前嶋信次のレビュー一覧

  • 三大陸周遊記

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     14世紀のイスラム(モロッコ)の旅行家、イブン・バットゥータの大旅行記の。全訳は家島先生が東洋文庫全八巻で訳されているが、師匠に当たる前嶋先生の抄訳となる。(このあたりは高野秀行による前書きに詳細がある)。
     モロッコ、エジプト、アラビヤ、黒海周辺、アフガン周辺、インド、アジア、中国(元)と約30年に渡り旅を続けているが、そのヴァイタリティと知的好奇心には脱帽する。
     東方見聞録に比べると、こちらのほうが断然読みやすく、面白い。情報の正確性はともかく、前者がガイドブックとすれば、こちらは旅日記である。善きにしろ悪し気にしろ起こった出来事を克明に記しており、読んでいてワクワクするのである。

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    2023年06月11日
  • アラビアン・ナイトの世界

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    千夜一夜物語を読んだことがないので読んでみようと思って手に取ったら、まさかの千夜一夜物語がいかにできたか、という本だった!

    とはいえ、どのようにしてできたかの考察と、元になった話が丁寧に書かれていて、これはこれで面白い。
    いつか千夜一夜物語も読みたい…と思うがいつになることやら。

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    2025年04月04日
  • 三大陸周遊記

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    マルコ・ポーロより50年遅れて生まれたモロッコ出身のイスラム世界の探検家、イブン・バッドゥータの世界周遊記。客人を大切にする一方、異教徒には厳しいイスラム的視点から見た世界は東方見聞録とは一味違うのです。黒死病も真っ盛りで、酷さがわかります。

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    2024年11月27日
  • 三大陸周遊記

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    高野秀行氏がナビゲーションを務める『三大陸周遊記』にやって参りました!彼が手掛けたまえがきはやっぱり面白かった!何ならもっとはっちゃけても良かったくらい。
    面白いだけでなく、彼特有のユーモラスな語り口調のおかげで十分良い予習になるし、面白い視点のまま本書に臨める。

    著者のイブン・バットゥータは、モロッコ出身の大旅行家。
    22歳の頃聖地メッカ巡礼を目的に故郷を離れたが、やがて世界旅行へと乗り出す。その範囲は北アフリカからユーラシア大陸を横断して中国と、ザッと世界半周は制覇している。
    本書は1977年刊の同タイトルに高野氏のナビゲーションを加え、復刊したもの。高野氏曰く原書の4分の1に抄訳されて

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    2023年09月15日
  • アラビアン・ナイトの世界

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    ネタバレ

    アラビアン・ナイトに興味があるが、あまりに膨大なので先に入門書として本書を手に取った。
    アラビアン・ナイトの説話とそのほか伝わっている物語との比較と解説が分かりやすく、世界は繋がっているんだなと感慨深い。一部史実であったり、どこか物語の原型といえるものに各地の風習が追加され、それが人々の興味を誘い今日まで読み継がれてきたという歴史を感じる。
    主要な物語だけでも読んでみたいと意欲が湧いてきた。

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    2023年02月09日
  • 世界の歴史〈8〉イスラム世界

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    2017/3/10
    中東の歴史はやはり面白い。東から西からさまざまな勢力が興亡する。中東から逃れイベリア半島で興った「後ウマイヤ朝」があったり、モンゴルの蹂躙があったり。ダイナミックだな。

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    2017年03月10日
  • アラビアの医術

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    科学と宗教って相反する時があって(エデンの園と進化論みたいな)、西アジアはめっちゃ科学が発達してみんな勉強家な面と、根強いアッラーの教えが共存している地域なんだよね。特に医術って生命に関することだから、微妙なところじゃん。興味深い!

    アラブ地方では、病気はジンとか邪視のせいだ、と言われ、治るも治らないも神の一存という考え方もある一方、おまじないだけじゃなくて、効果のある薬草やお酒?なんかの研究から、次第に医術は発展してきた。ギリシアは別として、中世ヨーロッパがかなり荒治療を行っていた頃から、症例や効果をコツコツまとめ、医学書を作ってきたイスラムの皆さん。やっぱすごい!万能薬のテリアカは、なん

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    2021年03月07日