久保勉のレビュー一覧

  • 饗宴

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    ネタバレ

    ソクラテス先生 飲み会で友人達と愛について語り合うの巻。

    ソクラテス四大福音書の一つらしい。
    他の三つと違って友人の家で飲み会をし、
    愛について語り合うという何とも楽しい内容だが、
    大正時代に訳された原稿を50年前に書き直した物なので、
    難しい言葉が多く、読むのはなかなかしんどい。

    「愛とは不死のための欲求である」
    というのがこの本で主張したいことなんだろうけど、
    様々な人物に愛についての意見を語らせて、
    最後にソクラテスが他者から聞いた話という形で、
    結論を持ってくるという構成が見事。流石プラトン。
    一つだけ毛色の違うこの本が、
    四大福音書に一つに数えられているのも頷ける。

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    2013年12月07日
  • 饗宴

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    池田さんの影響。1971版。読めない漢字が多くて大変だった…
    こんな風にギリシアのポリス市民は宴会をしていたのだと思うと、こんな素晴らしい宴会はないと思う。
    倫理か何かの教科書だったか参考書に、この本について「同性愛か異性愛どちらがすばらしいかについて対話している」みたいなことが書いてあったが、全くのでたらめだ。そんな小さな一手段を書くためにプラトンは言葉にして書き起こしたのではない。
    演説として数名の人物が愛(エロス)について述べたところはなんだか難解で小難しく思われたが、ソクラテスの発言(ターン)になると途端にすっとわかってしまった。池田さんが書いていたように、ソクラテスは哲学そのものだか

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    2014年03月14日
  • 饗宴

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    ネタバレ

    プラトンの饗宴、これは愛についての対話だ。

    あまりに多忙で感想を書く時間すらなかったこの1週間。
    ようやく簡単な感想を書きます。

    愛とは異性への愛だけだと思っていただけど、
    プラトンのいうエロス(愛)は異性への愛はもちろん、家族愛、自然愛、
    博愛などものすごく広義の愛をエロスと言っている。

    エロスはそもそも神(全能)でもなく、無知な者でもなく、
    中間の位置にあるダイモーンだといい、そして美を求めると説いている。

    人間も実は、立ち位置としてはエロスと同じなのだ。人間は新しいことを常に欲求するし、
    かといってすべてを放棄して何もしないということもしないからだ。

    そしてプラトン自身の考える

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    2013年09月10日
  • 饗宴

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     「研究発表会」「討論会」を意味する「シンポジウム」という言葉は、古代ギリシャの「饗宴」に由来し、「一緒に酒を飲む」ことを意味しました。古代ギリシャ人にとって、飲み会が研究集会であり、研究集会が飲み会だったのです。
     ジョージ・スタイナー曰く「劇作家としてのプラトンは、多くの点でシェイクスピアと互角と言ってもよく、さらに倫理的知性の強度ということになれば、ひとりプラトンの(あるいは双璧としてのダンテを加えてもよいが)独壇場である」「その人物としての厚みと存在感は、フォルスタッフやハムレットやアンナ・カレーニナについてわれわれが経験するところに、それを凌駕するとは言えないまでも、およそ匹敵するの

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    2012年05月27日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    ソクラテスの高潔さに畏敬の念を抱く。神からの啓示を得た彼は、ギリシャ世界に正しい秩序をもたらすべく奔走した。エセ知恵者を論理で斬り、多くの人に恨まれる形で。

    時代が悪かった。ペロポネソス戦争での敗北でアテネに不安が満ちていた。青年腐敗の根源とされたソフィストと一緒くたにされ、ソクラテスは国家安定のため生贄にされる。

    散り際は美しい。法治の重要性を説いた張本人が、法の決定に背くことはあり得ない。クリトンの脱獄の提案に優しく丁寧に反論し、極刑を受け容れる。

    良心の呵責に訴えるのではなく、信念に生きた古代ギリシャの哲学者を描き出したプラトンは流石である。生き方が武士のそれに近いのは錯覚だろうか

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    2025年09月28日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    言葉遣いが古い(昭和感)が、それは訳の問題。
    プラトンの筆致には古さを感じない(これは訳のおかげといえるか)。

    日本語の言葉遣いのせいで多少読みにくいところもあるが、そんなに問題はない。
    内容そのものは思っていたより平易で、2000年以上も前の人たちとの考え方と現代人の考え方は意外にも似通っているんだなと感じた。
    ソクラテス、死刑になるほど悪いやつではないけど、そりゃ嫌われるよなと思った。

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    2025年05月14日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    ●議論
    ソクラテスが何をどのように考えていたか知りたく。
    考え方というよりも、生き生きとしたソクラテスの弁明が印象的であった。
    孔子もそうだか、有名な人物は決してその時は幸せに生きていたわけではないと思った。

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    2025年01月27日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    哲学入門書と言われているが、通常の文章体の本ではなく、会話形式で進む本なので読みづらく感じる人も多いだろう。
    ただ、内容としては学びの多い本です。巷のSNSで意識高い系の思想などが流れてきますが、こちらはそれらに惑わされないための本質となるのでデジタルデトックスのしたい人には最適な本だと思う。
    相手の主張を比喩を交えながら論理的に説き、現代を生きる上でも多くの気づきをもらえます。
    無知の知と無知の無知。徳を志すソクラテスとプラトンの会話も印象に残っています。

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    2024年12月09日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    ソクラテスの審問裁判における弁舌を当時の息づかいと共に伝える。ソクラテスの人格を凝縮した本書は、彼の人格性を感じ取るのに最適の書だと言えるだろう。

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    2024年11月29日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    非常に難解な内容であるので、ぜひ、解説まで読んでほしい。少し理解が進むだろう。
    そして、「ソクラテスの弁明」、「クリトン」に加え、「ファイドン」(パイドンと思われる)の3作は、「この世界史上類なき人格の、人類の永遠の教師の生涯における最も意義深き、最も光輝ある最後の幕を描いた三部曲とも称すべき不朽の名篇である」とのことで、早速、「パイドン」も読もうと思う。
     ちなみに、「クリトン」は、「ファイドン」よりは事実に近く、「弁明」よりは事実に遠いらしい。

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    2023年07月15日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    国家を読んで鬱陶しいなあと思ったソクラテスの印象はそこまで変わらないが、正義や徳を追い求めようとする姿には哲学者としてのイデアが垣間見えたような気がした。

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    2023年04月17日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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     ソクラテスの高潔さに感動する一方で「こんな生き方はできなかった」という思いが湧いてきて、複雑な読後感であった。
     ソクラテスにようにはなれなくとも、せめて「彼を告発した者」や「雰囲気に流されて彼を断罪した者」のようにはなりたくないものだ。

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    2022年11月19日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    ネタバレ

    ソクラテスは非常に信仰心の強い人物であり、そんな彼の精神に従うことを諦めなかった結果として彼は死刑に処せられた。これは単純に彼の精神が死刑を定めている法律つまりは国家の意向にそわなかったというわけではない。当時の国家を先導していたのがいわゆるソフィストと呼ばれる人々であり、彼らの精神とソクラテスの精神とが合致しなかったという意味である。だからこそソクラテス自身は国家に対しての忠誠心をも持っており、その国家が定めるルールである死刑でさえも受け入れる選択をした。


    正直なところ、物語として読んでみるととてもこんな人いないだろうという感想が1番に出てきました。私自身の日本人として信仰心の浅さ

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    2022年11月16日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    文章としては難しく理解しずらいが、内容は非常に面白い。2500年も前に、自分や人にとって正しいと思うことを死刑という判決が下っても貫こうとする姿勢に心を打たれた。「最も立派で最も容易なのは、他を圧迫する事ではなく、出来る限り善くなるように自ら心掛けること」この言葉は今の時代にも全く色褪せていないと感じる。

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    2022年10月28日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    善く生きる、正しく生きることとは…と考えさせられる古典の名作
    読んでて面白かったのだが、個人的にはやはり国家と個人の関係が今ひとつ共感できない…
    アンダーソンの『想像の共同体』を読んでみたい

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    2022年08月31日
  • ソクラテスの弁明 クリトン

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    ネタバレ

    善く生きるとはどういうことか。ソクラテスの死生観がよくわかる名著です。

    ◆ソクラテスについて

    古代ギリシアの哲学者。哲学の父や哲学の祖と呼ばれ、「無知の知」の概念や「問答法」という思考法を残した事で有名。

    ◆ソクラテスの弁明のストーリー

    ソクラテスは「国家の信仰と異なるものを信じ、若者に悪い影響を与えている」という罪で裁判にかけられ、陪審員たちの多数決により、死刑を求刑された。

    友人クリトンから逃亡を持ちかけられるが、ソクラテスは自分の信念を貫き通し、死を受け入れた。

    ◆ソクラテスの死生観について

    ◇読書前の疑問
    なぜソクラテスは死を選んだのだろうか?
    若い人へ大切なことを伝え、

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    2022年08月13日
  • 饗宴

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    イデアに対する理解が足りなかったので、愛に導く神エロースに関する議論はイメージし易く、その理解を深めてくれる。

    ディオティマとソクラテスの対話には引き込まれたが、その他のエロース賛美はダラダラ進んでいく。このダラダラの中にこそプラトンのソフィストや喜劇・悲劇作家等を描く巧みな表現がふんだんに詰まっているわけだが。

    我々は不死を得るために愛によって子どもを作るし、創作するし、教育する。つまり我々は自分という存在を後世に残したいと強く望んでいるのだろう。このレビューも一種のそれに該当すると言ってもいいかも知れない。

    「美そのもの」を求めて人生を歩む必要性を強く感じる。この美の段階の議論は現代

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    2020年02月26日
  • 饗宴

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    フィックションだが、登場人物がリアルすぎて、しかも紀元前。本当の話のように…

    この中で出てくる、ソクラテスの雄弁さと説得力ある講釈、その弟子プラトンも侮れない…

    エロースとはをテーマに書かれる愛=人間⇨智慧。

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    2017年01月28日
  • 饗宴

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    ネタバレ

    愛について
    恋について

    最近読むのは
    何か、
    かたちを探しているからで
    自分の中で答えを定義したいから


    ヘドウィッグに涙して
    思い出して読んだプラトンさんは

    やっぱりプラトン

    お酒の席での
    こういう話は昔から
    あるのね

    と親近感。

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    2016年09月21日
  • 饗宴

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    ネタバレ

    説明 原題の「シンポシオン」とは「一緒に飲 む」というほどの意味。一堂に会した人々 がワインの杯を重ねつつ次々にエロス(愛)讃 美の演説を試みる。最後に立ったソクラテ スが、エロスは肉体の美から精神の美、さ らには美そのものへの渇望すなわちフィロ ソフィア(知恵の愛)にまで高まると説く。さ ながら1篇の戯曲を思わせるプラトン対話篇 中の白眉。

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    2015年01月08日