河合拓のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ー アパレル業界はこの10年で劇的に変化しており、消費者の購買の後押しをする媒体は「ファッション雑誌」から「ライブコマース」に変わり、購買の主たる場は「リアル店舗」から「EC」へのシフトが進んだ。さらには「大御所」によるトレンド予測は「ビッグデータ解析」によるデータ分析へと変わり、商社など中間流通のビジネスモデルは「ものづくりの会社」から「投資会社」へと転換している。こうした変化は、競争環境の変化が引き起こしたのではない。技術または技術によるオペレーション効率化による業態進化である点がポイントだ。
問題は、アパレル企業の経営環境が、その進化を吸収できないところまできている点だ。 モノで溢れる -
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章いまアパレルに何が起こっているのか?
第2章アパレルの勘違い
第3章デジタル化とその先へ
第4章プラットフォーマーが仕掛けるアパレル大再編
第5章ZARAとユニクロ圧巻の秘密と真のデジタル戦略
第6章百貨店の復活戦略
第7章ユニクロに勝つためのデジタルSPA戦略
おわりに
P144商社がバリューチェーンを整理整頓し、クラウド上にPLM
を中心に、3DCADやロボティックスの技術を連携させ、
紙と鉛筆でなされている生産管理業務を効率化し、
競争力のあるバリューチェーンを作り上げるハブになるべきだ
P145下工程のアパレルやSPA型リテーラーの -
Posted by ブクログ
アパレルについてビジネス観点で捉えたい人には必読。
・競争相手に対して相対的な価値を高めるステージから、絶対的な価値を確立するステージに入っている
・ブランドとしての輪郭を持つためには、そのブランドしか持ち得ない特徴的な価値を確立すること。
①機能価値
②サービス価値
③イメージ価値
これらの価値軸を定義する。
ブランドとは、顧客から見た時のこの差別化された価値の品質保証ということ。提供価値を約束する品質保証であり、それを体現するのが商品。
・まずは相対的優位性を持ち、そこから絶対的優位性を持つ価値にしていく。
・ビジネスにおける答えというものは借り物であってはならない、そもそも正しい答え -
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Posted by ブクログ
アパレル業界にとって最大の問題は余剰在庫。
過去30年の間に、アパレル市場の規模は3分の2に縮んだ一方で、供給点数は1.75倍に増えている。
衣料品をSPAで上手に生産すれば、企画原価率は20%台まで下げられるが、非衣料品や完成品の仕入れ原価は40%以上。
プロパー消化率=ある期間内での総投入量に対して、どの程度が正規価格で売れたのかを、金額ベースで算出する指標。
現在のアパレルのプロパー消化率は、ブランド力が高い企業でも50%を上回ることはない。
正しいOTB(調達調整 )が大事。
そのために売上が未達の場合、新規の仕入れをせすが、売れ残った在庫を優先的に換金するべき。
SHEI -
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Posted by ブクログ
アパレル業界における企業再生の実情が良く分かる。
ブランドで競争する技術、というタイトルで、
著者の想いはブランド優位を築きたい全ての企業へ向けたアドバイスを
狙ったと思うが、業種の違いを吸収して一般化するには、
読み手に要求するレベルがかなり高いと感じる。
ただ、一般化してしまえば、ありきたりの戦略論で、
・コモディティ化が進んでいる業界では機能や品質よりもイメージが競争要因
・どんな優位性かを決めたら、サプライチェーンや組織風土にしみこませて、
真似できない優位性にする
・イノベーションはスピンアウト組織で
という感じか。
著者の商社での経験や企業再生コンサルティングにおける成功、