久保勉のレビュー一覧

  • 饗宴

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    ネタバレ

    ギリシアの哲学者ソクラテスの弟子プラトンによる、愛と知をめぐる対話。学生時代に熱心に読んでいたが、ひさびさに通読。

    少年愛という習慣があったギリシアで、対話のしめくくりは、ソクラテスに横恋慕する弟子の登場でしめくくられる。文学性が高いとされるが、そのあたりはよくわからない。

    ただ、ディオティマとの対話を引き出して、ソクラテスが「エロスとは美や善そのもの」と信奉する若者を論破していく下りは、知の遊びとしておもしろい展開。AはB
    である。しかし、AはBとは反対のCでもある。という矛盾した対立項をおさめるために、親の話に例えるとは。

    愛情とはなにかについて、あらためて考えさせる一冊。もちろん抽

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    2014年10月15日
  • 饗宴

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    再読。愛=エロスの本質を求めて男達が語り合い、愛の絶頂即ちイデアを求めて昇り詰めていく対話のエクスタシー。エロス、それは賢者と愚者の狭間であり神と人間の中間にいる神霊(ダイモーン)的存在。善きものの永久の所有を欲求するそれは肉体的不死/生殖へ向かい、それを心霊的生産へと向けることで徳へと至る精神を形成する。初読時には同性愛讃歌と思っていたが完全な誤読。とはいえ相変わらず恋愛体質で愛されボーイなソクラテスの口説き文句は絶好調。「こんなにオシャレをしたのは、美しい人の所へは美しくなって行こうと思ったからだよ」

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    2013年05月30日
  • 饗宴

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    良いこと書いてあるんだけど、なんだかんだで、少年愛がらみの記述に目がいってしまう、ついつい。普遍的な価値について語ろうとするギリシア人たちが、こと「その話題」のときだけは、特殊な文化的背景にもとづく性癖を擁護しまくりというのがね。それが、苦笑をとおりこして、可愛くみえてきた。

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    2013年04月03日
  • 饗宴

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    平易で楽しい哲学書。ただの読み物としても面白い。
    内容は酒をのみながらみんなでエロスの素晴らしさを語るものだ。性の問題で悩む若者、BL好き、セックスレスカップルはまずこれを読め!

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    2013年02月23日
  • 饗宴

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    『いけない、いけない、あの人は放っておいた方がいい、それがあの人の癖なんだから。所かまわずどこかへ、人通りを避けて立ち続けることがよくあるのだ。が、いずれまもなく来るだろうと思う。だから邪魔をせずに、放っておいてくれたまえ。』(アリストデモス)

    『実際人は次のようなことを熟思するべきである。明らさまに愛するのはひそかに愛するものよりも美しく、しかももっとも高貴にもっとも優秀なものを―たとい彼が他のものよりは面貌が醜いにせよ―愛するのは特に美しいといわれていることを、さらにまた、万人が恋する者に与うる異常なる―しかも何か醜悪な行いのあった者にはけっして与えられぬごとき―鼓舞を、かつ恋愛における

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    2013年01月01日
  • 饗宴

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     ・・・ソクラテスは、最後に立って、そのまえになされた演説者の華麗なエロス讃歌とは対照的に、いつもの対話の方法によって、まずエロスの本質そのものを想定し、そのうえで、巫女ディオティマから聞いたという「廉価井修業の奥義」を物語る。肉体的愛から精神愛へ、さらに美のイデアの感得へと究極してゆく、このソクラテスの話は、深い哲学的真実をひときわ美しく表現している・・・(扉紹介)



     ディオティマによれば、『エロス(恋)とは、善きものが永遠に自分のものであることを目ざすもの』であるという。不死への欲求から人は肉体的に身ごもるが、それより上位に精神的に身ごもることがあると説いている。法律を産み出す、流麗

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    2012年01月26日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    自分の正義感というか信念を曲げずに生きるというのは難しい事ですが、処刑を受け入れてまで曲げない、というのはちょっと常人には不可能に思います。
    一番大切なことは単に生きるそのことではなく善く生きること。善く生きるとは美しく正しく生きるということ。
    わかりますよ。わかりますけど、、、
    学べた事は、なんでしょうね。まあなるべく自分に正直に生きる。って事ですかね。
    あとは前半にある、分からない事はわからないと自覚する、方が知ったかぶりより大分良いという事くらいでしょうか。
    いずれにせよ2500年前の人の考え方を知れる。これも読書の素晴らしさの一つですね。

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    2025年11月25日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    ネタバレ

    言葉が難しかったためほとんど理解できず…。
    解説本などを読んで理解を深めてからこの本を読むのがいいのかもしれない。

    あまり覚えていたないがクリトンとの対話で「寿命もあと少しなのに罪を犯してその後の短い人生ずっと後悔しながら天に昇った後もその後悔を引きずっていくのか。」みたいなセリフは新たな気づきになった。

    読むのに時間がかかりすぎて初めの方はすっかり覚えていないため、また読み返そうと思う。

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    2025年11月18日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    不正な死刑判決なんてうっちゃって逃げようとアドバイスする友人すらも淡々と論破する真の論破王ソクラテス。
    終始ソクラテスが突き抜けてサイコパス(ロジカルすぎて感情とかプライドとか置き去りまくる)だし発言の一つ一つが裁判官煽ってて(正しくても)そりゃ反感買うよなーとか、若者がソクラテステンプレ使って社会問題になるのとか現代と同じやん…とか、ここからのプラトンの『国家』か…とか、いろいろかなり楽しめる本でした。結構声出して笑った。
    ソクラテスの一貫性、言行一致の態度は本当に見事。でも、普通の人はあなたほど理詰めでは生きられないことにも気づいてほしかったよ…

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    2025年10月25日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    クリトンを読みたくて購入。
    窮地に立たされても「考える」こと、考えを整理すること、自身の行動や判断基準を持つこと、対話すること、伝え方、等々。いろいろ考えながら読みました。が、ピンとこない箇所も多く、難しく感じました。理解を深めたい。

    「ソクラテスの弁明」は先日、光文社の文庫を読んだため流し読み。個人的には光文社の方が好みでした。

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    2025年04月28日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    某漫画に影響されての哲学する(あちらは倫理♪)
    単純♫
    で、本作の主演はソクラテス、著述プラトン。
    世界史的な知の巨人の師弟がガッツリ絡み、分量もボチボチ。
    哲学始めに最適ね♪と軽く選んだ本書。
    でも、何これ、傑作。
    ソクラテスの弁明 は「はい、論破」な法廷物で気持ちいい。そして クリトン。
    死刑確定のソクラテスに逃亡を奨める親友クリトン。
    変わらぬ友情に謝しつつ、死を選ぶソクラテス。
    2人は国家と個人、法と正義について語りあう。
    『生きろ』と説得する友を優しく論破する男の横顔に、真善美を血肉化した偉大な哲人の誇り高い魂を見る。
    穢れた私には眩しすぎ、実は泣きかけた。
    二千年、読みつがれるに値

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    2023年01月19日
  • 饗宴

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    難しい…と思いながら読み終わってしまい、投稿まで時間が空いてしまった!
    難しいと感じる最大の理由は、「エロス」という神が一つの人物像(人ではないけど)なのか、それとも恋や愛という概念として語られるものなのかがなかなか掴めなかったことでした
    ネットに上がっている要約に助けられながら振り返ります。笑
    
    
    物語はソクラテス含む6人が、ギリシア神話のエロス神を称えるという形式で進んでいく。
    エロス=恋(少年愛)に関して、6人が様々な意見を戦わせる。
    
    ・古さゆえにエロス神は「善さ」の源泉であり、徳と幸福をえるために最も強い力となる
    ・エロスには2種類あるが、世俗的な恋ではなく、理性的

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    2021年03月31日
  • 饗宴

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    愛についての本。運命の人ってフレーズは、元々2人がくっついていたけど、切り離されて、片割れを探しているって話が由来らしいよ。
    純粋な愛は男性同士の愛ってのは面白いね。性的な何かも含めてなんだろうけど、それより人として好きって感覚なのかな。人まで見て好きになれるのが一番いいよね。
    ソクラテスとアガトンの一説で、エロースは美を求める美しい神という主張に対して、美を求めるってことは、美を持たない。→対象に対して欲求する愛を持っているなら、それは、欲求する段階ではそれを持っていないことになる。
    なぜなら、持っていないものを求めることだから。かけている物を欲求する感じ。

    人間もエロースも、知恵と無知の

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    2021年02月17日
  • 饗宴

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    プラトンが飲みの場で愛について様々な人々と語った本。
    愛とはなにか。
    エロスとはなにか。
    愛とは、美しいものを希求し出産すること。

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    2021年02月13日
  • 饗宴

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    男女の恋愛ではなく、少年愛が主なテーマ。
    ギリシャ時代、少年愛こそが崇高なもので、女性に興味を持ってるような男はまだまだ人間としてレベル低いやつ、というような考えだったよう。
    フェミニストとしては、この時代で既に女性は男性に都合の良いように定義づけられてきたのか、、と悲しく思った。

    ただ、愛というものは、最終的には1つの対象に対するものではなく、広い後世の世代に対しての教育意欲を掻き立てる=社会全体への貢献欲に繋がる、という点は、
    自分自身の感覚や、アドラー心理学とも共通していて、やはり、人の欲求は最終的にそこに至るのだなと再確認できた。

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    2020年12月12日
  • 饗宴

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    ネタバレ

    エロスとは何か、
    エロスを讃美するとはどういうことか、
    次々にいろんな人が語る饗宴。

    エロスを語るのに、
    一緒に飲みながらという場面は、適切なのかもしれませんね。

    愛と美に魅せられ、
    酔い、
    熱くなり、
    ほめたたえる。

    愛に溺れるのでもなく、
    酒に溺れるのでもなく、
    美そのものへと到る道を行くがごとく。

    ソクラテスは、
    自分がいかにエロスを知らなかったかを説き、
    そしてさらにはエロスのなんたるかを語る。

    この世界で、いま、エロスの神は賛美されているだろうか。

    ”なぜといって独力でもしくは他の誘導によって愛の奥義に到る正しい道とは次のようなものであるからです。それはすなわち地上の個々

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    2020年08月26日
  • 饗宴

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    副題の通り、エロスについて語られている本。
    エロス=神聖なものなのか、戯れなのか。
    エロスを突き詰めると知恵を愛することになる。

    哲学の語源となったフィロソフィアはここから生まれたのではないか。

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    2020年01月10日
  • 饗宴

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    学生時代に読んだっきりの本書を再読。
    さっと読むと普通に「ふむふむ」だったところも、今読むと「え、それは飛躍だろう」と思うことがちらほら。

    二千数百年前の本を今読んでなんやかや考えることができるなんてすげえなあ、と、内容に関係ないところで感動する。やるなプラトン。

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    2015年09月17日
  • 饗宴

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    半分くらいからもうついていけなくなった。はじめから2、3人くらいまでの演説者の言っていることはまずまず理解できた

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    2012年08月13日
  • 饗宴

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    プラトン読破マラソン2冊目。

    古本で買ったため漢字が難しすぎてそこで障害あり。


    内容としては宴の場に格式者がエロスの神を誰がどれだけ上手く賛美できるか競争をするという設定。

    今風に言えば「マジでいい人」とか「美しさそのもの」とか「偉大なる将軍様」とか口当たりのいい言葉が飛び交う中、最後の発表者のソクラテスが「美しさなんて主観的なものだよねwww」と論理的にばっさばっさ切り倒す、そんなエキセントリックな本。だと思う。違うかな?

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    2012年06月03日