コーヒーが冷めないうちに」の続編。
この小説は、親友、親子、恋人、夫婦の4つの物語で、「コーヒーが冷めないうちに」でも当然内容は全く異なるけれども、恋人、夫婦、親子が表題となっている。人間関係の結び付きが強い題材だからだろう。
4つの物語とも、前作同様、涙しながら興味深く読むことが出来たけれど、「恋人」の中で語られた話は新鮮だった。
流産した女性に対して、「もし、このまま、君が不幸になったらその子は70日という命を使って君を不幸にしたことになる。でも -
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Posted by ブクログ
ネタバレこのシリーズにちょっと飽きてきてたけど、少し持ち直した。
ラストの話がよかった。必死に涙をこらえました。
津波は…ほんとにあの映像の衝撃を忘れることはありません。
その場にいなかった、家族も親戚もいなかった私でさえそうなので、当事者の方の気持ちは計り知れません。
自分の反抗期を思い出すと、親の気持ちを思ってとても胸が痛い…。
でも私はその後の時間がたくさんあるので、それを謝ることも出来なかったとしたら……本当に辛いだろうなと思います。
そういう人の後悔がこういう本で薄れるかは分かりませんが、救いになるといいなとは思います。
愛犬の話は………過去に戻る前に、思いつめる前に、旦那がちゃんとそれ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ相手のためを思ってつく嘘に泣けた。
誰かが亡くなってしまった時、自分のせいだとか、こうしておけばよかった、とか後悔が残る人ってたくさんいると思う。
私自身も急に祖父が亡くなってから、自分の行いに対しての後悔がずっと消えずにいた。
この本を読んで、その人が亡くなった意味は、これからの自分の生き方で決められるというメッセージが心に響いた。
これは何か辛い経験全てに言える事だと思った!
辛い経験をプラスにするのも、マイナスにするのも、自分の生き方次第!
コーヒーが冷めないうちにのシリーズは、本が苦手な人でも読みやすい!
そして、カランコロン、という音や、喫茶店の世界観が読んでいてとても落ち着 -
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「コーヒーが冷めないうちに」シリーズの六作目、毎回のように温かみがある作品に仕上がっている中で、今回も「過去」や「未来」に行きたいという思いを持つ人たちとの不思議な交流が描かれている。
話の中にもあるように人が「過去」や「未来」に行きたいと思うほどの「思い」をもつほどの人生の分かれ道というものは「大切な人との別れ」が大きく占められている。後悔した選択をとってしまったからこそ、次は後悔しない選択をとりたい。よくあるタイムリープものにはそのような世界線移動があり、そこでの葛藤などが描かれる。
一方でこの作品は「過去」や「未来」にいっても確定された「事実」を変えることはできないというもの。その「事実 -
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「コーヒーが冷めないうちに」のシリーズも五作目、毎回「過去」や「未来」に時渡りができるが「過去」や「未来」を変えることができないという枠組みに対して、心温まるやりとりが描かれている。
今回は特に「時渡り」をする人たちの思いが今までの中でも強かったと同時にその「時渡り」を受け止める相手の描写も描かれていた話が多くみられ、そうだな「時を渡る思い」もあれば、「時渡りを受け止める思い」もあるのだなと感じた。改めてこの小説が大事にしているのはそういった「思い」を、事実としては無かったことになってしまうかもしれないが、その「思い」を届ける行動、一歩踏み出す勇気、変わらない現実を受け止める心の強さなのだなと -
Posted by ブクログ
「コーヒーが冷めないうちに」シリーズの四作目、過去に戻れると噂される不思議な喫茶店に訪れるのは「過去」に家族や恋人といった「他人」とのやりとりで心の中に後悔が残っている人たち。だがこの喫茶店は「過去に戻る」ことはできても「過去を変える」ことはできない。その中で訪れた人たちは何を思って「過去」に旅立ち、そして何を感じて「今」に戻ってくるのかが毎回丁寧に描写されている。
今回のテーマは「相手の記憶」。過去に戻った人がその人とやり取りをする中で相手にはどのような影響が与えられるのか、ただ「現実を変える」ことはできない。ただ、その中でも過去に戻った人がどんな思いを相手に伝えたいか、そのカタチにならない