暉峻淑子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ古本屋で出会った書籍のためおよそ30年前のデータや価値観で書かれたものですが、それでも現在の社会に対しても通ずる内容と感じます。
・当時のお金や物質的な豊かさばかりに囚われそれ以外の豊かさを国民が享受できる状況にないこと
・「健康で文化的な最低限度の生活」をうたいながら実際には生きるギリギリでしか支援が受けられないこと
・その他仕事や生活があまりにも豊かさを感じられないほどに厳しくなっていること
・これらに対する批判や提案とヨーロッパ(特にドイツ)での取り組みやそれによる生活の様子
これらがとても印象的に感じました。カネやモノでしか評価されない豊かさについて考え、人生や生活をどうすれば豊かで満 -
Posted by ブクログ
「豊かさとは何か」を世に送り出して約30年、一貫して人々の暮らしに関わる様々な問題提起をしてきた筆者の最新刊。発売されてから、すぐに購入しました。
帯に、「戦争・暴力の反対は、平和でなく対話です」と書かれています。その考えに至った筆者の個人としての経験、あるいは「対話研究会」という筆者も参加する地域の取り組みを通じての蓄積、社会で起こっている事象を「対話」という視点で分析すること等を通じて、何を考えることが必要かを呼びかけています。
僕自身も日々の生活の中で、いろいろな方と話をすることで考えが磨かれていくというか、気づかされることがとても多くあります。個々の違い(苦手意識のようなもの)はあ -
Posted by ブクログ
日本社会はこのままで良いのかと警鐘する著者の思いが詰まった一冊です。
教育学者の本田由紀、フリーター・ニート問題に詳しい玄田有史を足して二で割った感じでしょうか。「日本社会」といった漠然とした分野を扱っていますので、上2名の著書を併せて読むと、更に理解が深まると思います。また、西條剛央『人を助けるすんごい仕組み』が実践的でタイムリーなので、本書に共感された方には強くオススメします。
読んでいると暗い気持ちになりますが、何とかしなくてはと思います。最後は社会人の力を希望にして締め括っているので、読後感はちょっと希望的観測で満たされます。
大概、人生において完全に自己責任と言えるようなものは少 -
Posted by ブクログ
ネタバレ失敗を「自分の責任」にすると成長しない、「社会の責任」とすることで成長できる、ということが印象に残っている。
確かに、前々から自己責任も個人100で社会0とは思っていなかったが、逆転させるまでは考えなかった。
ただ、三菱ふそうでの従業員の話を読む限り、結局解決し再起を可能としたのは、社会的解決手段に訴えた方であった。
自己責任論は対症療法的であり、社会責任論は根本を解決するものである。
確かにこのままだと、日本は社会の構造がおかしいまま、固定化がますます進む。
仕事を選ぶことは当然であり、それが悪いという風潮はおかしいし、憲法に反する。
どちらにせよ、一番悪いのは制度を悪用する人たち -
Posted by ブクログ
日本と欧州の生活環境の差という視点から、人間としての豊かさについて考える。
驚いたのは、著者が実際に生活し、欧州の生活の豊かであることの例として登場したのが 西ドイツ。
西ドイツ…
この本が書かれたのは1989年。そうか まだ壁のある頃か…
あと、住環境の劣悪さの説明として提示された土地の値段のべらぼうさ。あぁ、この頃は噂に聞く泡の時代か…
ところどころ歴史を感じさせる部分はあるけれども、ささやかながら少しでも豊かな生活を求める一人としては頷くところが多い。そして、この本が書かれてから20年以上、改善されたところと変わらないところ、悪化しているところとを思ってしょんぼりする。
いいかげん、 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
効率と競争の追求によって泥沼の不況から抜け出そうとする日本社会。
だが、リストラ、失業、長時間労働、年金破綻など、暮らしの不安は暮るばかりだ。
子どもの世界も閉塞をきわめている。
著者のNGO活動の経験をふまえて、真に豊かな社会をもたらす互助の関係性をいかにして作るかを考える。
前著『豊かさとは何か』の続篇。
[ 目次 ]
第1章 切り裂かれる労働と生活の世界
第2章 不安な社会に生きる子ども達
第3章 なぜ助け合うのか
第4章 NGOの活動と若者達
第5章 支えあう人間の歴史と理論
希望を拓く―終章に代えて
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ -
Posted by ブクログ
@yonda4
1989年に出版された本。世間はバブル期。
古本屋で理由なく手に取り、購入したがかなり考えさせられる内容だった。
本書の内容を簡単に要約すると、
「モノやカネを常に追求する日本社会の豊かさは間違っている。家族を愛す、自然を愛すなどのゆとりを持てる社会が本当の豊かさなのではないか」
ということ。
さらに一番重大と考えるのは
「この頃に挙げられている社会問題が何も解決していないこと」
例えば、労働時間が長い、有給休暇も自由に取れない、業務が膨大にあり常に忙しい、などなど。数えるときりがなく、現在では、働くところがない、という問題がプラスされている。
確