川合伸幸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【1行説明】
怒りのメカニズムを元に、自分や他人が怒りを覚えたときのヒントを紹介している。
【趣旨】
人類が誰でも持つ感情である「怒り」について、様々な実験や検証の結果を引用しつつ、そのメカニズムや対処法を紹介している本。
【引用文3つ】
①「悪い謝罪」には次の4つの要素の幾つかが含まれています -正当化・逆ギレ・弁解・矮小化
②インターネット上で謝罪圧力が強い理由(中略)おそらく、「バンドワゴン効果」が作用しているのだと考えられます。バンドワゴン効果は、経済学や社会学でも良く用いられる言葉ですが、ある選択が多数に受け入れられている、流行しているという情報が流れると、その選択への指示が -
Posted by ブクログ
怒りと謝罪を科学の観点から書いていて納得出来る事が多かった。
怒り
怒りと恐怖は似ている
怒りは接近、恐怖は離れようとする心理
怒り=不快+攻撃性
接近=左前頭部の脳波の活動高い
第三者の目線は、怒りを抑制させる
関係修復
被害者は、謝罪より補償を求める
強く当たらない事、存在を認めて欲しい
謝罪
自分の大切な人やモノを考える事で、建設的な謝罪につながる
怒りの抑え方
紙に書き出す事や祈る事で怒りのエネルギーは収まる方向に進む
仕返しと罰
罰するのら復讐の神経基盤が満足感を得るから
それでも被害者は罰よりも補償を求める
第三者の立場になると罰を好む、これは正義を通そうとする。
仕 -
Posted by ブクログ
タイトルはインパクトが強すぎるが、編集者の意向ということらしい。サブタイトルは著者のようである。
前半は科学の話。怒りをこらえられない理由を科学的に解明していく。ただし、解明されていないこととの区別は科学者らしく線引きされている。
後半はどちらかというと筆者のこうあって欲しいという願望が書かれている。
でも、今後科学的に調査するのであれば、筆者の書いたことが正しいかを検証する道筋をつけたという風にとらえることができると思う。分野の違う犯罪の分析まで踏み込んでいるが、物足りないのは仕方がないか。
今後の調査研究でもう少し解明されると思うが、前半部分だけでも十分参考になる本だと言えます。 -
Posted by ブクログ
善か悪か。
私たち人間が行ってきた所業を考えるとき、しばしばこのような言葉が使われる。
光と闇。
罪と罰。
人の本性は何なのか。
本書ではこの難しい問いを考えるものである。
第2章ではマイケル・サンデル教授の問を引用し、私たちがどれほど合理的に生きて「いない」かを明らかにする。
「何となくよくない感じ」を頼りにしているからこそ「人間らしい」のであり、これが欠如していると他者に対する共感力が低いとみなされ、「人間らしさ」を感じないようだ。
私は合理的な人間だから、なんて言葉がどれほど合理的でないか、この矛盾が人間らしいのかもしれない。
闘争遺伝子というものがあるからこの人は暴力的なのだ、と単 -
Posted by ブクログ
一言結論:とにかく人間はこんなにバイアスに囲まれているんだ、と突き付けてくれる本です。最後の章でバイアスへの対策が含まれているのが素晴らしい。
感想:はじめにで書かれている通りバイアスの種類は100種類以上もあり、私たちは本当の意味で合理的、論理的な判断を下している訳ではありません。むしろ、意識してそうしようとしても不可能です。ある意味人間らしさとも言えるそうした不合理な傾向を知りどう付き合うか、それがよく理解できる本だと思いました。
この本は意思決定や認知の過程を厳密に論じているわけではないので、それが気になる人にとっては「ただそれらしいものをライトに羅列しただけの眉唾もの」と映るかもし