感情タグBEST3
読む気は一切なかったのに試し読みで引き込まれてあっという間に一巻読破。
春画がネタだけれどいやらしさはあまりなくて、素直に応援できるしいいシーンがいっぱいある。
絵も綺麗だしもっと広まってほしい〜!
自分の特殊な意志で「エロス」と関わる選択ろする女を、最近流行っていて嬉しい。先に波乱あるあるだろう、でもどうか写楽の子がいい結末に合いますように。
Posted by ブクログ 2021年02月21日
江戸時代、吉原生まれの女の子たまきが外の家に貰い受けられた。絵の得意な彼女は、花魁と、なんとかつて一世を風靡した浮世絵絵師写楽の子だという。5年後、成長したその女の子たまきは、義父の版元蔦重に春画を描くために人に抱かれるよう命じられる。かつて写楽で潤った蔦屋は写楽とともに没落し、風前の灯の存在だった...続きを読むのだ。そこで、起死回生の一策として、春画を売り出すことにする。絵師はたまき。
絵が好きで、それが自らを助ける道となった彼女が、自分の道を見つけ、そこに向かって自ら道を切り開いていく様を描いていくであろう下地の一冊。
中には3話掲載されているのだが、1話め「写楽の娘」で義父に命ぜられた最初の試練があり、2話め「金平糖」でその顛末があり、3話めで過去を切り離し、自らの足で生きていく決意をする。母の簪がキーとなるのだが、由太郎の優しい嘘をその賢さでちゃんと見抜く場面には泣きました。
ほのかな、しかし叶わぬ恋もあり、江戸の風俗も細やかに描かれ、絵柄も安定しているのでストーリーに没頭できる。偽史ものでもあり、テーマが浮世絵、その中でも春画。絵師同士の対決もある模様。これからが楽しみです。
Posted by ブクログ 2020年01月16日
春画もの、ということでちょっと色っぽいお話。写楽の娘が蔦屋さんに引き取られ、その才能を開花させていく。
あの有名な北斎の娘も出てきて欲しいなぁ…。
江戸の独特な匂いまで伝わってきそうな描写にうっとりしました。
絵を描くことが好きな少女、たまき。
彼女は吉原生まれで母親が花魁だった。
花魁のもとには子供がいては仕事ができないので、たまきは5歳のときに引き取られた。
そんな彼女を引き取ったのは二代目蔦屋重三郎だった。
引き取られたたまきは時々脱走をしたこともあったが、好きなだけ絵を描き才能を伸ばした。...続きを読む
そんなたまきはある日重三郎に言われる。
「枕絵を描け」と。
たまきを引き取った恩を絵を描くことで返せという。
試しに描いてみても重三郎はつまらない絵だと一蹴する。
お前は男を知らないからだと言う。
このままじゃ自分の居場所がなくなるかもしれないと不安になるたまきに重三郎はさらに酷なことを告げる。
刷り師の由太郎はお前に気があるから彼に抱かれて来い、というのだ。
不安になりながらもたまきは由太郎に目的を告げる。
たまきに思いを抱いていた由太郎はあくまで彼女が絵師になりたいという思いに協力する意味でたまきを抱いた。
心が壊れそうになりながらも経験から枕絵を描き、重三郎からOKも出た。
たまきを写楽として売り出したい重三郎は、今世間で人気のある絵師を追い落とすことを彼女に命じた……。
なんというか、親世代の執念や復讐のために子供たちが利用されているのがかわいそうという気もするが、たまきがこれからも強く生きて
行くために枕絵を描くことはひつようなんだろうなぁと思うとやるせない。
たまきと義母、うたの距離が少し近づいたときのシーンがとてもよかった。
Posted by ブクログ 2020年05月10日
母、娘、絵師、吉原の女、妻「女性」ではない「女」としての「熱」が生きる糧。
東洲斎写楽と花魁の間の娘のたまきが描くのは、単なる春画でなく、誰かの心のよりどころ。
死を目の前にした母の珠緒の、由太に畳み掛けるような問いかけの数々「あの子は今・・・・幸せ?」は母の愛の証。
たまきよ、英泉を喰ってし...続きを読むまえ!
さて、次も読んでみたい。
もちろん、架空の話、だか、蔦屋重三郎、北斎、豊国、英泉と、江戸の重鎮達を配し架空であることを忘れさせます。
たまきの描く「誇り」を、手にした筆がどのように描きだすのか?
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