杉山茂樹のレビュー一覧
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4バックか、3バックか、サッカーは奥が深いものであることをポイントになるいくつかの試合の説明から、非常に熱く、かつ冷静に分析している本であり、実に楽しく味わいながら読みましたので、楽しいだけに時間がかかってしまいました。「サッカーは布陣か否か?」これはやはり日欧を行き来し、数々の名勝負を現場で見てきたからこそ言える言葉だと思います。印象に残る試合の解説として06-07欧州スーパーカップ・セビーリャ・バルサ戦、CL1回戦アーセナル・PSV戦、01-02レヴァークーゼン・レアル戦、03-04CLモナコ・リアル戦、EURO2004のオランダ・チェコ戦などです。番狂わせを演じることになっ
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サッカー評論家と称する人は沢山居るがその中で今最も信頼できる評論は本書の著者である杉山茂樹だ。往々にしてスター選手賛歌に終始しがちな他のコラムや評論と異なり、キチンと戦術を分析し批評をするという杉山の姿勢は日本のサッカーに最も欠けている部分とも言える。
決して戦術が全てではないにしろそうした視点が全く無いままに一戦一戦の結果に一喜一憂していては進歩が無いのもまた事実である。本書はオフト時代からの日本代表の戦術を分析し、それ世界の戦術趨勢と比べることで日本代表の戦いぶりを評価するものだ。世界は勝利するために日々その戦術的幅を広げているにも関わらず、歴代の日本代表監督は余りにもそうした視点に欠け -
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試し読み
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アメリカワールドカップからこれまでの日本代表についておすぎが言いたい放題言っております。
おすぎが「本田の1トップにすべきだ!」とか以前から言っていたなんて記憶はなく、「ほら、俺の言った通りだろ!」とか「俺の言うとおりにしておけば」的な表現が鼻につくことはありますが、これまでのサッカー史を振り返るにはもってこいの一冊かと。
特にトルシエやジーコのときはね、自分もサッカーに詳しくなかったから「代表監督がやっていることが正しいんだ!」的なノリはあったんだけど、今思えばそーでもないことがわかるわけで。
まぁメディアもサポも成長しているんだよね。
たぶん。 -
Posted by ブクログ
3バックが守備的で4バックが攻撃的という一般論は本当に正しいのか?
なぜスター軍団が最強チームとはなりえないのか?
なぜ現代サッカーではサイドが重要だといわれるのか?などなど、素朴な疑問に論理的に詳しい説明がなされていて、なるほどと思わず納得してしまいした。
世界の監督の目指したフットボール、近代における戦術の変遷、日本代表の課題、ベンゲルのグランパスが強かった理由など興味深い内容が満載です。
サッカーは優れた選手の存在が一番重要なものなのだろう、という考えを根底から覆されました。現代サッカーにおいて勝つためには、監督とその監督の哲学ともいうべき戦術が非常に重要なファクターであると -
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ネタバレサッカーを「布陣(戦略)」と「プレイヤーの技量(戦術)」に分解、前者にフォーカスした内容。
各布陣の特徴や相性、戦略が戦術の差をいかに覆すか等、豊富な事例が図解されており、
サッカー素人の自分も楽しめました。
(副題では「布陣=戦術」としていますが、ニュアンスとしては戦略を指していると理解)
①サイドを制するものがゲームを制す
サッカーは古くから「中盤を制するものがゲームを制す」と言われてきたが、
今のサッカーは「サイドを制するものがゲームを制す」に変化している。
サイドは360度敵に囲まれるピッチ中央と異なり、相対的にプレッシャーが弱い。
したがって、サイドからボールを相手ゴールライン -
Posted by ブクログ
これを読んで、一瞬、かなり戦術の解釈に強くなりました。内容を忘れるにつれて、戦術眼も衰えました。
帯に「ついに日本初“布陣の教科書”」と書かれているように、
サッカーのシステムを論じた本です。
いろいろ世界の、現代サッカーの流れがわかるし、日本サッカーの至らない点も
わかるし、岡田監督のやろうしているサッカーも、カペッロ監督の10年位前に
やっていたプレッシングサッカーなんじゃないかとわかる。
なかなかサッカーファンにとっては面白い本でした。
やっぱね、サイド攻撃の厚みが問題なんですよ。両サイドを二人づつくらいで
担当するような布陣での日本代表のサッカーを見てみたいですねー。 -
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バルサはバルセロナ・フットボールクラブ、スペインのリーグに所属するサッカーチーム。マンUはマンチェスターユナイテッド・フットボールクラブ、イギリスはプレミアリーグ所属のサッカーチーム。ヨーロッパで、ということは、世界最強の2チームと言われている。2009年5月27日、その両チームが、ヨーロッパのクラブチャンピオンを決める決勝戦で顔を合わせることになった。この本はその試合の観戦記。試合内容だけで1冊の本が書けるわけでもなく(書けなくはないだろうけれども)、筆者の想いは、試合の背景やチャンピオンズリーグの歴史や、日本代表のことなど、色々と駆け巡る。筆者が本当にサッカーが好きなのだな、ということが伝
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2010/3/20 メトロ書店御影クラッセ店にて購入
2010/5/7~5/8
ワールドカップを前に続々と出版されるサッカー関係の新書。この本もそのうちの1冊ではある。たまに集まってやる代表よりも、今はいつも一緒にいて戦術などを詰められるクラブでの戦いの方が密度が濃くなるのはすでに周知の事実であろう。その最高峰とも思える08−09シーズンのCL決勝の1試合を素材に、監督の戦術・戦略から、なぜ日本代表のサッカーが魅力的でないのか、格下とも思える相手に苦戦を強いられるのか、を明確に読み解いた本。杉山氏の最近の著作は、あまた出版されるサッカー本の仲でも非常に充実しているように思える。
いよいよ2日