【感想・ネタバレ】対話する社会へのレビュー

あらすじ

個人の成長過程で、地域で、社会で、国家間で…あらゆる局面で、今いかに「対話」が喪われていて、その結果何が起こっているのか。逆に「対話」があれば、どんなことが可能になるのか。新しい視野が開け、何年もたってから大きな解が得られる対話とは、そもそも人間にとって何なのか。豊富な事例をもとに説く、渾身の警世の書。

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Posted by ブクログ

第2章で紹介されている「対話的研究会」が素晴らしい.対話することに飢えている人たちは,対話できるような設定があれば,水を得た魚のように話を始めることが,多くの事例で紹介されている.対話をする基礎になる素養を,小学生の段階からしっかり教えていく必要があると感じた.理論的な背景を紹介している第3章はやや退屈だが,多くの研究者が対話の重要性を指摘しているという学問的なエビデンスは,お堅い考えの役所などを説得する資料となろう.ファシリテーターの存在は知っていたが,伊藤さんの役割は非常に重要で対話を実のあるものにすることのできる素晴らしい人材だと思う.

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2017年10月22日

Posted by ブクログ

「戦争の反対語は何もしない平和ではなく対話であることを」
この一文に感銘を受ける。他者の声を取り込んで考える。多様な意見はあらかじめ決められた結論に辿り着けるはずもなく、互いに熟考する中で心が発達して納得できるような着地を試みる。それでもまだ課題は残されている。ゴールはそう易々と迎えない。その道程にデモクラシー、そして有意義な日常が得られるのではないか。慌てず恐れず休みながら本心を訥々と語ってみよう。

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2024年11月07日

Posted by ブクログ

「戦争・暴力の反対語は、平和ではなく対話です」。
平和というと、ただ戦争がない状態という漠然としたイメージになりがち。
「対話」となると、そこには目の前の一人の人が存在する具体的な出来事になる。
「対話が続いている間は殴り合いは起こらない」とも。

学生時代の恩師との対話。
難民支援の現場での対話。
教育現場での対話。
精神医療の現場での対話。

様々な実例をあげ、対話の持つダイナミズムを具体化している。

対話とは、話すことではなく聞くこと、とも。
対話こそ、人が人である証拠なのだ。

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2017年06月30日

Posted by ブクログ

「豊かさとは何か」を世に送り出して約30年、一貫して人々の暮らしに関わる様々な問題提起をしてきた筆者の最新刊。発売されてから、すぐに購入しました。

帯に、「戦争・暴力の反対は、平和でなく対話です」と書かれています。その考えに至った筆者の個人としての経験、あるいは「対話研究会」という筆者も参加する地域の取り組みを通じての蓄積、社会で起こっている事象を「対話」という視点で分析すること等を通じて、何を考えることが必要かを呼びかけています。

僕自身も日々の生活の中で、いろいろな方と話をすることで考えが磨かれていくというか、気づかされることがとても多くあります。個々の違い(苦手意識のようなもの)はありますが、やはり人は人の中(集団)でこそ成長するし発達するのだと思います。物事をすすめるのは、合意や納得が必要であり、時間がかかるものです。筆者が「対話や討論がない社会は支配者にとってこの上なく都合がいい」との指摘は、その通りだと強く思います。新自由主義に基づく政策が進められている今の日本は、対話がなくなってきている社会とも言え、人々の安全・安心な暮らしが崩壊していることをあたらめて気づかされました。

対話が生み出した新しい動きも紹介されています。やはり地域から、考えて取り組んでいかないと、社会を動かしていくことはできません。一つ一つ地道に取り組もうと思います。

おすすめの一冊です。

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2017年03月12日

Posted by ブクログ

対話が重要であることはわかりきっているのに・・・・。
上意下達は対話がなければ、スムーズに運びますからね。やはり、国策としての対話排除かな。

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2017年03月22日

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