亀山龍樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこれまでパリ、ニューヨークとシリーズを2作読んで、私はすっかりハリスおばさんのファンになっている。
今回のハリスおばさんの行き先は国会だった。読み始めたときは理解しづらいところもあったが、後半になるにつれてどんどん物語に惹き込まれていった。
私は、ハリスおばさんならどこでもどんなことでもやってのけるのだと思っていた。しかし、この物語では、人それぞれ自分に合う仕事があり、それでいいのだと感じ、安心感を得た。また、ハリスおばさんも一人のどこにでもいるおばさんなのだと分かった。人間関係の複雑さや、社会で暮らすことの難しさは、昔も今も、どこの国でも変わらず普遍的なことだと理解できた。
責任感のあるハリスおばさんにとって、議員を辞めることは心苦しいことだったと思う。しかし、そのまま議員を続けることの難しさを理解し、自分の力量や不得手を認めて辞めるという、辛く勇気のいる決断をしたことに、ハリスおばさんの人間性を感じた。
また、ベイズウォーターさんとハリスおばさんの関係がこじれて、今までジョンと親しく呼んでいた名前が「ベイズウォーターさん」と呼ばれた時には、悲しくて印象的な場面だった。
二人の関係はこれで終わるのかなと思ったが、そうではなかった。
ベイズウォーターさんはこれまでの自分の人生をどう振り返ったのだろう、どんな人生を送ってきたのだろうと気になった。
一人で傷心の旅に出るのかと思いきや、親友であるアダを救うために二人で出発することになった。
この二人が今後どう過ごし、どうなるのか、続きの物語がとても気になるラストだった。
ハリスおばさんの強さと弱さの両方に触れられて、人は完璧でなくても大丈夫と、とても印象に残った物語だ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画を見てからこの本を読んだのである程度ストーリーは知っていたけれど、映画と話の展開が違っていて読むのが楽しかった!
原作の方が、ディオールで働く人たちがハリスさんに対して友好的で優しい。
あのマダムコルベールでさえもハリスさんのもつ女性の強さに感銘を受けて協力的にうごく姿に映画とのギャップを感じた。
自分の今までの人生と照らし合わせながら、ハリスさんの言動にうんうん分かるとうなずきながら読み進めていった。
ずっと欲しかったドレスを買ったということではなく、そこに行き着くまでの経験や人との出会いが何よりの財産となり、それは生涯失われることのないものとなる、という感覚に気づけたハリスさん。この経験をした人でないと得られない感覚だなと思う。
ひとつひとつの描写が頭の中でイメージしやすかった。
最後の部屋にお花が運ばれてきて思い出の場所、人、匂い、情景が思い起こされてくる様子が、私もハリスさんみたいに一緒になって想起していけたのは、この作者の描写力によるものなのだろうな。 -
Posted by ブクログ
観てから読みました。
映画も好きなタイプでしたが、原作はもっともっと良かったです!
映画より現実的で、時代背景もより悪意なく映し出されていました。例えばミセス・ハリスの外見を見ただけで職業がわかるマダムコルベールや侯爵。特に侯爵は、映画よりもリアルでした。差別というよりそういう現実がある…
今の世の中でも特権階級にいる人から見れば、私の所作やふるまいから労働者階級にいる人間だとわかるんだろうな、と思いました。厳しい現実。
でも、ヒエラルキーの下にいても、何かを目指して叶えるということを自分もしてみようかな、と思わせてくれる、ステキな1冊でした。
やはりバクチで一発当てることは無理(笑)
原作ではドレスを手に入れるために、地道に数年かかってました。安心…
1958年当時の500ポンドって、どのくらいの価値だったのか知りたいです。フランが大暴落してたみたいな時代。でも、優雅に暮らせる人たちがいたのですね。
ステキな本でしたが、フランスのコネ、階級社会の一端をマダムコルベールの夫の状況や侯爵の外務省での肩書などで思い知らされました。日本もそうなのかな…
身分…つらいですね。
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Posted by ブクログ
ネタバレ普段海外の作家さんの本をあまり読まないのもあってか、翻訳家の語彙力が凄い、って思いました。
イギリスやフランスの昔の生活を学べそうと思って読み始めましたが、現代では聞かないような日本語の言い回しが沢山出てきて、むしろ日本語の勉強になりました。笑
ハリスさんは貧しくても心が豊かだから(ちょっとずるくて頑固なところもあるけど)、本音を隠した交流が多くて素直になれないパリの人たちに必要とされたのかなとおもいました?
ドレスの関税はちょっとずるいが過ぎるけど。笑
エイダ・アリスには失望しました…。
私も応援してたのに、謝罪もしないで逃げるなんて非常識。
だけど、この一件で人生の無常を悟って、ハリスさんの心がより豊かになった気がして、必要な事件だったんだろうなと思いました。
あとがきを読んで、作者が男性でびっくりしました。
今考えてみればバターフィールドさんとの関係とか、ちょっと男同士の友達みたいな雰囲気があったなと。