杉山隆男のレビュー一覧
-
自衛隊員に地道な取材活動している著者ならではの、自衛隊員が新聞報道されていない個々の活躍を描いたノンフィクション作品。
安易な自衛隊批判の反証材料や大規模震災の描写資料としても価値がある作品。
圧巻なのは、通勤途上の自衛隊員達が津波に罹災しながら、生命の危機にある救助を要する人達へのリミットである...続きを読むPosted by ブクログ -
東日本大震災の際の自衛隊の働きは目覚しかったが、ニュースになったものばかりでなく、その陰にあった夥しい数の隊員の活躍やドラマが本書には汲み上げられている。家族の安否を気にしながら、その無事を確かめることもせず任務を遂行した隊員たちには頭が下がる。そういうことを本書は改めて思い起こさせてくれた。
本書...続きを読むPosted by ブクログ -
三島由紀夫が市谷駐屯地で自決を遂げたのは、1970年11月25日。当時小学生だった私は、そのニュースを新聞やテレビで読んだり観たりしたと思うのだが、全くと言って良いほど記憶がない。その歳では、三島由紀夫の作品を読んだこともなかっただろうし、この事件の思想的な意味合い・背景に、興味を持ったり、あるいは...続きを読むPosted by ブクログ
-
昨今きな臭い状態が続いて、それが定常状態にもなりつつあるセンカクの問題ですが、実は今もまだ動いているんですよね。そのセンカクに、自衛隊の秘匿された特殊部隊が出動するという話。
いやぁ、本当に(ほぼ)“出動する”だけなんですよねぇ。途中までは、調子よく進んでいて、「初の戦闘が!」と言う雰囲気だったん...続きを読むPosted by ブクログ -
自衛隊もある意味、一般の企業と変わらないのかもと思わせる書だ。踊る大捜査線と通じるモノを感じた。
官僚主義がはびこる一方で、自衛隊内で、権利があるから命令を拒否できて、強制されたら訴えるという話しがある。官僚と同じで、組織というものは、劣化が避けられないものなのだろうか?
[private]・裁判...続きを読むPosted by ブクログ -
その存在の是非を常に問われてきた組織の中で、最前線に立って「戦う」人たちのノンフィクション。
彼らの戦いは奪うことでなく救うことで、であればこそ未曾有の大災害の中、危険を省みず救命にあたった自衛隊の皆さんには本当に頭が下がる。
彼らの仕事が「奪う」ことに変わらないよう願うばかりです。Posted by ブクログ -
発足から55年、田母神・前航空幕僚長の「懸賞論文」問題が露呈した巨大軍事組織、自衛隊の歪みとは何か。「軍歌が流れる基地」「悩める現場」、そして「アメリカという聖域」。足かけ15年、1000人を超える陸空軍自衛隊員に話を聞き、F15で空中戦訓練を体験し、軍事機密のかたまり、潜水艦で深海を行った「兵士」...続きを読むPosted by ブクログ