国広正人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本ホラー小説大賞、角川ホラー文庫の歴史を彩る名作たちがまとめて読める短編ホラーアンソロジー。
日本ホラー小説大賞30周年記念、受賞作がまとめて読めるホラーアンソロジーです。
既読の作品は曽根圭介『鼻』のみで、ほぼ初読みでした。
どれも面白かったですが、個人的に気に入った作品をいくつか。
まずは田辺青蛙『生き屏風』。屏風に取り憑いた奥方の相手を頼まれる妖鬼の話。全く怖くはないです。怖くはないですが、緩やかに共存する人と妖のいる世界観や、奥方の気高さ、妖気と奥方の友情など、心温まる素敵な話。
朱雀門出『寅淡語会録』は、町会館で見つけた地域の古い怪異が載った本から始まる話。御当地怪談、因習、民俗学など色々考えながら楽しめておもしろいです。完全オリジナルなのか、アイデア元の怪異があるのか分からないですが、語られる怪異もあまり聞いたことがなく、かつ本当にどこかに伝わってきそうなリアリティがあり興味深い。
吉岡暁『サンマイ崩れ』。精神科の病院を抜け出してボランティアに行く「僕」の話。
オチに意外性があり良かったです。心を病んだ「僕」の、常に追い詰められているような語り口も、息苦しさがあって良い。
ワタナベさんいい人。 -
Posted by ブクログ
ネタバレホラー小説大賞の集成1は、私には合わなかったため、期待せず読んだ。(1と2同時に買ってしまったので)
でも、こちらの本はおもしろかった。「サンマイ崩れ」と「鼻」は、オチに驚いた。「トンコ」は、オチが切なかった。「生き屏風」はオチにほっこりした。「寅淡語怪録」は謎が多かった。(でもおもしろかったと思う)「穴らしきものに入る」はオチに笑った。
■サンマイ崩れ 吉岡 暁
→ワタナベさーーん!!なんて素敵なご老人なんだ。元々いい人だったんだろうね。
たまたま出会った「僕」のために、川を渡ってくれたんだ。てっきり、「僕」に悪霊か何かでもついているのかと思った。
自殺未遂直後の記憶が全くなかったこと。ボランティアに来たと言ったのに、警察も役場の人も、何も言わなかったこと。アキやんは、ワタナベさんをあやしい、気をつけろと言うばかりで、僕には何も悪態をつかなかったこと。いつもは出る病気の症状が、何故かワタナベさん相手には出なかったこと。
正直、文字も多いし、精神病を患っている「僕」
視点では、読むのに苦労した。早く読み終わりたいと思いながら、1週間くらいかけて読んだ。
でも、オチがすっごくよかった!!!!ワタナベさんの優しさに心打たれた。
わざわざ病院を抜け出してボランティアに来た「僕」も、優しい人だったのかな?
■鼻 曽根圭介
→どっちもどっちだね。通り魔が、ヒビノを襲わなかったら、こんなことにはならなかったのか?
救国青年団の制服=私立の高校の制服?
厨二病かよ〜。
ヒビノといっしょにいた女は誰なんだ?それも自分の想像?
どれが妄想でどれが真実なんだ!?
■トンコ 雀野日名子
→トンコは人間から逃げているわけではなく、きょうだいたちの声がするほうへ移動している。
豚は自分が食べられることに気づいているのかな。生姜焼きを見て、自分のきょうだいだって分かるのかな。
場長が、トンコのかつてのきょうだいだった生姜焼きを丁寧に扱う様子はよかった。
この話に出てくる人間はなんか嫌な感じ。公園でジャーキー(トンコのきょうだいだった)を巡って喧嘩した飼い主とか、豚を見たと子どもに報告されただけで、子どもが襲われそうになったと保健所にクレームいれる母親とか、なんか醜いと思った。
トンコは、きょうだいたちの思い出がたくさんあり、きょうだいたちを求めて移動する様子が切ない。
■生き屏風 田辺青蛙
→正直、ホラー小説か?と思った。怖い要素は何一つなかったような気がする。登場人物が、鬼と屏風に憑いた幽霊だから、一応ホラーなのかな?
最後は、ふたりいっしょになってよかった!友情だね!
■寅淡語怪録 朱雀門 出
→謎が残る。主人公は、本に選ばれたってことなのかな?
結局、ぼうがんこぞうって何なの!?死体生け花の煉瓦屋敷とは!?
世の中のどこかにありそうな話ではあるけど、謎が多すぎる。。
■穴らしきものに入る 国広正人
→笑って読んだ。主人公の穴への執着には脱帽。他にはどんな穴に入れるんだろう。
酸素ボンベは爆発するのかな?家が火事になったりする?主人公の遺体はコンセントサイズのままなのか?保険金は下りる?
そもそもこれはホラー小説なの?主人公が穴ライフを満喫する姿はなんだか微笑ましかった。 -
Posted by ブクログ
【サンマイ崩れ】
主人公が鬱病やパニック障害を患っているのだが自身の病症を冷静に捉え分析しているため心理描写がそこまで重苦しくのしかかる感じではない。
キーマンとなるワタナベさん、田舎のヤンチャな若者っぽさもありつつ消防団の仕事はそつなくこなすアキやんとまっちゃんなど脇役にもリアリティを感じられて面白かった。
【鼻】
エピソードが入り組んでいる割には収束感が物足りなく、オチも少し弱いかな?と感じた。悲惨なディストピアは幻なのかもしれないが、後味の悪さはきちんと残るホラーだった。
【トンコ】
ホラー要素はほぼないけれど、ブタ視点の世界の見え方に哀切を覚える。
【生き屏風】
心温まる伝奇ファンタジー。あまり興味のないジャンルだったが、主人公の妖鬼と屏風に住まう死霊の奥方が対話を通じて絆を育む過程が丁寧に描かれ引き込まれた。最後はこうなれば良いな…と思った通りになって満足。
【寅淡語怪録】
派手な展開はないが、ちょっとした違和感の積み重ねからいつの間にか怪異に絡め取られている独特の読後感が面白い。
【穴らしきものに入る】
シュール・フェティシズム・ホラー…ギャグ?
発想力に脱帽。 -
Posted by ブクログ
穴に入れるようになった男、骨が金だった
肌を焼く事を恐れる女、マスク病、あたりの赤子。
ホラーというよりも、不思議な話ばかり。
試したい、という思考は共感できる穴の話はともかく
祖父の骨が金だった…には、家族の行動が恐怖です。
いや、係の人もちゃっかり懐に入れてましたけど。
人間が恐怖?
肌を焼くのを怖がるのは、女性として当然ですが
何かを恥だと思った時、180度転換するのが凄い。
ここまで徹底してしまうと、精神的な怖さがありますが
本人の慌て具合とやっている事の繋がりのなさに
妙に憐憫が。
マスクは…こうなってしまうと笑えますが
本人にとっては大変な事。
まぁ小学生は自業自得ですが、なった本人も
酔った先で…なので、自業自得ですがw
見慣れてくると、いつもの顔だったものが
不思議に思えてくるのは当然です。
赤ちゃんが当たる自動販売機、は謎でした。
本物が落ちてくる、と思っていただけに
そういう事か! という状態が。
いやでももしかしたら、先人のおばあちゃんとは
また違った出てきかただったのかも知れません。
そもそもおばあちゃん、今当てて
どうするつもりなのでしょう?w