【感想・ネタバレ】豊かさとは何かのレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2017年06月22日

発刊年はやや古いが名著である。日本や日本人を相対的に捉えており、普段の自分自身の中にある根底の考えを見直すきっかけにもなる。

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Posted by ブクログ 2016年07月20日

エーリッヒ・フロムが『生きるということ』のなかで説いた、人間の価値様式、「持つ様式」と「在る様式」を日本という社会にプロットして論じた名著といえる。人間にとっての本当の豊かさについて教えてくれる。

がんばって働いても報われない、ひとりひとりのがんばり(特に過労死や自殺で死んだりすることもある)で支...続きを読むえられている経済至上主義と哀れとまで言える社会資本の貧しさのなかにこの国は存在している。

余暇活動の価値も到底認められないから、有給取得率だって上がらない。これでは日々の暮らしのなかで、文化的価値を見出し、友人や家族など、人と人とのかかわりあいを通じて、自己実現を果たしていくなんて到底夢のような話。生涯学習論の中ではずっとこの話はしてきたのに。

バブルのころよりはショボくなったんだろうけど、経済分野、土地への投機は相も変わらずこの国が大好きなこと。国の政策だって企業の設備投資を促すだの、結局は上から下へと流れていくもの(そして下には流れてこない)。社会資本整備、特に福祉への投資なんて政治家はいつもリップサービス程度。保育士や福祉職の待遇なんてどんな時も上がらない。

こんな日本が本当に豊かな社会なのか?と考える前に、すべてを読み終え唖然としたこと。本書が刊行されたのは、今から30年近くも前のことなのに・・・

結局のところ、今も昔も何も変わっていない。この国には進歩も本当の豊かさもあったもんじゃないのかと。

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Posted by ブクログ 2015年05月23日

この本はすごく良かった。studio-Lの山崎さんがオススメしていて興味を持って手にとって、まさに暮らしの豊かさについて考えさせられました。本当によく考えられている。お金を稼ぐために、ではなくて、「より豊かに生きる」ということを何十年、何百年と考え続けてきたエッセンスが詰まった一冊だと思いました。日...続きを読む本にも、このまちにもまだまだできることがあるなぁと考えさせられた一冊でもありました。

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Posted by ブクログ 2014年01月14日

データは古いが本質的には今も変わらないと思う。どんな社会を目指すのか、そのために何をするのか。
"お任せ"はそろそろ卒業しなければ。

『個人の自由が、じつは共同体的な土台によって支えられていることを、私たちは忘れてはならない。』

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Posted by ブクログ 2014年01月04日

「何かをすること」と同価値の「何もしないこと」。そこに在ることで、すでにあらゆるものの中にいて、つながっていることの豊かさ。目にはみえないが、感じることのできるもの。

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Posted by ブクログ 2012年07月24日

まさに自分にとっては原点と呼べる本。
豊かさとはなにか?
その答えは、ないだろうし、明確にないということが答えなんかなーって思った。
だから、常に考えていなきゃいけない。なんのために生きているのか。なんのために働くのか。

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Posted by ブクログ 2012年07月01日

日本は海外から見ればこんな風に思われてるんだ。震災以後日本の様々な対応について、白い目で見られていることは明白。周りがどうではなく、自分はどうしたいのか考えなければいけないと痛切に思う。名著。

「しかし、考えてみると、日本から輸出される安い自動車やコンピューターの背後にも同じ問題があります。自動車...続きを読むを作っている下請け労働者の長い労働時間やウサギ小屋の住宅。少ない有給休暇や、退職したあとの老人福祉の貧しさ。そんな犠牲の上に作られた日本の競争するためには、ヨーロッパの国も同じレベルにまで勤労者の生活を落とさねばなりません。しかし、そうすれば、人びとが営々と何百年もかけてつみ重ねてきた基本的人権や福祉の社会は、経済競争のためにくずされてしまいます。日本の方が、国際社会の進歩に合わせるべきでしょう。日本人が、日本の中だけで生きていくのなら、日本人が好きなように、長時間労働でも何でもすればよいけれど、国際社会の中で生きていこうとするのなら、国際社会のルールに従ってほしい。」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年01月03日

高校生のときに読んで、自分の問題意識の根底にあったのは、これだったかと気付かされた1冊。

経済的な豊かさだけではない豊かさを考える。
日本は豊かな社会か、つねに問い続けていかねばならない問いでもある。

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Posted by ブクログ 2010年06月27日

20年以上前の作品ですが、そのメッセージはほとんど色褪せず。ということは残念ですがこの間、議論・追及が進まなかったということです。もちろん、貧困等の概念で、進みつつある論点はありますが…生活観に基づく情緒的なコメントと冷静な実証データのバランスや、表現の歯切れの良さなど、本としての完成度も、ものすご...続きを読むく高いと思います。

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Posted by ブクログ 2015年05月04日

良書。
さすがに古い。バブルの頃、そんな時代もあったなあ、って感じ。
だけど、今でこそこの本を読むべき。

人間は、生活に必要なモノ、カネがあれば良い。
金銭中心の文化は、人間の文明を滅ぼす。

いまだに、日本は裕福な国だとは思うので、自戒の意識を持つべきと感じた。

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Posted by ブクログ 2014年10月15日

来年から私は労働者の一員になるわけだけど、労働は一歩間違えれば自分を不幸にするだけなんだと感じた
いますぐ労働環境を変えることは難しいけど、豊かさとはなにかが自分でわかっていれば労働に飲み込まれずに豊かさに生きれると思う
豊かさのヒントがたくさんつまった本でした

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Posted by ブクログ 2014年01月13日

20140113 四分の一世紀経って自体は良くなっているか。その国の豊かさは、最も困窮している人に対してどのような処遇をしているかによって証明される。忘れないようにしよう。

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Posted by ブクログ 2012年08月29日

物にあふれた日本の精神的な豊かさの喪失を危惧した筆者が、西ドイツと日本の比較を足がかりに、日本の豊かさの再検討をする。書かれている内容は現在の日本にも十分当てはめることができる。筆者は日本の長期間労働、社会インフラの不備、不十分な社会保障制度に着目し、少なくとも現在、将来の生活に不安を感じることのな...続きを読むい行政サービスを提供していかなくては人々が精神的な豊かさを感じることは難しいと述べている。全体的に非常に考えさせられる問いを投げかける本であったが、筆者の西ドイツへの思い入れが強すぎて、少し冷静な分析ができていないのではと思う感じもあった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年04月11日

最近書かれた本、だと思ったら「1989年」と知り驚いた。
バブル崩壊前にこの内容を書いて出版するのは凄く勇気がいったと思う。
刷も重ねられているが、恐らくバブル崩壊後に売れ出したのだと思う。

それにしてもまさに今にも当てはまる状況でもあり、この時点から一層状況が進んでいるのであれば事態は深刻
ただ...続きを読む、多少外国のいい所取りをして、日本と比較をしている感があった

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Posted by ブクログ 2012年01月28日

日本と欧州の生活環境の差という視点から、人間としての豊かさについて考える。
驚いたのは、著者が実際に生活し、欧州の生活の豊かであることの例として登場したのが 西ドイツ。

西ドイツ…
この本が書かれたのは1989年。そうか まだ壁のある頃か…
あと、住環境の劣悪さの説明として提示された土地の値段のべ...続きを読むらぼうさ。あぁ、この頃は噂に聞く泡の時代か…

ところどころ歴史を感じさせる部分はあるけれども、ささやかながら少しでも豊かな生活を求める一人としては頷くところが多い。そして、この本が書かれてから20年以上、改善されたところと変わらないところ、悪化しているところとを思ってしょんぼりする。
いいかげん、みんなで豊かになりましょうよ。モノではなく。お金ではなく。

“その国の豊かさは、最も困窮している人に対してどのような処遇をしているか、によって証明される、というが、その通りである。強者には政治はいらない。弱者のために政治は必要なのである。”(p.225)

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Posted by ブクログ 2011年08月03日

20年以上前に書かれた本ですが、日本はその根本は変わってないんだなって思いました。

「日本は経済大国であるという。しかし、豊かな国ではない。」
悲しいけれど、そう思います。
 豊かさとは何か、どのように豊かな人生を生き、豊かな社会をつくっていくか、考えていくべきなのだと思うのですが、そんな余裕すら...続きを読む持ち合わせていないのではないか、それを考えるということすらできないでいるのではないか。だから、いつまでたっても変わらないのでしょうか。

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Posted by ブクログ 2011年04月23日

@yonda4
1989年に出版された本。世間はバブル期。
古本屋で理由なく手に取り、購入したがかなり考えさせられる内容だった。

本書の内容を簡単に要約すると、

「モノやカネを常に追求する日本社会の豊かさは間違っている。家族を愛す、自然を愛すなどのゆとりを持てる社会が本当の豊かさなのではな...続きを読むいか」

ということ。

さらに一番重大と考えるのは

「この頃に挙げられている社会問題が何も解決していないこと」

例えば、労働時間が長い、有給休暇も自由に取れない、業務が膨大にあり常に忙しい、などなど。数えるときりがなく、現在では、働くところがない、という問題がプラスされている。

確かに一朝一夕な問題ではないと思うが、何かひとつでも解決する方向へ向かっているのだろうか?

比較対照として西ドイツの社会システムが挙げられている(西ドイツってところが時代を感じさせる)。
日本と西ドイツの社会環境と比べると、経済的には同じになったとしても、暮らしの質が格段にちがう。
日本人が馬車馬のように働いているのに対し、ドイツ人は毎日夕方からからビールのようなちがい。誇張しすぎか(本書にはこんな例はありません)。

戦後日本を復興させるために、国民全体が一生懸命に働いたことで今の社会があり、自分もその礎の上にいる。
「カネ」「モノ」も生きていく上でとても大切なもの。
でも、それらに縛られすぎる社会をどうしても好きになれない。
これからは本当に大切なものを見極めていきたい。

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Posted by ブクログ 2011年02月27日

著者はかなりの平和主義者で、筆者の考えの軸は「日本は経済的には豊かやけど、精神的には豊かではない」ってとこかな。

全体的に、言ってることは間違ってない。
労働と福祉(特に高齢者介護)と住環境についての、日本の問題点を明らかにしてる。
この作品は20年以上前に書かれた本やのに、今の日本はそれか...続きを読むら進歩したのか?
今、もう一度、読まれ直すべき一冊やと思います。

ただ、最初の筆者の西ドイツでの生活の部分は明らかにいらないwww
はっきり言って、あの部分がなければかなりの名著やと思うんやけど、あの部分のせいで筆者がただの西ドイツ好きでしかない感じを受けてまう・・・
あの部分は読んでて「なんや、ただの外国かぶれのおばちゃんやん」と思ってしまったwww

経済主体の社会に対して不満を抱いてる方、競争社会に疲れてしまった方、お金大好きな人間に食傷気味の方は是非。

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Posted by ブクログ 2011年02月24日

せめて日本にも住宅基本法があればとコメントしそうになって、調べたら5年前に住生活基本法なるものが施行されていた。この本を読むと、企業戦士志望の人以外は日本で働く気が一回失せます。

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Posted by ブクログ 2010年12月19日

今から20年前に書かれた本です。僕が読んだのも高校時代だから…、10年以上前ですか。

いやあ、日本は変わりません。おかしいくらいに、相変わらずの国です。

★資本の求める目的と、生活の求める目的は違っていて当たり前である。それなのに、企業の投資熱に感染したかのように、株の売り買いや、リゾート地やワ...続きを読むンルームマンションへの投資、あげくのはては教育も投資、付き合いも投資、お中元やお歳暮や冠婚葬祭も投資、と計算するのが社会の風潮になってしまっているのはなぜか。子供たちまで、損することには手を出さず、弱者をかばうこともしない。

★効率競争社会が、家族をバラバラに引き離し、友情を忘れさせ、人々が共有する未来について、あるいは自然とともに生きる人間の生き方について、考える時間を奪い去ってしまったのである。ひとは経済戦士となるべく育てられ、企業戦士として生き、老後や病気は、自己責任で始末しなければならない。

★競争は人間を利己的にし、一方が利己的になれば、他の者も自分を守るために利己的にならざるを得ないから、万人は万人の敵となり、自分を守る力はカネだけになる。

★日本の若者の多くは政治や社会に無関心で、私的な遊びや利害にしか夢中になれない。社会正義や理想に無気力なことは、エネルギー枯渇のあらわれである。

★日本では和とか調和とか言うけど、いつも周りに合わせて自己規制をしているのでは、新しい考えや文化は生まれないでしょう。お互いに批判したり衝突したりしないというのは、それだけ相手を信頼できないからではないでしょうか。理解や妥協と同時に闘うことのできる社会でなければオルタナティブな社会は生まれません。

★広告と見栄と、あやつられた欲望によって需要が作り出されるような社会では、公共サービスはつねに遅れる。公園、公衆衛生、公的な学校などは、自動車ほどに個人から所得をまきあげる力を持っていない。私企業では、有能な人々が、大衆心理のすみずみまで調べて、売り込めそうな商品に対する欲望を育成するのに力を注いでいるが、公共サービスには、同じような過程は働いていない。

★教育の仕事は、公共のなすべき第一の仕事である。教育は生産を増やすためにだけあるのではなく、物的、心的福祉を望み、知り、理解し、推理しようとする人間らしい欲求を育てるためにある。

★人間と人間との連帯が、企業営利に奉仕するためだけの連帯になり、家族や地域社会から排除され、自然と対立する---このような労働は、商品を生産する、という意味での豊かさにはつながるかもしれないが、本当の豊かさとは、およそちがったものである。

★どうでもいいようなものがあふれて、使い捨ての浪費をしているのに、住居のようにもっとも基本的な生活のよりどころになるものがない。

★社会保障や住宅問題の貧しさを通して知ることができるのは、人間にとって最も大切な生活の土台が保障されていないことである。そのために生活は崩れやすく、もろくなっている。保障がないために貧富の格差が緩和されず、貧しいものは自己責任として社会から落ちこぼれ蔑視される。それを見ている人々は、落ちこぼれないために必死に働き、貯める。これでは、ゆとりも心の安らぎも得られない。その国の豊かさは、最も困窮している人に対してどのような処遇をしているかによって証明される。

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