暉峻淑子のレビュー一覧
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ネタバレ【内容】 社会人とは本来、自分たちの社会をともに作り上げる人びとのことだ。だが、今の日本では、若者たちの就職難や格差の拡がり、無縁化に見られるように、社会人として生きていくのが困難になっている。社会人になるには何が必要か。社会人をどう育んでいったらよいのか。著者の内外での経験にもとづく豊富な事例を織り交ぜながら考えていく。 (「BOOK」データベースより)
【感想】 社会人として生きていく上で、考えるべきことを筆者が提供した一冊。社会とつながりを持ち、働きながら、支え合いながら、学びながら、育てられながら、生きていくことの必要性を説いている。
まえがきに「私たちは、個人であると同時に社会 -
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ネタバレ20年以上前に書かれた本であり,
私は,状況はかなり変化した,ととらえた.
その変化は,いろいろあると思うが,
・この本が書かれた時代に労働者として描かれ,
成長期,バブル,不況のなかを経た,現在の壮年のトップ世代が,
(ややともすると過剰な)反省に立ち返っているようなこと
(老人優遇,ゆとり教育,男女共同参画),
・一部ではあるが,若者や中堅層が
現在進行形で押し上げ盛り上げているようなこと
(環境問題,社会企業,NPO,フレックスタイムやゼロ残業,CSRなど),
・先進国としての基準を満たしたもの,または
他の途上国のふりみてわがふりを直したところ
(トイレやごみ箱など衛生,社 -
Posted by ブクログ
ネタバレ就職して社会に出る人に向けたノウハウ本だと思って購入したら、違いましたwwまえがきとか読まないもので。
格差社会で生きにくい世の中で、我々底辺の市民が持つべき心構えが議論されています。NPO、自治、教育、若者や非正規社員の雇用問題のエピソードは示唆に富むものです。僕は希望を持っていきたいのですが、少し芽が摘まれた気がします。確かに生きにくいでしょう。
ホームレスや派遣切りを自己責任と考えていましたが、そうばかり言えないということを知り衝撃を受けました。
企業と労働者たる社会人がバランスよく楽しく生きられる世の中の実現を望みます。青臭いと思われるでしょうが。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本を読む直前にミヒャエル・エンデの『モモ』を読んだせいか、豊かな生活を送るための必要条件としての「時間」というものを、強く意識させられました。
この本が出たのが1989年。さすがに引用されているデータは古いけど、ポイントとなるところは今の時代でも色あせていません。中でも、日本人の労働時間の長さや、通勤ラッシュを耐え忍んで狭苦しい家に寝に帰るだけの生活でいいのか、という問題提起は、いかにもこの時代ならではだなーという感じです。いまは、通勤ラッシュは変わってないけど労働時間は少しは改善されたのかな。
著者が西ドイツで過ごしたためか、西ドイツはこんなに素敵な生活だった、それに比べて日本はとに -
Posted by ブクログ
西ドイツ在住経験のある著者が、日本と他の先進諸国との比較から、日本のもつ「豊かさ」の観念の特異性を説明する。
「豊かさ」というと、日本では一般に経済水準の高さと捉えられがちだが、西欧でいう「豊かさ」には人間性の尊重、自然環境の維持、自由競争の前提としての社会福祉の充実、が含まれている。
著者は、日本は「豊かさ」の実現の仕方を間違えたのではないかと、この本を通じて警鐘を鳴らしている。
20年前に書かれた文章であるが、今尚その批評は示唆に富んでいる。
ただし、ここで書かれている西ドイツでの「豊かさ」が、そっくりそのまま日本に当てはまるかどうかは、甚だ疑問である。
西欧文化と日本文化は、質的に大き