河合拓のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ー アパレル業界はこの10年で劇的に変化しており、消費者の購買の後押しをする媒体は「ファッション雑誌」から「ライブコマース」に変わり、購買の主たる場は「リアル店舗」から「EC」へのシフトが進んだ。さらには「大御所」によるトレンド予測は「ビッグデータ解析」によるデータ分析へと変わり、商社など中間流通のビジネスモデルは「ものづくりの会社」から「投資会社」へと転換している。こうした変化は、競争環境の変化が引き起こしたのではない。技術または技術によるオペレーション効率化による業態進化である点がポイントだ。
問題は、アパレル企業の経営環境が、その進化を吸収できないところまできている点だ。 モノで溢れる先進国において、アパレル産業の成長は止まった。そして、市場に隠されている「隠し在庫」、消費者同士の「二次流通」の流通点数は、繊研新聞社の試算によれば、毎年新規に投入される新商品の投入点数 (35億~40億点)以上の可能性があるという。
その結果、企業のKPIは売上と利益から、「優良顧客数×LTV」へ、成長戦略は自助努力による新規出店から、パイの食い合いによるM&A(企業買収)に変わってきた。 ー
アパレル産業の危機的状況はよく分かるが、その解決方法が、在庫の適正化、組織改革、出島によるドラスティックな改革、組織間コミュニケーション、DX、D2C×越境EC×ライブコマースと言うのは…
いや、分かりますよ…
分かりますけど、それが出来るなら最初から… -
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章いまアパレルに何が起こっているのか?
第2章アパレルの勘違い
第3章デジタル化とその先へ
第4章プラットフォーマーが仕掛けるアパレル大再編
第5章ZARAとユニクロ圧巻の秘密と真のデジタル戦略
第6章百貨店の復活戦略
第7章ユニクロに勝つためのデジタルSPA戦略
おわりに
P144商社がバリューチェーンを整理整頓し、クラウド上にPLM
を中心に、3DCADやロボティックスの技術を連携させ、
紙と鉛筆でなされている生産管理業務を効率化し、
競争力のあるバリューチェーンを作り上げるハブになるべきだ
P145下工程のアパレルやSPA型リテーラーの商品競争
力を高める支援をしなければ、売り上げを落とすだけ
P169着飾る時代から”自分を鍛え、若返る時代”に変化
P173(アパレルは)ファッションの本質である
FEELすること、THINKすることをやめてしまった
P174デジタルSPA
P179売り方は最新、作り方は化石時代のアパレル
筆者の商社時代では、自分の後輩にあたる
言っていることは大賛成ですぐにでも取り入れたい
と、思って行動しかけた最中に、民事再生である
今月(2021/7)の筆者の繊研新聞への連載記事では
デジタルSPAはもう遅く、M&Aしかないと。
(この本は2020/7/8発行)
確かにその通りになってしまったのだ。
ただ、民事再生は、M&Aにはならず、ただ崩壊するだけ
である。 -
Posted by ブクログ
アパレルについてビジネス観点で捉えたい人には必読。
・競争相手に対して相対的な価値を高めるステージから、絶対的な価値を確立するステージに入っている
・ブランドとしての輪郭を持つためには、そのブランドしか持ち得ない特徴的な価値を確立すること。
①機能価値
②サービス価値
③イメージ価値
これらの価値軸を定義する。
ブランドとは、顧客から見た時のこの差別化された価値の品質保証ということ。提供価値を約束する品質保証であり、それを体現するのが商品。
・まずは相対的優位性を持ち、そこから絶対的優位性を持つ価値にしていく。
・ビジネスにおける答えというものは借り物であってはならない、そもそも正しい答えなどない。
実行責任者が自ら答えを合理的な判断をもって作り出し、かつ、それを本物の答えにしてしまう、ということが正しい仕事のやり方だと信じる。我々は答えよりも「答えを探す考え方やプロセス」にこだわる。
・業績悪化した小売企業が売上を上げるには論理的に2つしかない。一つは、既存の事業・店舗の売上を上げること。もう一つは、新規店舗を出店するか新たに事業を立ち上げること。前者は知恵と技術が必要、後者は金が必要。両社が無いほど、フランチャイズに手を染める。(後者の事業立ち上げは知恵も技術もいるが)
フランチャイズはビジネスモデルが確立されていてマニュアル整備されていることが求められる。既存の店舗で上手くいってないのにフランチャイズが成立することはない。
・事業計画立案のステップは、
①放置シナリオ:リストラや原価削減などのコスト削減
②改善シナリオ:コストではなく売上に影響を与える因子を定量化して施策を考える
③成長シナリオ:新規事業で売り先や販路の拡大
・評価ができなければ人は批判を繰り返す。 -
Posted by ブクログ
アパレル業界にとって最大の問題は余剰在庫。
過去30年の間に、アパレル市場の規模は3分の2に縮んだ一方で、供給点数は1.75倍に増えている。
衣料品をSPAで上手に生産すれば、企画原価率は20%台まで下げられるが、非衣料品や完成品の仕入れ原価は40%以上。
プロパー消化率=ある期間内での総投入量に対して、どの程度が正規価格で売れたのかを、金額ベースで算出する指標。
現在のアパレルのプロパー消化率は、ブランド力が高い企業でも50%を上回ることはない。
正しいOTB(調達調整 )が大事。
そのために売上が未達の場合、新規の仕入れをせすが、売れ残った在庫を優先的に換金するべき。
SHEINのビジネスモデルの秘訣
1.工場で余った余剰在庫や残反を安価で買取り低価格で世界販売
2.ケイティペリーなどのインフルエンサーと組んで、インスタなどSNSを活用したマーケティングと現地PR会社の活用
3.出荷地から車で5時間以内の中国広州工場からの出荷による、世界各国への消費者へダイレクト小口配送
4.余剰在庫、中国の輸出関税と米国の輸入税免除を活用した、圧倒的に低コストなサプライチェーン
「クーリエ」=ドアトゥドアサービスのことで、物流業者に渡せば世界の裏側まで48時間以内で運んでくれるサービス
日本がD2Cを成功させるためには、製造業・工場がブランドをもっていること。また、新しい価値がそこにあること。さらにSNSライブコマースを使ったPRなどを使って、消費者への認知を広める資金力とノウハウが必要条件。
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Posted by ブクログ
アパレル業界における企業再生の実情が良く分かる。
ブランドで競争する技術、というタイトルで、
著者の想いはブランド優位を築きたい全ての企業へ向けたアドバイスを
狙ったと思うが、業種の違いを吸収して一般化するには、
読み手に要求するレベルがかなり高いと感じる。
ただ、一般化してしまえば、ありきたりの戦略論で、
・コモディティ化が進んでいる業界では機能や品質よりもイメージが競争要因
・どんな優位性かを決めたら、サプライチェーンや組織風土にしみこませて、
真似できない優位性にする
・イノベーションはスピンアウト組織で
という感じか。
著者の商社での経験や企業再生コンサルティングにおける成功、失敗体験は、
読んでいて面白いが、文面のはしばしに、俺はすごいぞ、的なアピールを感じる。