涙が出た。
今まで、自分が関わってきた色々な妊産婦さんの姿が走馬灯のように駆け巡った。
私のことばで、誰かを追いつめてはいないだろうか。
助産師という仕事は、私が毎日出会って関わっている方々は、これだけナーバスな状態にあるということを、今まで以上に思いやらなくてはならない。
私たちの言う些細なひとことも、一生忘れられないほど傷つけてしまうこともある。
帝王切開の手術中に握った手を離すことが、どれだけ心細いのか。
もっともっと、慮らなくてはならない。
私たちは、日々新しい妊産婦さんや赤ちゃんに出会っていて、新生児の扱い方もこなれているけれど、お母さんたちは、あんなに頼りないくたっとした生物を前に、ものすごい責任感と不安とプレッシャーを感じているのか。
産後、地上とエベレスト並みに大きく変わるホルモンバランスの変化を前に、自分でも自分がコントロールできない状態だから、みなさん、夜勤の時ゆっくりお話していると涙を流されるのか…。
そういう孤独な気持ちを全く知らずにそばにいた自分が恥ずかしくなった。
そんな妊娠出産育児のリアルを、ものすごく正直に、わかりやすく書いてくれている。
決して重苦しくなく、ぷはっと笑ってしまう。
でも、これを読んで救われる人は沢山いるだろう。
妊婦さんや産婦さん、助産師の人にも是非読んでもらいたい本。
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出産という出来事を幸せなものとしてだけ捉えていくには
私にはちょっと大変すぎました
何より渦中にいる時に感じたのは
“自分がどれほど辛いか”ということを
周りの人に訴えたり表現したりすることが
いかに難しいかということ
(中略)
そもそも“幸せで当たり前”といった雰囲気の中で
そういうことを言うのもはばかられるし
“出産を経験した幸福な人”として祝福されて喜ばれて
もちろんそれは嬉しいことなんだけど
祝福に笑顔で応えながら心のどこかで
産婦は孤独を深めていくのだとも感じました