高野誠鮮のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
正直期待せずに読み始めたけど本当にすごい人だった。
仮に自分がこの村に飛ばされたとしてこれだけ反発があったら、「じゃあ好きにしてください」となってしまいそう。
特に公務員で成果を出しても給料が上がるような世界観でなければ、「相手のために相手の嫌がることをする」ってのはものすごくハードルが高い。
それを強いエネルギーでやりつつ、かつその方法も人間への理解に溢れていて素晴らしい。
たとえば「ローマ法王に連絡をとる」も村民を説得する方法の一つであり、「あえてニュースにせず噂話で広める」など方法の使い分け含めて社内政治の鬼という感じだった。
村おこし自体は今後の人生で関わるものかはわからないが、本 -
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高野さんの前作『ローマ法王に米を食べさせた男』はたまたま数年前に読んでいた。
石川県に住んでいて、県内の話に興味があったからだ。
そして今作。
高野さんと『奇跡のリンゴ』で有名な木村さんが、往復書簡のやり取りで作った作品。
高野さんの偉業は前作で知っていたが、木村さんのこれまでの農業人生が想像以上に波乱万丈だった。
そして10年以上も諦めずに挑戦し続けて見つけ出した、日本にしかない『自然栽培』の技術。
その情熱に感動した。
『東京オリンピックで世界一安全な野菜を!』
『日本発の農業ルネサンスを!』
手に取ったタイミング、本の内容、そして石川県。
これからの俺の人生にと -
Posted by ブクログ
本書で中心となるのは、高野氏が2005年に農林水産課に(意思に反して)異動になってから、限界集落とよばれた農村地帯の立て直しに挑んだときの内容です。
その実績から高野氏はスーパー公務員と呼ばれ、唐沢寿明さん主演ドラマ『ナポレオンの村』の原案になっています。
石川県羽咋市神子原地区は、とても美味しいお米が穫れるにもかかわらず、過疎化と高齢化が進み、収入の少ない地元農家は苦しい状態を強いられていました。
共済による補助ではなく農家たちの自立・自活が必須と考えた高野氏は、予算わずか60万円で神子原地区の活性化と農作物のブランド化に挑みます。
棚田オーナー制度、烏帽子親制度、直売所の設立な -
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2015年73冊目
頭をガツンと殴られたような素晴らしい一冊でした。
著者は市役所勤務。上司と合わず農林水産課に異動させられる。
そこで、命ぜられた仕事が?過疎高齢化集落の活性化と?農作物を1年以内にブランド化する。
担当する地区はほぼ限界集落。若者たちは出て行き、年寄りしかいない昔ながらの村。
普通だったら、こんなテーマ無理だと思って諦めます。
しかし、この著者は諦めない。
農業を活性化させるためには対処療法だけでなく、根本的にシステム自体を変える必要があると考え、農作物を作ってはJAに決まった金額で販売するという従来の仕組み自体を変えようとする。
もちろん、相手の農家だった長年の仕組みを取 -
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「ビジネス書」と「自己啓発本」の二つの目的を満足させる本。地方創生に情熱を燃やす公務員。この方の経歴が面白い。TVの構成作家であり、実家がお寺で日蓮宗の修行経験も持つ。宇宙大好き、英語ペラペラ。こうした持てる力を尽くして、石川県羽咋市神子原地区限界集落の再興に取り組む。「はくい」「みこはら」と読むらしいが、浅学恥ずかしながら読めず。そんなレベルから読み始める。
プロジェクトの成功には、マーケティング戦略や広告戦略、組織論的アプローチなど、定石や様々な戦略論があるが、最も大事なのは、「アクションを起こす事」だと改めて思い知る。失うものが無いなら、動けば動く程、失敗しても何かを得る。そこに経験や