あらすじ
天才浮世絵師・写楽の娘のたまきは十五歳。版元でもある養父から、春画を描くため、幼なじみに抱かれておいでと命じられ…!? 天才ひしめく江戸浮世絵界に、少女絵師の恋の花ひらく!
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Posted by ブクログ
春画もの、ということでちょっと色っぽいお話。写楽の娘が蔦屋さんに引き取られ、その才能を開花させていく。
あの有名な北斎の娘も出てきて欲しいなぁ…。
江戸の独特な匂いまで伝わってきそうな描写にうっとりしました。
枕絵を描く少女
絵を描くことが好きな少女、たまき。
彼女は吉原生まれで母親が花魁だった。
花魁のもとには子供がいては仕事ができないので、たまきは5歳のときに引き取られた。
そんな彼女を引き取ったのは二代目蔦屋重三郎だった。
引き取られたたまきは時々脱走をしたこともあったが、好きなだけ絵を描き才能を伸ばした。
そんなたまきはある日重三郎に言われる。
「枕絵を描け」と。
たまきを引き取った恩を絵を描くことで返せという。
試しに描いてみても重三郎はつまらない絵だと一蹴する。
お前は男を知らないからだと言う。
このままじゃ自分の居場所がなくなるかもしれないと不安になるたまきに重三郎はさらに酷なことを告げる。
刷り師の由太郎はお前に気があるから彼に抱かれて来い、というのだ。
不安になりながらもたまきは由太郎に目的を告げる。
たまきに思いを抱いていた由太郎はあくまで彼女が絵師になりたいという思いに協力する意味でたまきを抱いた。
心が壊れそうになりながらも経験から枕絵を描き、重三郎からOKも出た。
たまきを写楽として売り出したい重三郎は、今世間で人気のある絵師を追い落とすことを彼女に命じた……。
なんというか、親世代の執念や復讐のために子供たちが利用されているのがかわいそうという気もするが、たまきがこれからも強く生きて
行くために枕絵を描くことはひつようなんだろうなぁと思うとやるせない。
たまきと義母、うたの距離が少し近づいたときのシーンがとてもよかった。