緒方貞子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
#共に生きるということ be humane
#緒方貞子
#PHP研究所
#読書記録
国際的な組織のトップとなり難民を守る仕事を果たしてきた緒方貞子さんのインタビューが書籍化。10年以上前の本だが大変勉強になる。以下、印象に残ったこと。スピード感が大事な仕事とゆっくり時間をかける仕事を両方大事にする。いつも先を読む目を養う。自分だけが、自分の国だけがいい思いをするのでは意味がない。情報化が進んだ今、国際理解は個人レベルがとても大事。
国際的な組織でも、地域や家族といった小さな集団でも、きっと真理は同じなんだろうなぁと思った。
#LivingTogether
#SadakoOgata
#PHPInstitute
#ReadingLog
This book compiles interviews with Sadako Ogata, who served as the head of an international organization and dedicated herself to protecting refugees. Although published over a decade ago, it offers valuable insights. Here are some points that left a lasting impression: It is important to value both tasks that require speed and those that require taking one's time. Cultivate the ability to look ahead and anticipate what is coming. There is no point in only oneself or one's own country benefiting. In today's information-driven world, international understanding at the individual level is crucial.
It struck me that the fundamental truths likely remain the same, whether in an international organization or within smaller groups like local communities and families. -
Posted by ブクログ
私の仕事
国連難民高等弁務官の10年と平和の構築
著:緒方 貞子
朝日文庫 お 79-1
どろどろとした混迷の現場に踏み込む緒方の姿に感銘を受けました
難民援助の現場から復興支援の現場へ一直線に進むことになった緒方の歩みを示したもの
国家が権力によって、領土を完全に保全し、国民の生命の安全を完全に保護できる時代は終わったということである
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、1950年に東西対立の悪化する国際情勢のなかで、共産圏から逃げてくるヨーロッパの難民を保護支援するという目的で開設された組織である
緒方が任期中に難民縁者の従来の枠を超えなくてはならないと決断した時は、大きく3つ
①1992年クルド難民救済における、イラクへの人道的介入
②1992年サラエボで軍との協力による物資空輸を開始したこと
~停戦合意のない戦闘状態のなかで人道援助をおこなったこと
③1994年ルワンダ難民のなかに、集団虐殺に関与した武装兵士や軍人、民兵が紛れ込み、彼らと難民をどのように区別するかという問題が生じた時
緒方の判断 現場に応じて、一番役に立つ方法は何かを問うということ
役に立つとは、最後の点にて、人の使命を助けるということである
つまり、生きていてさえすれば、彼らには、次のチャンスが与えられるということである
貧困そのものが問題ではなく、ひとつの国内でつねにある特定の社会層が貧困であることが紛争の火種になる
ということである、こういう火種は兵器で解決することはできない
また、UNHCRが難民問題を解決することはできない
それは政治の領域であった、UNHCRは難民を援助すること
難民問題を解決するためには、紛争当時国の政治的な問題解決をまたなければならないのである
気になったのは、以下です
■ジュネーブ忙中日記
・BASICなところで、語学の達人
・とにかく多忙、移動、移動、そして、多くの人との会合、どうやってアポをとっているのか、そして
会議の準備や、結果などはどうしているのかとの疑問
・要人の打ち合わせが、次々にはいってくる ⇒プロトコールを含めて、それをこなしていることは、
事務の達人というよりも、その時々に要人と適切な会話ができること自体すごい
・UNHCRのトップとしての組織のリーダシップ
・それってどこなの、見慣れない地名のオンパレード、国と国との関係性、国際政治の常識が
しょせん、できる範囲で、無理をせず、やれるだけやるとの結論 ⇒ 無理をたくさんしているように見える
■国連難民高等弁務官の十年
・クルド問題 トルコの受け入れについては、もともと、国内問題として、トルコはクルド問題を抱えていた
・民族主義の高揚による国家の崩壊は、新たな難民問題の発生をもたらすものとして多くの危険をはらんでいる
・自国内にある難民に対し、国際社会が保護・救済を与えることは理論的にも、現実的にも、極めてむずかしい
それは国家主権の壁に直面するからである
・人道的介入権:国際社会は国内で難民化した人々に対し、国家主権の壁を越えて人道援助を強要する権利を有する、という主張である
・ユーゴの解体過程は、激しい戦闘と、民族浄化として知られる民族的相克のため、国連やECによる停戦・和平調停は容易に成果を上げることができなかった
・UNHCRは難民の命を救い、彼らの苦しみを和らげることに多少役立つことはできる。だが、紛争を解決することはできない
■難民援助の仕事を語る
・難民を規定しているのは、
①難民の地位に関する条約
②国連難民高等弁務官事務所規定
③アフリカ統一機構のアフリカ統一機構難民条約
・難民問題を体系的に理解するというのは、答えをもっていることではなく、何が問題なのかを質問できるということではないでしょうか
研究者の仕事は常に問題を提起し、その答えを見つけて行こうとすることだからです
・人道援助というのは、紛争あるいは戦争の中で、犠牲者である人々に対して保護と救済を与えるということだと思います
・私どもが苦労するのは、今の戦争の多くが国内で起こる紛争だということです
内紛の場合はとくに、和平が成立しても、条約で決められた条件をすんなりと実施できない場合があります
■外交演説・講演
・日本政府主導の「人間の安全保障委員会」
①委員会は、人々の安全保障に焦点をあてます。すなわち、人々が中心なのです
②人間の安全保障の脅威に対して、保護、能力開発の2つから取り組みます
国家建設のために、能力育成が最優先させられなければならないのです
■世界へ出ていく若者たちへ
・人間は仕事を通じて成長していかなければなりません
その鍵となるのは好奇心です
常に問題を求め、積極的に疑問を出していく心と頭が必要なのです
・私が心がけているのは、現場事務所の裁量をふやすことです
任せられる裁量の大きさが仕事への動機づけとなるからです
・コンセンサスというのは、自然に形成されるものではなく、強力なリーダシップが引っ張って初めて、形になるものです
・私は高等弁務官に就任するにあたって、日本には、人道大国になってもらいたい、という期待を表明しました
いま、キーワードは、ソリダリティ(連帯)だと思っています
遠い国の人々に対して、連帯感が持てるかどうかが鍵です
(結論)
若い世代に申し上げたいことは、国際社会で言葉はとても大切だということです
しっかりした言語能力がなければ、実のある活動はできません
自分の意思を伝えたり、用を足す手段としてだけに考えず、相手の文化を学ぶ材料だととらえるべきです
言語とは文化であることを自覚して学び、使うことが必要です
言語を通じて開ける新しい世界、ひとつの文化、別の価値体系との遭遇が、遠い国の人々に対して連帯感を持つことにつながります
目次
難民救済と人間の安全保障―はじめに
1 ジュネーブ忙中日記
2 国連難民高等弁務官の十年
3 難民援助の仕事を語る
4 外交演説・講演―平和の構築へ
5 世界へ出ていく若者たちへ
初出一覧
解説 石合 力
ISBN:9784022619013
出版社:朝日新聞出版
判型:文庫
ページ数:400ページ
定価:860円(本体)
2017年05月30日第1刷発行
2019年11月30日第2刷発行 -
Posted by ブクログ
緒方貞子さんのインタビュー形式の本。難民支援では命を助けて生きてもらうことを最優先に考えて、規則に文字通りに捉われずに根本の意味を考えて行動できることはすごいと思った。JICAの復興支援は、動きが遅いというのも印象的で、難民支援は目の前のことに対処しなければ亡くなってしまうと思って行動していた緒方貞子さんだからこその意見だと思った。復興支援は国づくりだから長期的視野は不可欠でじっくり考えることも必要だけど、今大変な人を少しでも早く救えるように行動していくことも確かに大切だと思った。先を読むのは今の社会では難しいけど、先を読んで行動しないといけないというのも印象に残った。先を読んで方向性を示して、みんなで取り組んでいくこが大事だと覚えておきたい。
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Posted by ブクログ
信念に生きた強い人。このような人に国を率いて欲しいと思う反面、自分も決断の場面で少しでも緒方さんのように振る舞えるようになりたい。講演などで直接話を聞いてみたかった。
以下、覚えておきたいフレーズの備忘録。
「ものを決める時は迷う。しかし、悩み続けるハムレットではだめで、決断する時は一瞬の度胸だ。」
「体系的に理解するというのは、答えを持っているということではなく、何が問題なのか質問ができる、ということではないでしょうか。」
「言葉や約束だけではなく、行動こそがアフガニスタンの運命を決定するのです。」
「人間は仕事を通して成長していかなければなりません。その鍵となるのは好奇心です。常に問題を求め、積極的に疑問を出していく心と頭が必要なのです。」
「日本人は答えはきっちりと出すが、問題を出してこないという欠点があるように思われます。」
「私は、国の内外を問わず、自分で歩いてみることを、若い世代にすすめます。」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み切ったが、一度読んだだけで理解出来る情報量ではない
だが満州事変をほとんど知らない状態で読んだことを考えると、かなり分かりやすい内容だと感じた
単純に何が起こったか、というよりも、その時代背景や諸外国の動き、民意、軍隊、政府などが当時どう考えていたかなどが非常に生々しく描かれている
この当時から中央が関東軍を制御できていない点、若者たちの暴走、しかも「具体的な解決策もなく、ただ突っ走るだけ(あいつが悪いと決めて暗殺する)」である。だが、民意はそれを支援していく。今を否定したいがためにやがて軍も当初の思いから変化していく。当初は民主的な内容だったが、帝国主義の勢いは止まらず、戦線は拡大していく。。どこに向かっているかを見通せていたとは思えない
思えば日露戦争では諸外国の駆け引きをしながら進めたが、この満州事変はどちらかというと「追い詰められた状態」からのスタートである。色々と条件が異なるが、それにしても出口がみえない
連盟脱退にしても、脱退を決めたというよりも、脱退になった、という「流れに任せた」感がある。その無責任な対応は、今後日本が「空気」に任せて迷走を続ける、まさにスタートラインだったように思える -
Posted by ブクログ
緒方貞子 「満州事変」満州事変の歴史的、政治的な背景を検証した本。列国や国際連盟に挑戦し 大陸に進出した第一歩が 満州事変 という論調。
満州事変を契機として、日本が 国際均衡から 自主外交へ 転換し、アジア膨張主義に拡張したことを 日本政府、軍中央部、関東軍、在満日本人、満州人民、中国政府、列国などのパワーバランスの変化により説明している
「満州事変は 権威に対する反抗である」
権威を秩序に近い意味で使っている。権威(国際秩序や中央政府による政策の安定性)を守るために ガバナンスが必要というのが 著者の結論だと思う。
本の主題=満州事変をめぐる政策決定プロセス
*満州事変の政策決定の特色=権威に対する反抗
*政策決定者は 常に 関東軍〜軍中央部を同調させた
*満州国の独立=関東軍の独立→軍中央部への反発
満州進出を主張した人々の心理
*列国や中国を怖れた明治の国家主義者たちと異なる
*2度の戦争に勝利し、中国を敗北国家として見ている
*西欧列国に挑戦し、満州での自主外交を進めた
中国との関係性=大アジア主義
*西欧からアジアを守るために 中国との協力が不可欠と考えた
*日本の近代化が急速に進み、国力が増大したことにより、日本は 自国の膨張の場として中国大陸へ進んだ
*中国のナショナリズムが反日に進み、大アジア主義は矛盾
満州事変後の日本の外交
*大陸への膨張と列国との協調の間の均衡が失われた
*大陸への膨張=満州における日本権益の維持と拡張→列国の監視に抵抗しながら
*満州国の承認→満州進出を優先→中国、列国、国際連盟との関係を後回しにした
満州国の建設
*関東軍が日本政府、軍中央部の反対を無視して建設
*大アジア主義→民族協和思想→在満日本人が安住するための防衛的構想
日本政府、軍中央部
*満州国の建設に反対→満州=中国政府主権下にある地方政権→列国の承認を得るため
*満州事変中に 弊原外相のもと 満州国支持へ転換→国際協調を損なっても満州進出を優先
列国、国際連盟
*日本の満州進出に対して 武力干渉せず=名目上の反対と実質上の反対に差がある
*満州事変以降に日本の膨張主義は加速化→国際社会の違法行為に対して 国際連盟は毅然とした態度を採るべきだった