会田薫のレビュー一覧
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江戸時代、吉原生まれの女の子たまきが外の家に貰い受けられた。絵の得意な彼女は、花魁と、なんとかつて一世を風靡した浮世絵絵師写楽の子だという。5年後、成長したその女の子たまきは、義父の版元蔦重に春画を描くために人に抱かれるよう命じられる。かつて写楽で潤った蔦屋は写楽とともに没落し、風前の灯の存在だったのだ。そこで、起死回生の一策として、春画を売り出すことにする。絵師はたまき。
絵が好きで、それが自らを助ける道となった彼女が、自分の道を見つけ、そこに向かって自ら道を切り開いていく様を描いていくであろう下地の一冊。
中には3話掲載されているのだが、1話め「写楽の娘」で義父に命ぜられた最初の試練があり -
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ネタバレこの作者さん、自分の中で"あの人は今"扱いでしたが作品出してたのね(笑)
仏師とはこれまたマニアック。帯『才能が分かつ友情』。寡黙で人付き合いの苦手な無我と陽気で人気者の零雄。仏師の息子の零雄は仏像の彫り方を教えてくれた大切な友達。バンド活動を始めた零雄をきっかけに、無我は無意識に零雄に縛られていた自分を解放し実力を発揮させはじめる。どんどん評価してもらえるようになるけど、二人の関係はギクシャクしてしまうようになって…。適当な零雄を快く思っていない無我だけど、やっぱり心の拠り所なんだよね。だから作品が評価されて嬉しいしもっと彫りたいんだけど零雄を追い抜くことで傷つけたくない -
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ネタバレ赤根武人のアイデンティティ……関ヶ原以来、長州藩から支藩扱いされていない岩国出身で、差別されてきたことが描かれる。彼を奇兵隊の裏切り者に仕立てた山県狂介(後の元勲、山県有朋)も武士とはいえない中間(ちゅうげん)の身分から身を起こして奇兵隊を掌握する立場になり、赤根を追い落として得た地位を守りたい。そして、岩国出身の赤根の元友人たちも、今は奇兵隊での保身のために赤根からの接触を山県に暴露。赤根が、生まれながらに長州藩の上士であり、天性の知略と気性で革命児として行動する高杉晋作に憧れ焦がれながらも、心を開けず、失脚して流浪するのが切ない第4巻。新選組の歴史から赤根を知る自分には、これから先の流転が
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ネタバレこの漫画は幕末全体の大きな動きは書かれていない。
ある2組の人物の物語という感じである。
その2組とは晋作とおうの、そして晋作と武人。
前者は珍しくないが、後者は長州ファンでも珍しいのではないか。
武人とは赤根武人のこと。
悲劇の奇兵隊総督として知られている彼だが、漫画で晋作との対で取り上げられるのは珍しい。
この漫画の武人は生涯晋作と共に忠義を尽くすことを決意し、彼と同じく髷を切り、ざんぎり頭にしている。
晋作もそんな武人を見て嬉しそうに笑い、二人で酒を酌み交わしている。
そんな二人が、対立する。
読んでいて切なくなる。
志士ではない、どこにでもいる普通の青年を描いている。
最初に述べたよう