川合伸幸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
書いてあるバイアスの例自体はわかりやすいし、研究の出典もあり、役に立つ本ではあるが。
著者が、「推定」と「決めつけ」の区別がついてない。
「電車の中で態度が悪いスーツ姿のおじさんを見て『会社でもハラスメントしてそう』などと思うのは決めつけであり、根拠がない」ということが書いてあるが(P23)、「してそうだなぁ」と推定することは決めつけではない。たとえばそのおじさんが、自分の会社の気配りが必要なポジションに中途採用で応募してきていたとしたら、それを理由に落とすのは適切である。
ほかにも、「あなたが営業職だとして、初対面の人に『営業マンっぼい!』といわれたら、それは営業マンのイメージの押し付けだ」ということも書いてある(P27)が、実際営業マンのイメージというものは存在するし、そのイメージに近いというのは間違っていない(初対面でそれを言及すること自体は時に失礼かもしれないが)。
この著者の言う通りだとすれば、人間関係におけるすべての推論はNGということになり、それは知性の欠如でしかない。
大事なのは、バイアスがあることを自覚し、そのバイアスの正確性を検討し、そのバイアスを適切に使うことだと思うが、「あれもダメ!これもダメ!」で否定ばかり、「じゃあどうするの?」がない。
合理性や論理性がこの本のひとつのテーマだと思われるが、その点合理的でも論理的でもない。極論続きで心配になる。