緒方貞子のレビュー一覧
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私の仕事
国連難民高等弁務官の10年と平和の構築
著:緒方 貞子
朝日文庫 お 79-1
どろどろとした混迷の現場に踏み込む緒方の姿に感銘を受けました
難民援助の現場から復興支援の現場へ一直線に進むことになった緒方の歩みを示したもの
国家が権力によって、領土を完全に保全し、国民の生命の安全を完全に保護できる時代は終わったということである
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、1950年に東西対立の悪化する国際情勢のなかで、共産圏から逃げてくるヨーロッパの難民を保護支援するという目的で開設された組織である
緒方が任期中に難民縁者の従来の枠を超えなくてはならないと決断した時は、大きく -
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緒方貞子さんのインタビュー形式の本。難民支援では命を助けて生きてもらうことを最優先に考えて、規則に文字通りに捉われずに根本の意味を考えて行動できることはすごいと思った。JICAの復興支援は、動きが遅いというのも印象的で、難民支援は目の前のことに対処しなければ亡くなってしまうと思って行動していた緒方貞子さんだからこその意見だと思った。復興支援は国づくりだから長期的視野は不可欠でじっくり考えることも必要だけど、今大変な人を少しでも早く救えるように行動していくことも確かに大切だと思った。先を読むのは今の社会では難しいけど、先を読んで行動しないといけないというのも印象に残った。先を読んで方向性を示して
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信念に生きた強い人。このような人に国を率いて欲しいと思う反面、自分も決断の場面で少しでも緒方さんのように振る舞えるようになりたい。講演などで直接話を聞いてみたかった。
以下、覚えておきたいフレーズの備忘録。
「ものを決める時は迷う。しかし、悩み続けるハムレットではだめで、決断する時は一瞬の度胸だ。」
「体系的に理解するというのは、答えを持っているということではなく、何が問題なのか質問ができる、ということではないでしょうか。」
「言葉や約束だけではなく、行動こそがアフガニスタンの運命を決定するのです。」
「人間は仕事を通して成長していかなければなりません。その鍵となるのは好奇心です。常に -
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20年前の世界線の本。世界の難民問題について概要を知ることができた。緒方さんの忙中日記のパートはかなり具体的な内容で、あまり業界知識の乏しい私にはイメージがわかなかったので飛ばし読みしました。時系列が行ったり来たりする構成なので、例えば特定地域の難民問題を集中的に学習したい場合は、自分で個別に調べたほうが良い気がします。1990年代の難民問題のポイントや課題認識を学ぶことはできました。この本を読んだ後に動画で個別の地域の歴史などを見るとよく理解できました。
この本は、難民問題の教科書ではなく、あくまでも緒方さんの回顧録的な位置付けの本なので、一職業人としての視座や流儀に触れることができたし、 -
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ネタバレ人から、読み終わったから、と、もらった本。
総論として、前半は微妙だったけど、後半は人となりが知れて面白かった。
彼女のUNHCRでの困難な決断三つ。本書の前半は、ひたすらこの三つが核になっている感じで、今はこの当時の「急増」と言っている規模よりも難民の増大は半端ないので、ややコンテクストが古い感じ。過去こうだったのね、トップはこういう生活なのね、という感覚で読む。
三つ。
イラク国内におけるクルド難民救済 国内避難民を保護することとなり大議論。 p.13
サラエボで、軍との協力による物資空輸を開始。停戦合意のない戦闘状態のなかで人道援助を行ったはじめての経験。従来のICRCの仕事。