松井博のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【読み易さ】
やや易しい
【気付き】
★★★・・
【ハマり】
★★★★・
【共感度】
★★★★★
「仕組みを作る側」と「仕組みに組み込まれる側」という構造は、
産業革命時代のブルジョワジーとプロレタリアを思わせる。
当時の隔ては資本を持つ者と持たざる者であったが、
今の時代の隔ては専門知識や創造性を持ち合わせているかどうか。
標準化できてしまうような単純な仕事の重要度は今後さらに下がり続け、
コスト削減の為に作業者は、人件費の安い海外拠点やロボットに置換えられていく。
今後の社会でも価値を持つのは、標準化する事が難しい、
高いコミュニケーションスキル、専門的知識、創造性なのだと思う。 -
Posted by ブクログ
Apple、Google、マクドナルド、エクソンモービルなどのグローバル企業によるビジネスの実態の紹介と、おそらくそれらの企業の影響力が加速度的に増していくこれからの世の中についての考察。著者はAppleのシニアマネージャーを務めたお方。
グローバル企業がいかに“世界を制圧”していくか。それは本社に務めるごく僅かな有能人物によってつくられる『仕組み』による。どの企業も作業を外部委託し、コストを極限まで押さえ、いかに素早く大量の商品を市場に出し、“消費者を餌付け”させる。そしてこれらの企業はほぼ例外なくロビー活動に熱心で、多額の金額を費やして、自社に不利となる法案の成立をブロックさせる。(日本の企業の場合は、政治力を持つ人物を天下りさせることで、会社に政治力を持たせる。)こういった事態は良く目にするし、特段驚く事はない。
しかし目に留まったのは、主にアメリカの畜産の工業化と、それにともなう害についての記述。低コストで大量の豚や鳥の“食肉”を生産するために、抗生物質やビタミン剤の注入など、あらゆる人工的手段で育てる。それはあくまで、“質”より“量”が重視され、とにかく工業製品のように造られる。また、牛に至っては糞尿に溢れた劣悪な環境で育てられ、O-157などの病原体を含む危険さえあるという。
グローバル企業は“良い(とされる)商品やサービスを、低価格で、正解中に提供”するが、その背景には、安価で劣悪な環境で働く大多数の人々の存在によって成り立っている。とりわけ、アメリカの食品関係のあまりの工業化、人工的な生産の仕組みは、食品と言う毎日口にする分野なだけに恐ろしさを感じた。そして、もしTPPにより、アメリカの食品がより日本に入ってくるようになると思うと、これは末恐ろしい事になると思った。
こうした恐ろしい一面があるながらも、グローバル企業の躍進はとどまる事はない。何故ならもはや政府をも上回る潤沢な資金を持っており、グローバル企業が国をも操っているから。そういう点も踏まえ、著者はグローバル企業=私設帝国としている。
では、こうした世の中でどう生きて行くか。やや駆け足でまとめられているが、要は「グローバル企業と上手く付き合い」、その中で「自分の頭で考えて」生きて行くのである、と。その中で具体的に必要な能力として挙げられるのは、語学力、アート力など。
いかに「余人を持って替え難い人物」となって行くか。その点を忘れずに生きて行く必要があると思った。 -
Posted by ブクログ
iPod、Google検索など、私たちの生活において必要不可欠になっているサービスはかなり存在する。これらのサービスを提供する企業の勢いは留まることを知らず「帝国」化しつつある。帝国化した企業に携わる従業員は仕組みを作る者と作業するだけの者の二極化が進んでおり、中間層が少なくなっている。特に中国など低賃金で働かさせられる者の待遇は非常に悪い。帝国はロビー活動や国家機関へOBを送り込むことで国より力を持ち、帝国の活動を邪魔する者を排除しているケースもある。日本に目を向けると、人口が減少していくためビジネスチャンスは減少傾向にある。また、インターネット上にある情報は英語、中国語がそれぞれ25%程度ある一方、日本語の情報は4%程度だという。パイが少ない分内容も稚拙なものが多い。さらに、より低賃金で雇うことができる他国の人々に仕事を奪われてしまう。今こそ日本人が世界を舞台に戦っていかなくては行けない時期なのである。
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Posted by ブクログ
ネタバレアップルのどん底とiPhoneを生み出すまでに成長した栄光時代
のその両方についてアップル社内の視点から、アップルで16年間
働いた作者が語っている。
また外資系のシビアな評価制度の仕組みや
平社員からトップまで責任の所在が明確かつ説明責任が
常に問われる社内、日々さまざまな国や人種の人と競争に
晒されているアップル社員の現実が書かれている。
日本企業は現在のところ、日本語と終身雇用制、団体責任の考え方
によって、これほどの競争にはまだ晒されていないが、
この先日本企業が生き延びていくために、いずれは
このような外資系企業のような形になっていくと思われる。
その時に対応できるよう、私たちがこれからどのようなことを
意識しながら仕事に取り組むべきかを考えさせてくれる。
自分を追い込むことによってすぐに目の前の仕事に取り組む方法
会社の近くに住むことによって時間を捻出する、
早起きして生活のリズムを作るなど、
この激動の時代を生きていくために何から始めたら良いか
具体的な方法が示されていて参考になる。