亀山龍樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画を見てからこの本を読んだのである程度ストーリーは知っていたけれど、映画と話の展開が違っていて読むのが楽しかった!
原作の方が、ディオールで働く人たちがハリスさんに対して友好的で優しい。
あのマダムコルベールでさえもハリスさんのもつ女性の強さに感銘を受けて協力的にうごく姿に映画とのギャップを感じた。
自分の今までの人生と照らし合わせながら、ハリスさんの言動にうんうん分かるとうなずきながら読み進めていった。
ずっと欲しかったドレスを買ったということではなく、そこに行き着くまでの経験や人との出会いが何よりの財産となり、それは生涯失われることのないものとなる、という感覚に気づけたハリスさん。 -
Posted by ブクログ
観てから読みました。
映画も好きなタイプでしたが、原作はもっともっと良かったです!
映画より現実的で、時代背景もより悪意なく映し出されていました。例えばミセス・ハリスの外見を見ただけで職業がわかるマダムコルベールや侯爵。特に侯爵は、映画よりもリアルでした。差別というよりそういう現実がある…
今の世の中でも特権階級にいる人から見れば、私の所作やふるまいから労働者階級にいる人間だとわかるんだろうな、と思いました。厳しい現実。
でも、ヒエラルキーの下にいても、何かを目指して叶えるということを自分もしてみようかな、と思わせてくれる、ステキな1冊でした。
やはりバクチで一発当てることは無理(笑)
原 -
Posted by ブクログ
「雪のひとひら」が良かったので、同じ著者の作品で面白そうなものを手に取った。読んでいくうち、子どもの頃に読んだやつか??と。詳細は忘れていたけど、結末同じだった。幸運なめぐり逢い。
お掃除おばさんがディオールに憧れて、、、という話ですが、ちょっぴりおとぎ話風だけど、一つひとつの場面にしっかりリアリティがあり、なんならお店をまとめるマダム・コルベールは、いまのわたしの年齢や状況からしてすごく感情移入しやすく、ちょうど職場で同じようなことがあり、マダムと一緒に自分が赤面してしまった。
昔読んだ時はただ楽しかったのだけど、いまは場面やキャラクターごとの温かみや煌めきが心に染みて、このラストにこれだけ -
Posted by ブクログ
角川文庫で出されたのを読んだのですが
こんなワクワク、ハラハラする物語が
児童文学として出回っていたとは!
「よみもの」から一足飛びにミステリに
走った子供時代の自分に教えたい気分。
ただ、内容的には特に子供向けではないねぇ。
ロンドンで通いの家政婦をしている
ハリスおばさんは、ある日
雇用主のひとりの家でディオールのドレスを見て
その美しさのとりこになる。
自分も手に入れたい一心で
くじの賞金を元手にコツコツ稼ぎ
ついにパリへ旅立つのだが。
海外旅行ははじめてで
フランス語だってたいしてわかるわけでもない。
そんな彼女と出会ったパリの人たちが
最初こそ小馬鹿にしたりするものの
おばさんの -
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ミセス・ハリス シリーズ全4巻
初めて読むのに最後の4巻を読みました。
シリーズの最初の本ミセス・ハリス、パリへ行く
は品切れだったし、帯にどの巻からでも読めると書いてあったのでなんとなくモスクワへ行くを選びました。
富くじを当ててモスクワへ親友のバターフィルドと旅行へ行きます。
ひょんなことからスパイ容疑をかけられてしまいます。
時代はまだソ連の時代ユーモラスに描かれていますが部屋には盗聴器が仕掛けられていたり、いつも監視されていたりけっこう怖いです。
トイレにトイレットペーパーがなかったりするのも時代を感じました。
話はテンポ良く進み読みやすかったです。
こちらの原作は1974年。
1作目