小倉ヒラクのレビュー一覧
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発酵×地域文化で発酵文化人類学。それぞれの地域の風土に併せてどんな発酵文化が生まれてきたのか少しマクロ的に教えてくれる。そして発酵の基礎についてもかなりの紙幅が割かれている。
過去からの技術や知識の体系を追ってみると、なぜそんなことができたのか?と不思議に思うことが多々ある。キノコの可食判定もそうだし、フグの肝の糟漬もそうだけど、たくさんの犠牲なしには成り立たなそうだ。発酵もそのひとつ。目に見えない微生物の働きをどう技術として習得して生活文化にしてきたのか。もはや先人への尊敬しかない。
現代では工業化された発酵がほとんどで自分で漬物も漬けなくなったし味噌も作らなくなった。発酵と腐敗を区別せ -
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発酵×文化人類学!?
最初びっくりしたが、読んで納得。
それぞれの地方で獲れる食材と、その場所で生きている菌類を、人間があれこれ工夫して活動させて生まれたのが発酵食品なのだから、文化的な営みでもあるというわけだ。
ブリコラージュ(レヴィストロース)とか、贈与とかはまあ、お嫌いな方は読み飛ばしてもよろし。
独特な文体(「~であるのだよ」)で、軽々と、ジャンルの垣根を飛び越して、面白さを伝えていく。
「正直詳しくないんだけど…」と思いながら読み始めたが、こういうビギナー読者にもやさしい本だ。
発酵はたしかに、今やちょっとした社会現象だ。
身の回りをふりかえると、塩麴、甘酒のブームが来ているから -
Posted by ブクログ
【カビとともに生きるロマン】
柑橘類には緑のカビ
いちごには毛(?)の長い白黒のふさふさしたカビ
メロンは黒斑のカビ
うんうん、カビって生えるものとの相性があるよね。
おもしろいよねー。
昔、酵母汚染!という主張に関わることがあって
そのとき初めて酵母や乳酸菌のこと調べて
実際問題、酵母や乳酸は味方にするととても心強く
そして逆に敵とみると超やべえやつ
という知識があった。
だって当たり前に存在するものですよ。
それを人間の生きる環境下から除去するって、
…how?
発酵と腐敗は同じもので、
要は人間がその状態をよしとするかどうかであって。
ちなみに確か乳酸菌数の上限値縛りがあるのは
浅 -
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発酵文化人類学
発酵の仕組みと文化人類学を初めて学ぶには、非常に良書。個人的には文化人類学に関しては既知情報が多かったが、発酵の仕組みを学ぶことができたのは面白かった。発酵とは、腐敗と紙一重の奇跡であり、人間の役に立つかで正否が決められている唯心論的なものであるという冒頭の一文は唸らせる。
発酵とブリコロールのところでは、日本の農村の大豆の使い方の多様性に改めて驚かされる。農村では、米、大豆が主な収穫物であるが、大豆をもとにした醤油、味噌、豆腐、納豆、米をもとにした米麹や日本酒など、非常時にバラエティに富んでいる。豆腐の味噌汁なんでものは塩と大豆に工夫を凝らしたものにすぎないが、その工夫とい -
Posted by ブクログ
おもしろかった。かつて学んだ文化人類学がこんなふうに立ち上がってくるのはとても楽しい。特にPART2の風土と菌のブリコラージュは、著者の考え方が伝わってきて興味深く読めた。
ただ、読みにくい。本書がおもしろくてわかりやすいこととは別である。ブログを元にしているということだからか、体系的ではなく(そこは著者も冒頭で述べている)、見出しがないのも難点だろう。大文字が見出しかと思いきや違ったり、所々に1行空きが挿入されるのもブログの名残りか。図と文章の連携も甘く、これは著者のせいというよりは編集者のせいとも言える。
日本各地の醸造文化の紹介にはワクワクさせられる。続刊に期待!