杉山茂樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前書「ドーハ以後」は名前の通り、ドーハの敗戦後の日本代表と海外のサッカーについて、杉山氏の布陣という視点から分析した名著だと思う。この本が杉山氏の最初の著書の本だったとは知らなかった。
当時の日本のレベルでは3バック=守備的、4バック=攻撃的 という簡単な区分けしかなかったが、4バックにもベンゲルの名古屋の4バックの布陣があったり、加茂日本代表のブラジルの布陣の違いなど、当時のナンバーなどへの文章で個人的には理解したことを懐かしく思う。
今はサッカーを布陣だけで語ると問題もありF川崎の監督になった風間氏は、布陣をホワイトボードのマグネットサッカーなどと言って批判もすることもあるが、「布陣だ -
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サッカーの布陣表記は以前は3列表記であったが、より詳細に伝えるために、4列表記が基本となりはじめている。その立役者ともいえる杉山氏の代表的著作となるだろう。ただし、4-2-3ー1 vs 3-4-1-2 時代の本だと言える。
サッカーはいろいろな要素があるとは思うが、その中で戦術=布陣というものがある。布陣は戦術の1つ(現在では、システムと布陣は若干異なるとされているが)ではあるが、戦術を決める上で基本的な要素である。
著者の文体らしいが、具体的な試合の流れを取り出し、それに対しての評価を書いている。戦術の基本である布陣のトレンドを勉強したい人にはお勧めの書。 -
Posted by ブクログ
ん〜、良かった。「バルサvsマンU」というの試合が多角的に見て非常に意義のある物だと言うのが彼の言いたい事なのだと思いました。
色んな話を差し込んで構成されていて、人によっては「話が飛び過ぎ」と感じるのかもしれないです。僕にはそれらが試合の裏側に隠された重要な背景のような物に思えて単なる決勝戦のドキュメントとは感じませんでした。
他の著書と書いてある事がダブっている箇所もありますが、相変わらずの説得力を持っています。
ー「いつものサッカーをするだけ」とは強者の論理ー
彼の言葉は健全な批判精神に満ちていると思います。
まあ、ご本人は「人の言うことを信じすぎない方が良いですよと言いたくなる -
Posted by ブクログ
題名の4-2-3-1は、サッカーの布陣・フォーメーションのことである。GKを除く、サッカーのフィールドプレイヤーは10人であるが、各ポジションの人数を守備側から並べたものが布陣・フォーメーションを数字が表している。4-2-3-1は、ディフェンスが4人・下がり目のMFが2人・前めのMFが3人にFWが1人という布陣を表している。FW側を第1列とすれば、第2列に3人・第3列に2人、最後尾のディフェンスが4人という布陣である。サッカーは、試合中に選手が自由に動くスポーツであり、数字が示すフォーメーションも、ある意味では目安に過ぎないし、また、サッカーの勝敗は、この布陣やフォーメーションによって決まる、
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Posted by ブクログ
本書は2014W杯ブラジル大会の取材と同時進行で書かれた。当時はザッケローニに悪い印象を持っていなかった。日本の裏側で行われた各試合をリアルタイムで見ることはほとんど無かったため、自分が日本代表の試合結果を知ったのはダイジェストのみだった。2敗1分け・グループリーグ最下位という結果は、JFA、監督、そして選手起用の失敗だと言える。本大会での日本に批判的なことから、著者のメディアへの露出が少なかったのだと思われる。日本のスポーツ民度の低さの現れにも思える。しかし、サッカーというゲームを試合会場の高いところから俯瞰で見続けた著者の論法を、私は気に入っている。
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Posted by ブクログ
「4-2-3-1」とはサッカーの布陣を示す表記方法。
数字が4つ並んでるところがポイントなんですね。
日本だと「3-5-2」「4-4-2」など「DF-MF-FW」の3段階の表記になる。
4段階で布陣を解釈しようという文化が存在しないわけです。
この時点ですでにギャップがある。
欧州のサッカーが戦術重視なのは、個人技ではブラジルに勝てないのが分かってるからだ、というのが著者の理解。
即ち、布陣・戦術というものは、弱者が強者に挑み勝利をものにするための手段、だと。
サッカーの世界では「弱者」である日本が、何ゆえ布陣・戦術というものに対してこんなにも無頓着・不勉強なのか、それでは強者に勝てるわけが -
Posted by ブクログ
ただ漫然と見ているのではなく、セオリーを知ることによって、スポーツ観戦はあきらかにおもしろくなる。この本、たんに選手のポジショニングについて解説しているのではなく、その意図まで踏み込んで解説してあるので、すごく頭に入ってわかりやすい。
ジャイアントキリングは戦術の工夫なしには生まれないこと、そもそもブラジル人の個人技に対抗するために戦術を磨く欧州という図式があること、個人技に劣る日本人が世界で戦うためにブラジル的なアプローチをとる愚、「プレスが効く」とか「効かない」とかいうのは布陣と切り離せない話なのだと言うこと、中村俊介がトルシエのとる3バックシステムの左サイドで火だるまになった理由……