杉山隆男のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
発足から55年、田母神・前航空幕僚長の「懸賞論文」問題が露呈した巨大軍事組織、自衛隊の歪みとは何か。「軍歌が流れる基地」「悩める現場」、そして「アメリカという聖域」。足かけ15年、1000人を超える陸空軍自衛隊員に話を聞き、F15で空中戦訓練を体験し、軍事機密のかたまり、潜水艦で深海を行った「兵士」シリーズの著者が、さらに3年にわたり防衛省の人事関係施策等検討会議委員をつとめた経験をもとに、いま自衛隊の現場で何が起きているか、つまびらかにしていく。その軋みの、悲鳴にも似た声が、歯止めを失ったこの組織で相次ぐさまざまな問題の底から聞こえてくる。
-
Posted by ブクログ
流石に東京オリンピックについては実体験としては持たない世代だが、昭和39年10月10日の五輪開幕の日が「体育の日」として現代に受け継がれているのは知っているし、その開会式で国立競技場の上空に自衛隊機がスモークを出して五輪を描いたことはその後の写真や記録映像を通じて知っている。
難易度の高いアクロバット飛行だが、流石に日本のパイロットはゼロ戦の伝統を引き継いで技術が高いもんだ、と思っていたら其れが大間違い。五輪開幕の2年前に日本の五輪委員会から開会式には自衛隊機で五色のスモークを出して飛んでくれという要請は受けたのだが、それは此れまであちこちの国際大会で各国の空軍機がやっているような真っ直ぐに -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
発足から55年、田母神・前航空幕僚長の「懸賞論文」問題が露呈した巨大軍事組織、自衛隊の歪みとは何か。
「軍歌が流れる基地」「悩める現場」、そして「アメリカという聖域」。
足かけ15年、1000人を超える陸空軍自衛隊員に話を聞き、F15で空中戦訓練を体験し、軍事機密のかたまり、潜水艦で深海を行った「兵士」シリーズの著者が、さらに3年にわたり防衛省の人事関係施策等検討会議委員をつとめた経験をもとに、いま自衛隊の現場で何が起きているか、つまびらかにしていく。
その軋みの、悲鳴にも似た声が、歯止めを失ったこの組織で相次ぐさまざまな問題の底から聞こえてくる。
[ 目次 ]
第1章 「武士 -
購入済み
著者が下半身に注目しすぎる
三島の自衛隊体験入隊は有名だったので、その仔細を知りたいと思って購入した。たしかに当時の隊員の証言など巨細にわたる取材もあるのだが、どういうわけかこの著者は三島の下半身の筋肉の脆弱さに固執しすぎる感がある。持久力そうである長距離走の弱さまで下半身子筋力のせいに(牽強付会な当時の証言を利用する方法まで用いて)するにいたっては、もうその魂胆は明白になった。
要するに筆者は三島の文武両道性を根底で否定したかったのではないか。そのため意味のない下半身筋肉に対する描写がこれでもかと続くと思われる。そういう意味では期待外れの本だった。