【感想・ネタバレ】「兵士」になれなかった三島由紀夫のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年02月02日

兵士に聞け シリーズ、で15年にわたり自衛隊を取材した杉山隆男による、三島由紀夫と自衛隊の物語。鍛え上げた上半身(腕力)を誇った三島だが、鍛えられていない下半身は脆弱なまま(脚力不足)で体験入隊時の持久走では、常に劣後していた等の指摘が興味深い。劣後しながらも真剣に付いてゆこうという三島の鬼気迫る雰...続きを読む囲気が印象的だった、という当時の教官(隊員)たちの様々な三島の思い出が語られております。虚弱な体(小柄)だったが故に、太平洋戦争に行けず、兵士になることができなかった三島由紀夫が、敗戦後、作家になったころから体を鍛えはじめ(心を鍛えることも含め)それがどのように展開し、あの壮烈な最後を迎えたのかという内面の物語も少しうかがえる一冊であります。市ヶ谷台に乱入、割腹自殺をした1970年11月25日は、作者(杉山隆男)の18歳の誕生日(日比谷高校の3年生)、という繋がりも披露されております。★四つであります。

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Posted by ブクログ 2011年07月25日

三島由紀夫が市谷駐屯地で自決を遂げたのは、1970年11月25日。当時小学生だった私は、そのニュースを新聞やテレビで読んだり観たりしたと思うのだが、全くと言って良いほど記憶がない。その歳では、三島由紀夫の作品を読んだこともなかっただろうし、この事件の思想的な意味合い・背景に、興味を持ったり、あるいは...続きを読む、理解が出来る年齢ではなかったということである。ただ、それは自分の年齢だけが理由だったわけでもなさそうではある。この杉山隆男の本を読むにあたって、ウィキペディアで一応事件のことを調べてみたけれども、何だか全くよく分からない。ウィキペディアの簡単な説明だけで分かるはずがない、ということを置いておいても、何故、こういう事件を三島由紀夫が起こしたのか、という理由、というか、そこまで三島由紀夫が思いつめていた、その切迫感の正体が全く分からないのだ。このあたりは、その時代の空気とでもいうものが分からない限り、どうにも理解できないことなのだろうと思う。

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Posted by ブクログ 2011年12月02日

感受性が強くて、かなり打たれ弱い。

時々自分に酔ってるけどちょっとヘタレ。



そんなレンジャー平岡君のお話。

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購入済み

著者が下半身に注目しすぎる

2017年03月14日

三島の自衛隊体験入隊は有名だったので、その仔細を知りたいと思って購入した。たしかに当時の隊員の証言など巨細にわたる取材もあるのだが、どういうわけかこの著者は三島の下半身の筋肉の脆弱さに固執しすぎる感がある。持久力そうである長距離走の弱さまで下半身子筋力のせいに(牽強付会な当時の証言を利用する方法まで...続きを読む用いて)するにいたっては、もうその魂胆は明白になった。

要するに筆者は三島の文武両道性を根底で否定したかったのではないか。そのため意味のない下半身筋肉に対する描写がこれでもかと続くと思われる。そういう意味では期待外れの本だった。

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