川口俊和のレビュー一覧
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シリーズ『コーヒーが冷めないうちに』の続刊です。過去に戻れる――行きたい時間に行ける席のある喫茶店、フニクリフニクラで繰り広げられる、さまざまな人の物語を垣間見る一冊でした。
今作も時間軸はさまざまですが、東京のとある喫茶店フニクリフニクラにやってきたお客は大切な誰かに会うために、非常に面倒くさいルールを飲み込んでその席に座っていきます。
離婚した両親に会いに来た男の子。結婚を許してやれず駆け落ちして音信不通になった娘に会いに行った父親。名前のないわが子を抱いて夫に会いに行った妻。渡せなかったバレンタインのチョコレートを渡したかった女性。
物語の展開は、シリーズ作品が増えた分パターン -
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2017年 本屋さん大賞ノミネート
過去に戻れるとしたら私は誰に会うだろう?今は亡き懐かしい何人かの顔が思い浮かびます。「ごめんね」って言いたかった人や「 ありがとう」って言いたかった人の顔、顔、顔‥。
このお話の喫茶店 フニクリフニクラ はコーヒーが冷める間だけ 過去に戻れるという不思議なお店。でも過去に戻ってどんなに努力をしても現実は変えられないというルールがあります。その他にも面倒なルールがあります。そこがこのストーリーを真実味のある話として際立たせています。
過去に戻りたいと望む人は、過去に強い後悔があった人。後悔先に立たずと言うけど、その後悔にさいなまれている4人の人々が、この喫茶 -
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ネタバレ「コーヒーがさめないうちに」第四弾。「大事なことを伝えていなかった夫の話」は自由奔放でほとんどうちに帰ってこない夫とそれを許す妻の話の設定がありえない。「愛犬にさよならが言えなかった女の話」は犬を飼っていたせいか胸が苦しくなった。「プロポーズの返事ができなかった話」はほんとの気持ちにきづけなかったことがつらかった。「父を追い返してしまった娘の話」は一番心にぐさっときた。改めて大事な人と別れる時はけんかにならないように笑顔でいようと思った。後悔はしたくない。こういう喫茶店があれば一度きりのチャンス、わたしはどこに戻ろうと思うだろうか。
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購入済み
時間
限りある時間の中で全力で生きる。
今度こそ後悔しないように。
逃げたり,強がったりしないように。
恥ずかしがっている暇はない。
過去も現実も変えられないけれど,自分の心を変えるために。 -
購入済み
コーヒーが冷めないうちに?
タイトルに惹かれ読もうと思っていたが、読まずに数カ月。機上で喫茶フニクリフニクラなるタイトルの映画があった。
観るにつれて感動が比例していき、中年男性が一人泣き鼻をかんでしまい少し恥ずかしかった。海外に到着するなり、本書を購入し吸い込まれる様に読んだ。
映画と小説では設定は異なる場面があったが、アウトラインは一緒であり、帰国時の機上でも再度視聴してしまった。
本小説は、我々の願望であるタイムトラベルを感動を混ぜながら、人生を豊かにする物語である。
娯楽小説であり感動小説であり、最近感動した小説の一つである -
購入済み
川口パーフェクトワールド炸裂
2作目読了時に必ず3作目があると確信していたが、やはり来た。舞台を観に行った時に感じた川口俊和氏のパーフェクトワールドが3度小説に降臨した。しかも2作目までは正統派の豪速球、3作目はサイドスローのスーパー変化球で仕留められた感。想像していた3作目の遥か横からやって来た。素晴らしい裏切りに感激し、そして一話目から涙腺全開でした。
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Posted by ブクログ
どんなに後悔していても、どんな状況であっても、過去に戻ったところで起きた現実は変わらないし、変えることもできない。
喫茶店フニクリフニクラの、鉄の掟のひとつとも言えるこのルールは残酷ではあるけれども、今こうして毎年を生きる私たちに対しても言えること。人生で後悔することなんて数えきれないほど経験するけど、このシリーズを読んだことによって、少しでも今後の人生で後悔することを最小限に抑えられるよう、生きていきたいとより痛感しました。
そして、コーヒーが冷めないうちにシリーズとしては今作がラストなのかな?それにしては、あまりにも残された謎が多いと思うのは気のせい?数と刻とのその後の関係、流の母の存在e