舞城王太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
わけわからん世界観。「みんな元気」系かな。「みんな元気」より面白かったけど。
夢のような物語だった。あ、寝て見るほうの夢ね。念のため。
日常的な場面かと思えば、いきなり危険に陥って何者かから逃げたり、戦ったり、美女とのラブロマンスに発展したりみたいな夢ってたまーに見るよね。それぞれが夢の中では繋がっているのかもしれないけど、記憶から欠落したのか(あるいはそもそも繋がっていないのか)、思い出してみてもそれぞれの場面に全く脈絡がない、波乱万丈で断片的なピースのような夢。
そういう夢を見ている感覚に近かった。全く展開が読めないし、一応奇妙な世界観のおかげで筋は通っているが、殆ど無茶苦茶と言っていい。途中までモヒ寛を襲った犯人の凶行を止める、ミステリーかアクションかに展開していくのかなと思っていたら、主人公の中学生めっちゃ容易に人殺してるし、カニバリズムなんかも受け入れているし、完全に予想の斜め上を行ってくれる。
で、ちゃっかり美少女といい仲になっていて、ついでに主人公の相棒というべき「老人」モヒ寛も知らぬ間に美女と懇ろになっている。ただ、それは夢のご多分に漏れず、これからその美女とのいい場面!って所で目が覚めて、夢ならばその続きを見ようと二度寝を頑張るわけだけど、この本もまさにそういう夢のような終わりを迎えている。舞城王太郎も実は夢から着想を得たんじゃないだろうか、と思ったり(笑)
てか、こんな夢見ているの自分だけだったら嫌だな。いや、殆どの人が見たことあると勝手に確信しているけど!
それにしても、本を読むたびに毎回これほど感心させられる人は珍しい。すごい奇才の持ち主だと思う。
まず文体がおかしい。真面目に書いてるのか?と疑いたくなるが、脳裏に浮かんだ言葉を、その連想に従って忠実に、オートマチックに、紙面に打ち出せば、こういう感じになるんじゃないかなとも思う。実際この勢いある文章を緻密に計算して書いているとは思えないし。
あと、擬音とか表現がそもそも独特で面白いんだけど、この本で一番すごいと思ったのは、大根の煮物の美味しさを語っているシーン。文章表現の極致を見た気がする・・・とは言いすぎかな(笑)本当にリアルな美味しさが伝わってきた。舞城の作品は他人には勧められないけど、その場面だけでも読んでほしいと思う。 -
Posted by ブクログ
表題作は3。短編2本は4に近い3くらい。
十分楽しめた。文章がうまいという感じではないし、独特な表現手法をとっているのが少し気になる。
でも構成力はすごいと思った。突然の転回のせいで読み手として置き去りにされる感があり「は?」となるが、それは翻弄されている登場人物の視点であるわけだ。で、登場人物の順応に応じる形で把握が進むことが、物語に入っていく助けとなっている。設定も肯定的な意味で荒唐無稽でおもしろい。くどくどしい説明とかを一切してないせいで、余計に話を分かりにくくする一因になってるとは思うけど。
わけの分からない小説にありがちな雰囲気重視の印象派的な話じゃなくて、かなり寓意的な作だと思った。少し主題を前面に押し出しすぎな気もするが、ところどころで披露される洞察は鋭いしそれを持ち出してくる流れも自然でいい。 -
Posted by ブクログ
途中で終ればよかったのに。モヒ寛とナルちゃんの友情辺、つまり序盤は最高でした。凄く笑った。これは久しぶりの笑える本だな・・ととても後半に期待したのでびっくりでした。そしてがっかりでした。モヒ寛が殴られてナルちゃんが犯人探しをスタートするところまではよかったんだけどね。やっぱり此処で煙か土か食い物の素晴らしさを期待してしまう私はアウトかな。しかしそれにしたって無理矢理でしょう。ナルちゃん別人すぎるよ。二つの物語を繋げた意味がわかりません。最後の最後で理屈を持ってきたがるのはなんでなんだろう。やっぱり全体的に見てつまらなかったなあと思ってしまいます。星は序盤だけで三つ。